☆☆☆ 十五夜さんのお月様を食べたのはだ～れだ？ ☆☆☆
☆☆☆ 十五夜さんのお月様を食べたのはだ～れだ？ ☆☆☆
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おはなし.1：
今夜は十五夜さんなので楽しみだなぁ。
だって、僕んちでは恒例の行事だし、お団子をいっぱい食べれるんだもん！
そうだ、どうせだから今年はクラスのみんなも呼ぼう！
さてさて、僕の名前はロイア。
ちょっとやんちゃな小学1年生だよ。
なんでやんちゃなのかっていうとさ、僕は大のイタズラ好きなんだ。
先生はいつも「だめな子ね！」ってしかるけど、僕悪くないぜ。
そうしていつも人のせいにしてばっかりいるんだ。
僕だってちょっとはいい子になりたいのに・・・・
ほんのちょっとだけネ！
だけど僕のイタズラなんて可愛いもんさ！
今日考えついたのは～、まだ内緒！
それよりクラスメイトを今日も校門で待ち伏せする。
いつものスタイルは校門の柱の陰に隠れてさ、
女の子たちをおどかすんだぜぃ！
だって、みんなキャーキャー可愛い声で騒ぐんだもん。
面白いじゃん！
そうそう今日の武器はっ、とロイアはランドセルから何かを取り出す。
「よしよし、来た来た！」
するといつも通りの時間に彼女たち3人はやってきた。
何も不思議がる様子もなく、皆でお話している。
キャッキャと何だか楽しそう。そこへ～～～～
「キャーッ、キャー！」
校門のところへ来たところで、ロイアは鞄から取り出した蛇やカエルやゲジゲジのオモチャをすかさず3人にぶつける。
一人は飛び上がり、もうひとりも叫びながらジタンダを踏んでいる。
もう一人はと言うと、あまりの驚きに泣き出してしまった。
「エーン、グスン、ひどいよぅ・・・」
ロイアはその様子にイジワルな笑みを浮かべて調子に乗る。
それを見かねたさっき飛び上がった強気な少女ネムは、走りよってロイアを捕まえると耳を引っ張った！
「イッ、イテテ！何すんだよぅっ！」
「またあんたね！悪い子だと先生に言いつけるからっ！」
「お前らが勝手に驚いたんだろう？」
「いいからあやまんなさいよ！」
ロイアは悪びれたまま口元をつんと尖がらしている。
それを見た泣いているエミが走りよると、なんと、いきなりロイアをビンタした。
泣きじゃくりながらもう一発ほっぺたを叩く。
「イッテェよ、何すんだよっ、虐待か？」
ネムは尚も耳を引っ張ると、観念したのかロイアがしゃがみこむ。
「わかったよ、コメンよ！」
「アンタが誤らないから悪いんでしょ。エミを泣かせちゃって！」
女の子と言えども怒らせたら怖いと、ロイアは思った。
「ほんと、ゴメン。まさか泣くなんて・・・じゃ今夜は十五夜ジャン、うちで月見をするからおいでよ！」
さすがにやんちゃだったロイアも女の子を泣かせてしまった自責にかられて今夜の十五夜に3人を誘うことにした。
だけどぅ～ただではすまないのがいたずらっ子のロイアの性分だったのだ・・・・
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おはなし2：
夕暮れが近づくと、ロイアの家に3人は集まった。
先ほどまで曇っていた空がすっかり夕焼けで快晴となった。
きっと、僕の行いがいいからだよね(笑)
ロイアはネム、エミ、マリヤを縁側に案内した。
「さっきはゴメンよ。せめてものお返しに今日はママに言ってお団子いっぱい作ってもらったからたらふく食べてってね！」
するとさっき泣いていたエミが縁側でロイアの隣に座ると小声で言う。
「さっきは私もロイアのこと殴っちゃってゴメンね。」
そういうとロイアになにやら手渡す。
「これ、ロイアにあげる。」
「な、なんだよっ、いいよ。俺が悪いんだから！」
「いいの、本当はこれはね、私が大事にしていてね、いつもランドセルに着けてるのよ。」
