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少し怖くて、ビックとする続話  作者: 檜尾 眞司
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〜パラダイス〜3

大阪には6車線の一方通行の幹線道路が方々にある。

御堂筋線、堺筋線など田舎者に走行不可能な道路である。

そこを走った時の恐怖は今だに忘れられない。


〜御堂筋パレード〜


 御堂筋みどうすじは、大阪府大阪市の中心部を南北に縦断する南北幹線のメインストリートである。


 そこに、関東からやって来た営業マンがいる。


「何なんだウチの会社、新入社員の足元みてるよな…!」

「たしかに、就職難とはいえ研修だと思って車で大阪にいってこいって!」


「浪速商事にアポ取ってあるからって、契約取れるよう頑張れだ!」

「東京を出た事のない俺にだぜ」


「そしてなにより腹が立つのが、ホテル代が出せないから車で寝てくれだ〜!」


 彼の愚痴は続くのである。


 彼は大阪の御堂筋に着いた。

 浪速商事は目と鼻の先に到着していた。


「約束は午前10時か、一眠りすればすぐだな」

 彼は、車のなかで眠りについた。


 

 翌朝、クラクションが頻繁に鳴り響いていた。

 彼は目を覚ました。


「はー!」


 彼が見た光景は、御堂筋に車がびっしりとぎゅうぎゅう詰の御堂筋であった。


 前も後ろも車、車の列が永遠に続いている。

「噂には聞いていたが凄まじい光景だ、これが大阪名物路上駐車!!」


 彼の車は動けなくなっていた。


「このままでは、浪速商事との約束時間に遅れてしまう」

 彼は一代決心を試みる、突破するつもりである。


 しかし、後ろの車はベンツでありサングラスにスキンヘッドのお兄さんが乗り込もうとしていた。

 あちら系の方の様である。

 急ブレーキを掛け間一発であった。


「兄さんすまんのー直ぐに退けるよって」

「いえいえ、どうぞどうぞ!」

 冷や汗ものであった。


 彼は何とかその危機を乗り越え、間に合いそうである。


「外車にぶつけるとこだった!」


 目の前に浪速商事が見えてきた。

「どうにか間に合いそうだ」


 次の信号を左折すれば到着である。


 信号で止まり左折を試みるが、なにやら様子が変だ。

 並んでる車が理解出来ない動きをしている。

 信号が赤なのに、エンジン音が鳴り響いている。

「オイオイ、何とせっかちなまだ赤信号だろ」

「ここはレース場では無いだろ?」


 横の信号が黄に点滅をした瞬間、一斉に車がスタートして行く。

 彼はビックリし出遅れてしまった。

 後ろからクラクションが鳴り響き右往左往した瞬間。


「なにさらしとんじゃー、こらーとっとと走らんかい!」

 彼はビックリし、アクセルを踏み込んだ!

 一斉にスタートした車は駆け抜けていく。

 彼は左折出来ずにそのまま御堂筋を南下していった。


「あわわあわわー!」

 彼の悲鳴が響き渡った。

「ひえ〜浪速商事を通り過ぎたー!



 御堂筋は一方通行である。



 彼が目的地に着いたかは定かでは無い。

 きっと彼は、トラウマになったのでは無いだろうか!


 だが今日も、御堂筋はいっもパレードの様に賑わっている!

 ここもパラダイスであった。

ありがとうございます。


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