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少し怖くて、ビックとする続話  作者: 檜尾 眞司
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〜大病院にてふたたび〜

日常のなにげない光景が恐怖を感じる瞬間がある。

あなたは、無いだろかそんな瞬間が!


〜大病院にて〜


 その病院は、本館の他に西館と南館が併設されている。

 特に南館には不思議な事があるのだが誰もその事を聞こうともしない。


 わたしは今年からこちらに赴任した医療従事関係者である。

 まあ、慣れてきた事もありその病院の全体図が分かり出した頃でもあったからかもしれない。

 ある、疑問が沸いてきたのだ。


 この病院の南館は13階まである、本館が後から建設されたために通路で繋がってはいるが階層が異なってしまっている。

 本館の11階と南館は13階が同じ高さにあり、2階ズレている。

 まあ、それは年数によって建築の基準から生じる事であり不思議は無いのかも知れない。

 

 私が疑問なのは、南館の12階と11階が何故か使用されていない閉鎖されている事である。


 一応、南館12階は本館10階と南館11階は本館9階とは繋がってはいる。

 南館でそれぞれ登るとエレベーターホールとスタッフステーションの痕跡のある階には行けるのである。


 しかし、その疑問をベテランの病院のスタッフに聞いても分からない「ああ、使用してないだけで別に意味はないよ」と言われるだけ!



 ある深夜、わたしが本館9階で業務をしている時、南館の12階と11階が見える連絡通路を差し掛かり違和感を感じた。

 南館12階と11階に灯りが付いているのだ。

 そして、人影が動いている。

 わたしが赴任してから一度も見たことが無い光景であった。

 夜中と言う事もあり他のスタッフを呼びに行こうとしたが、好奇心が上回り一人でその方向に向かってしまった。


 連絡通路から直ぐに南館の11階に当たる。だが、両サイドは頑丈な扉で封鎖され鍵が掛かっている。

 南館11階のエレベーターから12階に登ってみたが全く同じである。

 確かめようが無く、本館9階まで戻り連絡通路をもう一度みたが、灯りが全て消えていたのである。


 この事は誰にも言わないでおこうと思い報告もせず、気のせいだと忘れ掛けていた。


 ある時、ある患者さんが本館9階に入院してきた、年配の女性である。

 その女性がある話しをわたしに話し始めた。

「あのね、あの向こう側の病棟に30年前に私入院したことがあるの、まだこの本館が無かった時代だけど」

 その話しは、夜になるといつも足音がするのだと言う。

 その足音は毎日毎日続き、入院患者が嫌がって階層を変えて欲しいと苦情が相次いだらしい。

 一時は幽霊騒ぎとなり、凄い話題になったらしい。

 

 だか、その年配の女性は!

「あれってね、私が12階に入院した時に11階の男性と出来ちゃってこっそりと会ってたの、まさか幽霊騒ぎになるなんて思わなかったから黙ってたんだけど」

 それは衝撃な事実だった。

 そのために、今だに閉鎖病棟となっているとは。


 だが、あの時わたしが見た病棟の灯りと人影はいったい何だったんだろか?

 

 今だに解らない!

 実際、そんな事で病棟を2階部分を封鎖するだろうか、絶対に他に理由があるはずである。


 わたしは、今もその病院で働いている。


 

 

今回もありがとうございました。

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