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131.俺、腎虚で死なないよな?

 夕方、一日の終りとして〈代理人〉たちが記憶の共有のために帰還してくる。


 今日も今日とて本体である俺は丸一日、錬金術の実践に腐心していた。

 レシピ通りに作成して、〈リサイクル〉で破棄することの繰り返しだ。

 俺が欲しいようなものは、大抵はダンジョンの宝箱設置で出てきているから錬金術の成果物で欲しいものはない。


 ともあれ経験を積んだからか、錬金術をスムーズに扱えている気がする。

 気の所為ではないだろう。

 これだけ錬金術に時間を費やせば、嫌でも上達するに決まっているのだ。


 さて錬金術のことは置いておいて、〈代理人〉たちの今日の成果を確かめよう。


 王族御用達商人になったエチゴヤは、アブラナサント王国の王都に店を構えることにしたようだ。

 既に用地売買は終わって、建物の改修に入った。

 場所は王城近く、つまり貴族たちの住む区画に店が立ち並ぶ一等地である。

 それなりの金貨が必要になったが、まだまだ俺の〈アイテムボックス〉ではダブついている金貨がある。

 立派な内装にしてもらい、良い人材を雇用して金貨を目減りさせて欲しいものだ。

 俺が死蔵しているより、健全な経済活動に費やすべきだからな。


 ブイユゲット王国の大神殿に派遣したスサノオは、サイネリア神殿長と書記官の前で休み休み〈新聞閲覧〉を用いて聖痕の収集の話を始めたところだ。

 俺の場合はネットゲームの攻略でトップを独走したことで創世の女神の目に留まったのだが、他の地球人たちもそれぞれ何らかの成果を出して創世の女神のお眼鏡に叶ったのである。

 聞いた話によれば、エミコは陸上をやっていて短距離走で全国トップの成績を残しただとか、タクミはプログラミングの大会かなにかで優勝しただとか、そんなことを言っていた。

 分野は違うが、創世の女神は様々な突出した人材を集めていたわけだ。

 まさか聖痕収集に最も貢献したのが、ネトゲ廃人の自宅警備員になるとは予想だにもしていなかっただろうが。

 ともかくスサノオはしばらく大神殿で聖痕収集について語る予定のようだ。


 エチゴヤ商会の従業員としてシルクが特産のカロリルグ王国に派遣された〈代理人〉は、無事に支店を構えることができたらしい。

 借り物の事務所のような場所だが、別に仕事があるわけじゃないので見てくれさえおかしくなければどうでもいい。

 どうせ売買は〈個人輸入〉がある。

 目的は〈隠し部屋〉の扉を設置して俺たちの行き来をしやすくするのが目的なわけで。

 些少ながら金貨を使用したが、こちらは大してお金はかかっていない。


 三国にそれぞれ〈代理人〉がいるので、これ幸いにと〈精霊:使役〉でオリハルコンとエリクシールについて、探させた。

 エリクシールについては周辺になかったが、オリハルコンはそれぞれの王城にあるらしかった。

 だからどうしたというわけじゃないが、オリハルコンはこの地上に存在することが分かったのは一歩前進だ。


 オリハルコンとエリクシールについては大本命である大迷宮探索部隊の進捗にかかっている。

 どうやら低階層の宝箱は無視することにしたらしく、どんどん階段を降りていま現在、第二十八階層まで一気に進んだそうだ。

 魔物からは錬金術に使う素材も見逃さずに採取しているようで、気づけば〈アイテムボックス〉に素材がいくらか貯まっていた。

 まだベルナベルが退屈しているようだが、しばしの辛抱だ。

 適度にご機嫌を取ってあげて欲しい。


 宝箱設置をしているダンジョンの管理者は、有用そうなスキルオーブをふたつ入手してきた。

 ひとつは〈槍技〉、もうひとつは〈気配察知〉だ。

 武器系スキルはもう一段階、進化先があるので、これで〈槍技〉は最終段階に進化することになる。

 〈気配察知〉は魔物からの奇襲を防ぐのに役立ちそうだ。

 早速、ふたつのスキルオーブを使用した。


《〈槍技〉のスキルを習得しました》

《〈槍術〉のスキルが〈槍聖〉に進化しました》

《〈気配察知〉のスキルを習得しました》


 よろしい。

 〈槍聖〉は〈槍技〉系の最終段階スキルであり、槍の効率的な運用を直感的に理解できるという優れものだ。

 これで〈創造:槍〉の使い勝手が上がるのだから、なかなか有用なスキルオーブだったな。


「主よ。今日は主と閨を共にする日じゃぞ」


「ああ、お手柔らかに頼む」


「おおいに楽しませてもらおう」


「……そうか」


 ベルナベルのテクニックでベッドの上に終わりなき楽園を築き上げることとなった。

 俺、腎虚で死なないよな?

《名前 コウセイ 種族 人間族(ヒューマン) 性別 男 年齢 30

 クラス 自宅警備員 レベル 99

 スキル 〈人類共通語〉〈簡易人物鑑定〉〈槍聖〉〈暗視〉〈気配察知〉

     〈気配遮断〉〈魔力隠蔽〉〈性豪〉〈料理〉〈醸造〉〈錬金術〉

     〈農耕〉〈礼儀作法〉〈審美眼〉〈酒豪〉〈痛覚軽減〉

     〈オートマッピング〉〈闇:召喚〉〈空間:防御〉〈時間:治癒〉

     〈創造:槍〉〈精霊:使役〉〈同時発動〉〈高速詠唱〉〈通信販売〉

     〈新聞閲覧〉〈相場〉〈個人輸入〉〈魔力眼〉〈多重人格〉

     〈睡眠不要〉〈ボーンガーディアン召喚〉〈別荘〉〈夜の王〉

     〈隠れ里〉〈牢獄〉〈テイム〉〈監視カメラ〉〈ホットライン〉

     〈帰還〉〈領土〉〈百面相〉〈領域支配〉〈隠れ家Ⅲ〉〈代理人Ⅲ〉

     〈眷属強化〉〈ダンジョンマスター〉〈浮遊島〉〈城塞〉

     〈リサイクル〉〈監視衛星〉〈永続召喚〉〈地下迷宮〉〈天運〉

     〈視界共有〉〈ボーンアーチャー召喚〉〈地脈操作〉〈霊脈操作〉

     〈全異常無効〉〈王威〉〈寄生〉〈アイテムボックス〉

     〈経験値100倍〉〈契約:ベルナベル〉〈隷属:青葉族〉

     〈隷属:黒影族〉〈隷属:魔王軍〉〈従魔:マーダーホーネット〉

     〈従魔:レッドキャトル〉〈従魔:アイスドラゴン〉》

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