表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少し怖くて、ビックとする続話  作者: 檜尾 眞司
5/18

〜夢を見た〜

夢は何かの暗示なのかも!

疲れた時や、迷った時に不思議と夢を見る。

しかし、それが何を表しているのかは分からない。


 昨日俺は夢を見た。


 夢の中で俺はある場所にいた。

 小高い丘からススキが映える丘であった。

 あれは、何年前だろうか?

 

 その街に災害が起こり、土砂災害があちらこちらに降り注いでいた。

 その場所は、唯一の道路が土砂災害で寸断され通行が出来なくなり、唯一の迂回路は車が一台しか通れない山道であった。


 通行は時間が決められ、1時間に一度交互通行を許されその時間以外はその場所にて待機しなければならなかった。

 住民にとっては唯一の帰り道である。

 

 私はその日その迂回ろで誘導員として業務にあたっていた。

 その迂回の頂上付近が唯一車両が交わせるポイントであり、景色が絶景の場所である為今でも夢に出てくるのだろう。

 しかし、それだけでは無い。

 業務時間が夜中であった為、不思議な体験をしたから未だに夢を見てしまうのだ。

 

 その頂上にはススキが一面生えて、夜中の月夜には幻想的な風景を醸し出していた。

 あと1時間は車も来ない事もあり車で待機していた時、ガサガサと物音がした。

 わたしは(やばい、猪かも知れない)と危機感を感じてしまった。

 この辺りは猪や鹿の出る地域ではあるが、この災害により頻繁に車が通っている為余り姿を現さなくなってはいた。


 しかし、音はするが姿は見えなかった。


 時間は夜中の2時を回っていた。


 次の瞬間、勢いよく何かの集団がわたしの車の前を横切っていった。 


 それは、猪でも鹿でもなく黒い影がいくつもいくつも連なり山を駆け抜けて行く。

 

 やがて、音は静寂となり月夜だけがススキを照らしていた。


 時間となったのか、車のヘッドライトが数珠なりに通り抜けていった。




 今思えばその場所は三越峠~発心門王子の区間で熊野古道である。

 黒い影が駆け抜けて行った道こそ昔の道である。


 災害が無ければ、私はこの場所に来る事もなかったと思うが、人生には、何かが導くものがあるのかもしれない。

 

 ふと、あの頃の自分を振り返る瞬間あの夢をみるのかもしれない。

 


ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