「だったら勿体無いよ。オレは大丈夫だからさ！」
「いいの、それと・・・本当はね、私ロイアのことが・・・」
「へ？オレがどうしたのさ？」
「うんう、今はとてもとても・・・・」
「何だよ、意味分かんないよ。」
「だ・か・らぁ～、本当はね、いいからこれあげる。」
ロイアは手渡されたものを覗き込む。
それは豚さんのキーホルダーだった。
「キャハッ、なんだこれぇ～へんてこなの。だってさ、風船みたいにまん丸の豚さんに羽根が生えてて、ほら、尻尾なんかレインボーカラーのほうき何だぜ！」
ロイアはそういうと、その豚さんのキーホルダーを嘲笑ってみんなに見せ付ける。
するとエミはグスンとまたも泣き始めようとする。
すかさずマリヤがエミをかばう。
「なによ、かわいいじゃないの。ロイアこそその帽子へんてこよ。」
ネムが更に加わってロイアをいじる。
「あらそうね、ハットに時計が描いてあるのね、へんなの。」
泣きそうだったエミはそれを見て笑うと
「そっかぁ～ロイアいっつも遅刻するからそれって目覚まし時計ね！」
「う、ウルサーイッ、皆でよってたかって。」
「それよりね、この豚さんのキーホルダーにはね、不思議なパワーが備わってるんだって。」
エミの話に一同は夢中になる。
「これはね、私が教会に懺悔に行ったときに神父さんから貰ったものなんだけどね。神父さんの言うにはこのキーホルダーの豚さんは空が飛べるんだって。そして何か悪いことがおこりそうな拍子に悪い奴の退治に活躍するんだって！」
それを聞いたロイアは急に困った顔となる。
「じゃ、おれはその豚さんに退治されちゃうんだ・・・・」
一同はクスクスと笑う。
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やがて辺りが夕闇に呑み込まれてゆく～～～～
そろそろお腹のすいた頃、ロイアのママがロイアを呼ぶ。
そろそろお団子が出来上がった様子！
3人は楽しみにしながら空を眺める。
ようやく星星が瞬き始める中、大きなオレンジ色の満月が暗闇の地平線から現れ始めた。
一方、出来たてのお団子を縁側に持っていく間にロイアはチャッカリつまみ食いをする。
やっぱりいたずらっ子のロイアには、さっきの豚さんのお話では懲りない様子。
それどころか、冷蔵庫から取り出したマスタードをお団子の中に練りこんだ・・・・
「ハイッ、お待ちどう様！」
なにやらズルイ笑みを浮かべながらお団子を勧めるロイア。
怪訝に思いながらも3人は食べ始める。すると・・・・
「か、辛いっ！」
3人がマスタードにやられて涙ぐむと、ロイアはサルのようにキャッキャと笑い転げる。
「な、何が可笑しいのよっ、それよりどうして辛いのよ、このお団子！」
「へへへ、僕がマスタード仕込んどいたんだぜ！」
「もう、ロイアのイジワルゥ～！もう帰る。」
「ま、待ってよぅ、辛いのは重ねてある上の3つだけだから、あとは大丈夫だよ。」
「もぅ～！ロイアっていつまで経っても悪い子ね。豚さんに退治されちゃえ！」
「そ、それは困る・・・」
少しばかり反省したロイアは昇った月を眺める。
「へぇ～、やけに今夜の月はでっかいんだなぁ！」
「それより、このお団子、ほんと、美味しいね！」
「うちのママは料理上手なんだぜ！」
皆は縁側で月見どころか、皿の上にたくさん重ねられた団子にもう夢中である。
そしてみんなお腹いっぱいになった頃、再び空の月を見上げる。
「あれれ？何かおかしくない？」
「え？あら、満月が何だか減ってない？」
「どれどれ、あああ、どんどん削り取られていくなぁ・・・へんなの。」
そして満月がどうしたことでしょう、三日月になるまでに削り取られてしまったのである！
すると、遥か上空から何やらはらはらと雪のように舞い降りてくるではないか。
