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115.お手柔らかにお願いします。

 無事にエチゴヤが王族御用達の商人になったと報告があった。

 発案からその日のうちに全てがスムーズに進行するというのは気持ちのいいものだ。

 しかし魔王を連れて来いという国王の要求にはどう答えたものか。


 夕方、〈代理人〉たちが戻ってくる。


 まずはエチゴヤ。

 中身は俺と同様だから独断というわけではない。

 俺ならば同じ判断と決断をしていただろうから、問題はないのだ。

 ただ魔王を連れて行くという仕事を増やしてくれたのは間違いない。


「本体、魔王を王城へ連れて行くことになったのは申し訳ない」


「そうだな、その点を除けば王族御用達の商人の地位を得る計画はパーフェクトだ。ともあれ魔王を連れて行って国王に認めてもらえれば、魔王城が王国内にあることを水面下で認めてくれるというのだからやぶさかではない。まあ良くやったよ」


「そう言っていただけるとありがたい」


 問題は魔王をコウセイとして連れていけないことだ。

 方法はやはり〈百面相〉に頼ることになりそうだな。


 宝箱設置を任せている〈代理人〉は、よっつのスキルオーブを入手してきた。

 どうやら魔力が上がったために少しだけスキルオーブが出やすい宝箱を設置できるようになったのが大きいらしい。

 とはいえ全て耐性系で、〈睡眠耐性〉〈混乱耐性〉〈暗闇耐性〉〈魅了耐性〉のよっつだ。

 〈睡眠耐性〉については一見すると不要にも思えるが、実は〈睡眠不要〉は眠らなくても良くなるだけで、強制的に睡眠状態に陥らせる魔法は効果を発揮するらしい。

 ベルナベルに確かめたから確かな話である。

 というわけで全て習得していこう。


《〈睡眠耐性〉のスキルを習得しました》

《〈睡眠耐性〉のスキルが〈睡眠無効〉に進化しました》

《〈混乱耐性〉のスキルを習得しました》

《〈混乱耐性〉のスキルが〈混乱無効〉に進化しました》

《〈暗闇耐性〉のスキルを習得しました》

《〈暗闇耐性〉のスキルが〈暗闇無効〉に進化しました》

《〈魅了耐性〉のスキルを習得しました》

《〈魅了耐性〉のスキルが〈魅了無効〉に進化しました》


《〈毒無効〉〈即死無効〉〈石化無効〉〈気絶無効〉〈沈黙無効〉〈麻痺無効〉〈睡眠無効〉〈混乱無効〉〈暗闇無効〉〈魅了無効〉〈全耐性〉を統合します。〈全異常無効〉を習得しました》


 どうやら全ての状態異常効果を無効化できるようになったらしい。

 ベルナベルの魅了も無効化できるようになったが、果たして夜の営みに変化はあるのだろうか、気になるところである。


 大迷宮を目指している部隊は、街から街へと順調に移動を重ねているようだ。

 ベルナベルは退屈そうにしているが、連れていく以上は一緒に行動していてもらわなければならない。


 そして宿屋『鍋猫亭』に婿入りした〈代理人〉が記憶の統合をしにやって来た。

 昼間の間にクロエに説明する内容は俺の頭の中でまとめてあるので、それを共有できればそれでいい。

 あとはアドリブというか、その場の流れでなんとかしてくれ。


 夕食後、ベルナベルがマジマジと俺のことを見て頷いた。


「どうやら〈全異常無効〉を習得したようじゃな。人類にしてはなかなか希少なスキル持ちになったというわけじゃ」


「そうなのか? 金でスキルオーブを買い漁ったりする輩はいないのか?」


「状態異常耐性や無効は貴族や王族にとって喉から手が出るほど欲しいものじゃろ。だからスキルオーブは基本的に高価になるのじゃ。というか〈相場〉スキルで価格のおおよそは掴んでおるじゃろ」


「でも国家予算からすれば軽微だろう? 王族なら持っているんじゃないかな、と思ったんだが」


「そもそもスキルオーブの入手がレアじゃから、金があっても物がないはずじゃ。〈ダンジョンマスター〉などという反則スキルを連打しておきながら、その辺の認識が甘いのではないか?」


「なるほど。もっともな話だ」


 確かに俺をしてコンプリートに数日以上もかかっているのだから、普通にダンジョンに潜って耐性系のスキルオーブを入手する機会というのは、そうそうないのだろう。


「まあ良い。主よ、今日はわしと肌を重ねる日じゃ。魅了が効かなくなった主をわしがテクニックで籠絡するわけじゃな。淫魔としてこれほど腕のなる夜はないぞ」


「お手柔らかにお願いします」


 その夜、ベルナベルのテクニックで俺は幾度となく昇天する羽目になった。


《名前 コウセイ 種族 人間族(ヒューマン) 性別 男 年齢 30

 クラス 自宅警備員 レベル 95

 スキル 〈人類共通語〉〈簡易人物鑑定〉〈槍技〉〈暗視〉〈気配遮断〉

     〈性豪〉〈料理〉〈醸造〉〈錬金術〉〈農耕〉〈礼儀作法〉〈審美眼〉

     〈ウワバミ〉〈痛覚軽減〉〈闇:召喚〉〈空間:防御〉〈時間:治癒〉

     〈創造:槍〉〈精霊:使役〉〈同時発動〉〈高速詠唱〉〈通信販売〉

     〈新聞閲覧〉〈相場〉〈個人輸入〉〈魔力眼〉〈多重人格〉

     〈睡眠不要〉〈ボーンガーディアン召喚〉〈別荘〉〈夜の王〉

     〈隠れ里〉〈牢獄〉〈テイム〉〈監視カメラ〉〈ホットライン〉

     〈帰還〉〈領土〉〈百面相〉〈領域支配〉〈隠れ家Ⅲ〉〈代理人Ⅲ〉

     〈眷属強化〉〈ダンジョンマスター〉〈浮遊島〉〈城塞〉

     〈リサイクル〉〈監視衛星〉〈永続召喚〉〈地下迷宮〉〈天運〉

     〈視界共有〉〈ボーンアーチャー召喚〉〈地脈操作〉〈霊脈操作〉

     〈全異常無効〉〈アイテムボックス〉〈経験値100倍〉

     〈契約:ベルナベル〉〈隷属:青葉族〉〈隷属:黒影族〉

     〈隷属:魔王軍〉〈従魔:マーダーホーネット〉

     〈従魔:レッドキャトル〉〈従魔:アイスドラゴン〉》


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