掃除、後、軽く満身創痍?
えっとー、まずは自分の部屋の掃除だっけ。
私は部屋に戻り、箒を準備する。
「よっしゃー、やるぞぉ!」
箒で部屋のすみからすみまで掃いていく。
あ、これならできそう?
埃が舞う。
「げほっ…汚ねぇ…人間一人いるだけでこんなに汚れるの?」
さっさと終わらせよ。
スピードアップし、ちゃっちゃか掃いていく。
と、ベッドの足にスネが当たった。
ゴンッ!!
「痛ってぇぇえええ!!!」
私は、涙目になりながら部屋を転がった。
数分後。
「メティ…痛い…体中が痛いよ…掃除って危険だねぇ…」
私は、床にあおむけに転がっていた。
〈マスター、そんなはずはございません。マスターが家事をすることによって今までしたけがを一般人がする確率は10%以下です。ラッキーですね〉
全っ然、嬉しくねぇよ!
私は床に投げ出した箒をとり、立ち上がる。
と、
ゴンッ
「痛っ」
本棚のカドに頭をぶつけた。
立ったそばから蹲る。
ガチャッ
「ロテル、掃除は終わりましたか?」
ドアが開き、師匠が顔を見せる。
「師匠…これで終わってるといえるなら終わりました」
自分でも改めて部屋を見まわす。
床に散乱するのは、大量の本。バランスを崩して本棚に体当たりをしたとき、ブチ撒けた。
そして、本棚に絡みついていた埃は、もちろん部屋のあちこちにふわふわ舞っている。
転倒したゴミ箱。
そこからこぼれ落ちるごみ。
「…きれいに、なりましたか?」
「…本気で言っているんですか?」
師匠のその問いに、私はにっこりと笑顔で返答した。
「体中が痛いのです…私は十分奮闘しました」
師匠は、はあ、とため息をつきながら、額に手を当てた。
「努力ではなく、結果が求められるお仕事です。…ただ、時間の問題はありますので、今日はとりあえず、後は私がやっておきます。調理室へ向かってください」
「らじゃー!」
私は走り出し、
「ちょっと待って!体の埃をはらってからにしてください!」
あ、そうか。
服についた埃をはたく。
よし、準備完了!
私は、調理室へ向かった。