137.たまには俺がエスコートしよう。
今日も一日が終わった。
錬金術の実践をしていると時間が過ぎていくのが早く感じる。
〈代理人〉たちとの記憶の共有を行う。
今日は少し変わった事件に巻き込まれた。
青葉族のカーシゃのもとに派遣していた〈代理人〉が、森人族のディアリスという女性に協力を希望してきたのだ。
記憶を共有してみて事情は分かったので、世界樹の素材欲しさに森人族の〈代理人〉を用意した。
次期族長のディアリスの婿に収まれば、世界樹の素材の入手ができるかもしれないと目論んでのことだ。
我ながら卑劣な計画だが、錬金術にドハマりしている俺にとっては世界樹関連は喉から手が出るほど欲しい素材なのである。
大迷宮探索部隊は遂に前人未到の第五十六階層に到達しているそうだ。
魔物も一層、強力になっており四人の〈代理人〉だけではなかなか突破が難しくなりつつあるという。
つまりベルナベルにとっては不足のない相手が増えてきているということだ。
宝箱からはスキルオーブが出る頃合いなのだが、この魔力帯は散々、宝箱設置していたためやはりスルーしている。
魔物の強くなるペースが段々と早くなっているそうなので、俺の魔力で届かない宝箱が出現するのもそう遠くないようだ。
エチゴヤ商会では働き手の面接を行い始めた。
なかなか見どころのある人物が来ているようで、何人くらい雇うのか検討しなければならないそうだ。
定期的に休みを与えることなども考えると、それなりの人数を雇わなければならない。
しかしやろうと思えば〈代理人〉を使って店番をさせることもできるので、もったいないような気もしていて複雑な気分になっているとのこと。
まあ雇いたいだけ雇えばいいと思うがね。
大神殿のスサノオは相変わらず、休み休み喋り続けている。
〈新聞閲覧〉では興味ない記事は斜め読みしていたので、細かい情報については俺にとっても新鮮な気持ちで語ることができていた。
ここはまだまだ時間がかかりそうだな。
宝箱設置をしているダンジョン管理人は、〈代理人〉に〈寄生〉しつつ魔力を底上げして有用なアイテムの集収に余念がない。
今日も〈天運〉が仕事をしたのか、有益なスキルオーブをふたつ入手できたそうだ。
〈解呪〉と〈緑の手〉だ。
〈解呪〉の方は進化狙いだが、果たしてどうなるのか想像がつかない。
〈緑の手〉はどうやら触れている植物を操るというスキルらしい。
とにかくスキルオーブを使用してみた。
《〈解呪〉のスキルを習得しました》
《〈解呪〉のスキルが〈呪破〉に進化しました》
《〈緑の手〉のスキルを習得しました》
魔術に触れなければ解除できなかった〈解呪〉と異なり、〈呪破〉は五メートルほど離れている魔術を解除できるようになった。
解除時に魔力を込めることで射程はさらに伸びるようだ。
すごく利便性が上がったなこれは。
さて今日はベルナベルと夜を共にする日だ。
「ベルナベル、たまには俺がエスコートしよう」
「ほう。主も随分と男らしくなったものじゃ」
「そりゃ経験回数がうなぎのぼりだからな」
「それもそうかのう」
ベルナベルは差し出された俺の手を取る。
俺たちは長々とベッドで甘い時間を過ごした。
《名前 コウセイ 種族 人間族 性別 男 年齢 30
クラス 自宅警備員 レベル 99
スキル 〈人類共通語〉〈簡易人物鑑定〉〈槍聖〉〈暗視〉〈気配察知〉
〈危険感知〉〈気配遮断〉〈魔力隠蔽〉〈性豪〉〈料理〉〈醸造〉
〈錬金術〉〈農耕〉〈礼儀作法〉〈審美眼〉〈酒豪〉〈痛覚軽減〉
〈オートマッピング〉〈呪破〉〈癒やしの御手〉〈緑の手〉
〈闇:召喚〉〈空間:防御〉〈時間:治癒〉〈創造:槍〉
〈精霊:使役〉〈同時発動〉〈高速詠唱〉〈通信販売〉〈新聞閲覧〉
〈相場〉〈個人輸入〉〈魔力眼〉〈多重人格〉〈睡眠不要〉
〈ボーンガーディアン召喚〉〈別荘〉〈夜の王〉〈隠れ里〉〈牢獄〉
〈テイム〉〈監視カメラ〉〈ホットライン〉〈帰還〉〈領土〉
〈百面相〉〈領域支配〉〈隠れ家Ⅲ〉〈代理人Ⅲ〉〈眷属強化〉
〈ダンジョンマスター〉〈浮遊島〉〈城塞〉〈リサイクル〉
〈監視衛星〉〈永続召喚〉〈地下迷宮〉〈天運〉〈視界共有〉
〈ボーンアーチャー召喚〉〈地脈操作〉〈霊脈操作〉〈全異常無効〉
〈王威〉〈寄生〉〈アイテムボックス〉〈経験値100倍〉
〈契約:ベルナベル〉〈隷属:青葉族〉〈隷属:黒影族〉
〈隷属:魔王軍〉〈従魔:マーダーホーネット〉
〈従魔:レッドキャトル〉〈従魔:アイスドラゴン〉》