なんと、それは先ほど削り取られてしまった月の砂ではないか！
そしてその砂は、ロイアの持っている豚さんの上へと降り注いでいった。
どうしたことかその豚さんのキーホルダーの上にだけ降り注いでゆく！
すると・・・・・・
「ブブブゥ～～～～～～～～ブブゥ～～ブッヒヒヒッ！」
どうしたことでしょう、そのキーホルダーの豚さんが変な声で鳴き叫ぶや、みるみるうちに、まるで風船でも膨らませるように大きく大きく膨らんでいくではないか！
そしてなんと豚さんはロイアの家の屋根の高さまで膨らんでしまったのだ！
すると・・・・
「オイッ、ヤンチャなロイア！早く俺に乗れっ！」
そのかつてのかわいらしいキーホルダーだった大きな豚さんがロイアに話しかけたのだ！
「何だよぅ、何でオレがアンタに乗んなきゃいけないんだよぅ！！」
「ほれ、さっき落ちてきた「月の砂」、あれはな、月に悪い奴がおってな、そいつがドンドン削りとって食べてしまうんだよ。その食べくずがここに落ちてきたって訳。ほらほら、もうあんなにお月さんが細くなっちゃって！急ごう、さぁ早く乗れ！」
「だからって、何でオレがアンタに・・・・」
「だから、そいつを今から退治に行くんじゃ。あんたも知っとるじゃろ、おいらの使命は「悪い奴を退治する」ことなのじゃ、それとももしかしてオマエも悪い奴の手先なのか、ブヒッ？」
「ち、違いますよぅ～」
ロイアはモジモジしながらためらっている。
するとネムが活を入れる。
「あんたって、いっつも女子に悪いことばっかして粋がってるけど、本当はそんなに根性無しだったのかしら？」
先ほどキーホルダーをくれたエミも加勢する。
「そんなロイアって、格好悪いよ。」
マリアはそのやり取りに微笑んでいる。
「わ、わかったよぅ、乗ればいいんだろ、乗れば！」
そういうと、もう屋根の上まで成長した豚さんによじ登る。
3人はロイアが落っこちはしないかとはらはらしながら見守る。
「ほうら、乗ったぞ！それでオマエ、名前なんていうんだ？」
「オイラ、豚さんのトミー・マルローってんだ。しゃれた名前だろ？」
「え、どっかで聞いたような・・・・ま、いいか。そしたら、これからどうすんの？」
「そいじゃ～しっかり掴まっておくんなましぃ～～～～ブッブクブゥ～～～～～～！」
ロイアを乗せたトミー・マルローは、鼻の穴をいっぱいに広げるやジェットエンジンの要領で、勢い良く離陸を始めるではないか！
そして両側の羽根をパタパタとバタつかせながらもヨロヨロと空へ浮かんでいった。
ほうき型のレインボーカラーの尻尾はネオンのように輝きながら右へ左へと舵を取って月を目指してゆく。
そうして小さく視界から消えていった。
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おはなし3：
「高いよ、暗いよ、速いよ、コワウィヨ～ゥッ！」
泣きそうになりながらも必死にこらえて豚さんトミーに掴まっているロイア。
手を離したが最期、何万フィートも奈落の底へと陥ってしまう・・・・
しばらくして、涙眼のロイアは辺りの星たちが燦然と輝いていることに気付く。
「ロイア～、どうだい？中々宇宙の景色も捨てたもんじゃないだろう？」
宇宙空間で風の無いことで落ち着いたロイアは、ようやくその神秘的な銀河系の星星に圧倒され始めた。
ああ、なんてすばらしい景色なんだろう。
まるでロイアのイタズラ心も透き通ってゆくような気がした。
そして、何者かに大分食べつくされて細長くなってしまった月にようやく辿りついた。
「ロイア、お待たせ。着いたよ。それよりあれを見ろ！」
そこにはなんとも不思議な宇宙人、いや宇宙昆虫とでも言うべきか、カミキリムシかキクイムシのような格好の宇宙虫がその細いつきの上でうたた寝をしているではないか！
しかも、月を食い尽くしたお陰か、大分立派なお腹をしている。
