表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
味見好きメイドは勇者サマ!  作者: モスコビウム
18/24

拒否権プリーズ!

2時間ベッドで横になった私。

そろそろ体の痺れも取れてきた。

起きようかな、と上半身を起こし、

「ロテル、起きましたか」

師匠だ、こんにちは!

おやすみなさい!

私は布団をかぶりなおした。

「こら!修行を続けますよ。昼食を食べたら、午後の修行です」

「拒否します」

「拒否権はありません」

師匠の鬼!鬼畜!

もうやだ!

あんなご主人様大好きぃ!な修行なぞやらん!

なんていう心の叫びも虚しく、師匠は布団を引っぺがした。

「鬼が!鬼がおる!」

「さあ行きますよ」

「鬼婆ぁぁぁぁぁ!!」




「今日は、昨日の復習と、いってらっしゃいませご主人様の練習です」

いーやーだぁ!

おかえりなさいませの次はいってらっしゃいませぇ?

いやだ!

「まずは復習です。昨日やったことを思い出し、やってみてください」

えー。

「追い返すのはいけませんよ」

追い返す気満々だったのに。

ちぇ。

師匠がドアを開けて入ってきた。

すっと一礼。



「おかえりなさいませ、ご主人様…」



「はい、よく出来ました。」

師匠ご満足そうに頷いた。

「師匠」

「何ですか?」

「無理です。」

もうダメだ。

「分かってますよ。目がご主人様に向ける目じゃなかったので。蔑むような目でしたよ。」

よし!

私はガッツポーズをした。

「ご主人様に気持ちを込めてお出迎えしたんです!」

「…はい、次はいってらっしゃいませご主人様、の練習です」

スルーされた。




「礼をしながら、いってらっしゃいませ。そして、お帰りを心よりお待ちしております。大体昨日と同じです」

「はーい…」

「じゃあ、早速私がご主人様役をやりますね」

了解。

ガチャ

師匠がドアを開け、私を振り向いた。

「それでは、行って来る。」

私はすっと流れるような礼をした、



「永遠にいってらっしゃいませ、ご主人様。お帰りを心より拒否します。帰ってくんな!」



さよーなら!

バンッ!

ドアを閉め、ご主人様を閉め出す。

鍵をかけて、っと。

ドン、ドン!

「ロテル!開けてください!ロテル!」

ちっ、帰ってくるなって言ったのに。

世話の焼けるご主人様だ。

ガチャ

ドアを開けた。

そこには、師匠が腕を組んで立っていた。




「ロテル、はっきり言って、あなたはメイドに向いていません。」

うん、知ってた!

言われるまでもなく。

「でも、ここは名家メフィスト家です。メイドにならなければいけません」

「嫌です」

「嫌でも、です。まわりから、あなたはメイドであるべきとされています。お母様とお父様の顔に泥を塗るつもりですか?」

お母様にお父様って言われてもねぇ。

会ったことないし。

こんなことするくらいなら、泥だってなんだって塗ってやろうかとも思う。

私の態度に、師匠は深くため息をついた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