〜写真にて〜
昔の写真を見て、この子誰だったと思う事はないだろうか?
忘れているだけなら良いのだが!
〜写真にて〜
それは、いつ撮られたか記憶にない。
一枚の写真がある。
小学校の時の集合写真である。
そこには、同級生が15人が写っている。
田舎の小学校で一年生から六年生まで全員で15人である。
だが、俺の記憶では全校生徒は14人だったと認識している。
その一人が、どうしても思い出せないのである。
一番右端の男の子がそれである。
もう、30年も前の事で記憶が曖昧になっている。
まあ、ただ忘れているのだと思うのだが!
ある日、それは突然だが同級生に訃報との知らせがあった。
本日お通夜で明日告別式だと言う。
俺はお通夜に直ぐに向かった。
お通夜には、同級生たちが集っていた。
懐かしい面々であり、不謹慎だが同窓会の様な雰囲気になっていた。
そして俺もそこに入っていったが、なにかがおかしいのだ。
皆んなが俺には無関心なのだ!
声を掛けても誰も答えてくれないのである。
そして、俺は気づいてしまった。
あの写真の右端に写っていたのは俺なのだと。
俺は皆んなを同級生だと思っていたが、俺はこの世の存在では無く霊体であり、あの写真に写り込んでいたのである。
その時はもうこの世のものでは無かったのである。
そう、小学一年生の時に車に跳ねられ死んでいたのをこの瞬間思い出したのである。
ありがとうございます。