トミー・マルローがそいつに向かって大声で叫ぶ。
「オイッ、そこのデカッ腹の害虫！」
すると、よっこいしょと重そうな腹を抱えながらのろのろと虫けらが起き上がった。
「何だオメェ？見かけない奴らだな？」
その虫けらがこちらを睨んでいる。
トミーが続ける。
「オマエさん、名前は？なんだってこんなにお月様を食っちまったんだい？」
「ハァ？オイラの名はマタゾウ。オレさまが見つけた星なんだから何したってオメエ達には関係あるめぇ！」
「そんなことないぜ、お月様は皆んなの共有財産だからなっ！」
「何を知ったかぶりして、チビッコが寝言いうなっ！」
「それよりオマエ、なんでお月様食べちゃったんだい？」
「それはね、すんげぇ美味しいんだぜ、この星。おれはこの羽根で宇宙を飛び回って色んな星を食べ続けて旅して来たんだが、こんなに美味しいのは生まれて初めてだよ！」
「だめだよぅ、だからといってこんなにいっぱい食べちゃったら、無くなっちゃうよ。」
「なんだと？俺が見つけたんだから四の五の言うな！フンッ！」
「それならオレがオマエをやっつけちゃうぞ！」
「は？おいおい、オマエみたいなチッチャなチビッコがオレ様に叶う筈なかろう。エイッ、これでも食らえ！」
そういうとその虫けらマタゾウは尻をロイアに向けると屁をこいた。
ロイアとトミーはその猛烈な勢いの屁の匂いに体がしびれ始める。
「臭っせぇ～！何食ったんだよオマエって奴は！」
「月だを。」
「おまえそもそも食いすぎなんだよっ！それより何この匂い、臭せぇなぁ。」
すると、空飛ぶ豚さんトミーがヨロヨロと月に向かってフラフラになりながら着地する。
どうやら大きな鼻の穴で先ほどの虫けらの屁をだいぶ吸い込んでしまったようだ。
とうとうトミーは気を失ってしまった。
「やれやれ、大したことないのう。チビッコ、どうやらオマエは此処から帰れそうも無いな！ヒヒッ！」
これにはさすがに強気なロイアも困りはてた。
だってトミーが飛べないとなればおうちに帰ることができないから・・・・
「ようし、こうなればオイラがオマエを退治してやる！」
「あれあれ懲りないねぇ。もう一発食らえ！」
そういうや、マタゾウが再びロイアの顔目掛けて屁を吹き付ける！
今度は近いだけあって先ほどよりも強烈な悪臭に、ロイアもフラフラとしゃがみこむ。
「どうだい、降参か？」
「わ、わかったよぅ、ゴメンよ・・・」
ロイアが本気で虫けらに謝ったその瞬間、なんと月がグラグラと揺れ始めたではないか！
これは・・・まさか地震？
揺れは収まるどころかますます酷くなってきた。
まさか噴火でもしようものなら、こんな細い月から落っこちてしまうではないか！
これにはマタゾウも驚いて突っ伏す。
そして・・・・・
どうしたことだろう、なんと月の地表からニョキニョキと木が成長して来たではないか！
そしてアッという間に大木となった。
この酷い揺れのおかげで気を失っていた豚さんのトミーが跳ね起きる！
「ロイア、もしかしてオマエ・・・本気で今謝ったのかい？」
「あ、ああ。」
「おお、この宇宙でのウワサは本当だったようだな。実はねロイア、このお月様の上で本気で心を良くすると、何でもかなう大木の実がなるそうな。ようし、ならば俺も本気で行くぞ！」
そういうとトミーは、はち切れんばかりによく肥えたお腹を先ほどまでよりも真ん丸く、そう、まるで満月のように膨らませると、今までに無いくらいまでに大きく鼻の穴を広げてジェット気流を虫けらマタゾウ目掛けて吹き付けた！
マタゾウはそのジェットに巻かれて月から落っこちそうになるのをその細い月の端っこを掴んで何とか耐える。
ところがなんとも酷い風圧のせいで虫けらの羽根が取れて飛んでいってしまった。
さすがにこれではもう他の星まで飛んで行けそうに無い。
「オイオイ、なんてことするんだよぅ、オイラ、羽根がないと月から出られないじゃないか！どうしてくれるんだ？」
