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少し怖くて、ビックとする続話  作者: 檜尾 眞司
10/18

〜あなたが…〜

あなたは、恋をしていますか?

一生懸命な恋を!

だけれど…結末はハッピーエンドとは限らない!


〜あなたが…〜


 あなたを好きになったのは、いつからだろうか?


 それは、寒朝だったと記憶している。

 あなたと出逢った場所は、いつも乗る地下鉄のホームであった。

 毎朝、同じホームから乗る電車の3両目の乗り場にあなたはいた。


 

 私は会社に向かうためにこの地下鉄を利用していた。

 あなたが気になったのは、いつも小説を読んでいて時より微笑んでいる仕草が愛らしく感じられたからだ。

 そしてあなたは、私が幼い頃に亡くなった姉に似ている気がしたからだ。


 今日こそ声を掛けてみようと思うのだが、なかなか勇気が出ないそんな日々が続いていた。




 想いは段々と募っていく。

 明日こそ、声を掛けてみようと決心をしていた。


 翌日、私は地下鉄に乗るのにいつものホームへ向かった。

 しかし、何か様子が変である。

 ホームはかなり混雑をしていていつもの光景ではなかった。


 (只今、人身事故の為電車はストップしております、大変ご迷惑をお掛けしておりますが今しばらくお待ちください)とアナウンスが流れていた。


 いつも3両目のホームに居るはずのあなた

も人混みのなかに隠れ見つける事が出来なかった。

 かなり待った気がする、そして電車が動き始めた。

 やはり、あなたの姿は見つけられなかった。



 その日を境に、あなたを見かけることは無くなってしまった。

 人身事故がきっかけで時間を変えてしまった様である。

 私の恋が終わってしまった気がした。




 そして、数年が過ぎた。

 いつもの様に会社に向かうため地下鉄のホームへとむかった。

 なんと、3両目のホームにあなたが立っていた。

 私は、心が弾んだ。

 飛びあがるぐらいに嬉しく本当に飛び跳ねてしまった。


 やっと再会できた。

 戻ってきたのだ、私はあなたの方にむかった。


 ホームに電車が入ってきたあなたは目の前にいる、その瞬間私はつまずき階段から転んでしまったのである。

 たが、頭を打ったのかそのまま気を失ってしまった。

 


 起きた時には病院にいた。

 

 もうろうとしていたが、側に誰かが居る気配を感じた。

 「えっ!」

 私は思わず心の声が出てしまった。


 あなたが目の前にいるのだ!

 私を見ているのだ。

 

 私は何故かベッドで寝ている。

 身体は動かず、話す事も出来ない。


 

 そして、思い出したのである。

 あの人身事故が起きた時、電車に巻き込まれたのは私なのだと!

 あなたが小説を読んでいてうっかり足を滑らした時、止め様とした私自身がホームに落ちてしまったのである。


 数年間私は、地下鉄のホームを彷徨っていたのだ。

 

 あなたもショックで数年間を過ごした。

 


 そして、あなたに初めて声を掛られたのである。


「助けてくれて、本当にありがとう」と…!


 

 

 

 


 

 


 

 

 

 

 

いつも、ありがとうございます。

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