装備を買おう!
俺は今カノと一緒に装備を買いに来ていた。
しかし序盤なのに随分種類が多いな。…ん?なんだこの…
「…カノ【?】マークはなんだ?」
「良くぞ聞いてくれましたー!それがついてる装備は進化させたときに追加で能力が増えるんだよ!」
「進化?」
「そう!進化!レベルUPとは別でねー、一定以上の時間装備する、そして特定のアイテムとかを使って進化させられるんだよ!あ、ちなみに生産職のプレイヤーかNPCに頼むと進化させてくれるよ!」
成程。
「…回数は?」
「回数は装備によって違うよ!基本こーゆー序盤の装備は基本一回かなぁ?レア装備とかだと3回くらいが最高だったはず…。でも、何回進化できるとか見れないから正直分かんないんだよね」
「へー」
俺はカノと雑談をしつつ、装備の説明欄を眺めて脳を回転させていた。文章を読むのは速い方だと思うが装備の数が異常に多いせいで10分も経ってしまったようだ。
「これにするか…」
「わぁ!似合ってるよー!…でもそんな装備初めて見たなぁ?序盤の装備はほとんど見たことあるはずだけど…」
「ん?偶々じゃないか?」
こんなに数がある中で見覚えのない装備くらいあるだろう
「んーそうだね!」
『闇のマント』LV1
【起動するとモンスターやプレイヤーに気付かれにくくなる。時間帯が夜である場合、そして周りが一定以上暗いと常に気付かれにくく成り、起動すると周りの景色に同化する。】
『暗黒の聖者衣』
【暗黒から生まれし聖者の衣。これを身に着けた者は聖なる力に守られる。ランダムで敵の攻撃を無効化する。】【?】
VIT+5
AGI+5
他の装備だと殆ど能力みたいなのは付いていなかったしな…。それに今回はカノが前衛だから後衛職をやるつもりでいる。俺の戦闘スタイル的にも見つかりにくくなるのは嬉しいためこの装備にした。
見た目としては裾が眺めの黒い襟シャツに鉄の装甲が少し、マントは真っ黒で裏地に白い刺繍が入っている。ズボンは黒で白いラインの入ったベルトには短剣が二本入るようになっていた。最後にAGIに補正が入る黒いブーツを買って店を出る。
「よし、次は武器屋か」
「あっ!そうだ‼渡そうと思ってたものがあるんだよー!」
「渡そうと思ってたもの?なんだ?」
「じゃーん‼この前レアモンスターからドロップしたけど使わない、しかももったいなくて売れなかった弓ー!」
『黒狼の戦弓』
孤月の黒狼の力を受け継いだ戦弓。自身のより低いレベルのモンスターやプレイヤーは80%の確率で怯え状態、もしくは硬直する。MPを5消費し、矢を作り出せる。
STR+10
TEC+10
「あげる!装備も黒いし、これで全身真っ黒だね!」
「は?あげちゃ駄目だろ。馬鹿。レアモンスターのドロップだぞ?自分で使わないにしろ売ればかなり高額で買い取ってもらえるはずだぞ?...あと俺を真っ黒にしようとするな」
「えー。でもお金には困ってないし?それにセンに使ってもらった方が私は嬉しい!」
「でも…いや、有難う。貰うことにする」
「そう!じゃあ今そっちに譲渡するねー」
「まぁ、流石に無料じゃ悪い...。今は返せるものないけど代わりに何かあったら直ぐ言え、何でも協力する」
「…!うん‼」
カノは頬を薔薇色に染めにぱっと笑った。
「よーし!草原に出発ー!」
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【ふむ?我が『闇』の適性が特別高いのがいるようじゃな…?】
純白の空間に一人童女が佇んでいた。
シャランと髪飾りが揺れる。白銀に輝く髪飾りは瑠璃色の髪によく映えている。
【…どれ、今度加護でも授けてやろうかの?】
話がなかなか進まない……解せぬ。
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