すると豚さんジェットをやめたトミーが虫けらに言った。
「オマエさんに一つ良い方法があるから教えてやろう。此処お月様では、さきほどロイアがやったように本気できれいな心で反省すると、大木が現れてな。そしてやがてその大木になる実がなり、その実が熟れて落っこちると、はたまたお月様の砂になるそうな。そうすればお月様も元のまん丸になるだろう。」
「わかったよう、だけど俺は羽根がないと此処に一生居なけりゃならない・・・」
「大丈夫。お月様がまん丸になった暁には、お前の羽も元通りに生えてくるさ。きっとお月様がオマエの願いを叶えてくれるよ。さぁ、謝んな！」
「ハイハイ、ごめんよ。」
するとまたまたお月様が揺れ始める。しかしチョットだけ。
そこにできた小さな割れ目から、とっても小さな木がちょこんと生え始めた。
それを見たロイアがプッと噴出す。
「オイ君、そんな謝り方じゃだめだよぅ、ぜんぜん心がこもってないよ。」
トミーも首をかしげる。
「オマエさん本当にわがままに育ったんだねぇ。今まで人の言うことを本気で聞いたことがあるのかい？これじゃあ何百年経ったってお月様が丸くなんてなりゃしないぞ！」
それを聞くとさすがに困った様子の虫けらが地面に正座する。
「わ、わかったよぅ・・・本当にホントにゴメンなさい。」
すると、またもや巨大噴火が起きそうな位の地震が発生し、ひび割れから今度は大き目の木がニョッキリと生え始めたではないか！
トミーはそれを見て頷くと、
「ようし、その意気だ。これなら何十年かで元に戻るかな？」
「へっ、何十年・・・・」
「つべこべ言わず何百回と本気で謝るんだな。それだけ大きな腹していりゃあ当分星を食わんでもやっていけそうだしな。
そうだ、もう一つだけ教えておこう。お月様には隕石がしょちゅう衝突するから、それを食べるといいよ。」
「そ、それは良かった・・・ゴメンなさい、金輪際もうお月様は食べません。」
「他の星も食べ過ぎちゃあならないよ、いいね。」
「はい、わかりました。」
「ようし、じゃ改心して頑張れよ！そいじゃロイア、おうちに帰ろう。」
ロイアはトミーに跨ると、月面から浮き上がる。
虫けらマタゾウは涙を流して見送りながら手を振っている。
その様子だともうチョット早くお月様は回復しそうだ。
そしてトミーは最大限にジェットを生かして鼻息で噴射し始める
まるで流れ星のようにレインボーカラーの尻尾をたなびかせながらおうちへと帰ってゆく。
細い月のせいで薄暗い夜のおうちに到着した頃、女子達はもうとっくに帰宅していた。
チビッコだから待ちきれなかったんだね。
ママが心配そうにロイアを待っていた。
「お帰り、ロイア。それでどうだったの？」
「うん、ママ、ゴメンよ今まで心配掛けちゃって。今度から僕、いい子になるよ。」
「あらまぁ、アンタは十分いい子だよ、ほら、もう遅いから早く寝なさい。」
「はぁ～い！」
QQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQ
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その夜ロイアは何だか清清しい気分で寝床に就いた。
なんだか良い行いをした充足感がチビッコの体いっぱいに安らぎを与えていた。
そしてあのアドバルーンみたいに大きな豚さんは、レインボーカラーの尻尾もキラキラと、元のキーホルダーとなっていた。
ひっそりと寝息を立てるロイアの枕元に転がっていて＊＊＊＊＊＊＊＊＊
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////// ＦIＮ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
