家系としきたり(?)
「ただいま、ロテル」
ヤルフ兄さんが戻ってきた。
「よし、それじゃあお勉強をはじめようか。」
私がヤルフ兄さんに教えてもらったのは、次のことだった。
私達メフィリア家は、500年前から続く、有名なメイド・執事の家系だということ。
メフィリア家では、11歳からメイドもしくは執事の修業が始まること。
あと、家族のこと。
私の家族は父様、母様、ヤルフ兄さん、私の四人家族。
私達は「本家」で、分家は「サン・メフィリア家」と「シュブ・メフィリア家」の二つ。
本家の大人二人が「当主」で、それ以外はメイド・執事としてどこかの主に仕えるそうだ。どこの主に仕えるかは決まっておらず、自分で探す。ただ、上流貴族仕えるのが普通だそう。
ライルぅ…。
そりゃ確かに、私は「有名なお家」って頼んださ。
でも、でもさ。
メイドの家系なんて聞いてねえよ!
いや、言われてないからしょうがないんだけど。
私、人の命令に従ってばっかりとか、嫌なんだよね。
「ちなみにヤルフ兄さん、ヤルフ兄さんは修行終わったの?」
「うん、僕はね。ただ、当主になる予定だから、今のところ誰かに仕える予定はないけど」
へえ。
「いやぁ、ロテルも来週が楽しみだなぁ!」
…ええと、今なんとおっしゃいました?
「どうしたんだい、そんな驚いた顔して。来週はロテルの11歳の誕生日だろう?」
…うん?
「だから、メイド修行開始だね」
…え、
はぁ!?
来週、ですとー!?