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魔力なし転生者の最強異世界物語  作者: 月見酒
第一章 おっさんは冒険者を目指す
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第三十話 武闘大会団体戦学科別代表選抜、開始!

 土曜日になり休日を堪能しようと心がけていた筈の俺は何故か学園に来ていた。


「なあ、休日にわざわざ学園に来る必要ないだろ。今日はチーム練習も休みなんだから」

「ま、そう言うな」

「それで俺を呼び出した理由を言え」

 どこに向かっているのかも教えてくれないレオリオに俺は苛立ち気味に尋ねた。


「着けば分かるさ」

 意味深な言い方に益々苛立ちを覚える俺だが仕方が無い。大人の俺は怒りを我慢して銀と一緒にある場所に案内された。


「ここだ」

「って俺たちの教室じゃねぇか」

 なんで休日教室なんかこないといけないんだよ。せっかく楽しいことだけ考えて過ごそうと思っていたのにこれじゃ授業内容が頭に浮かぶだろ。最近は居眠りばっかでぜんぜん授業内容は分からないけど。


「帰る」

「そう言うわずにな。入れば分かるからよ」

 背中を無理やり押されながら俺は仕方なく教室のドアを開けた。

 パンッ!パンッ!パンッ!

 乾いたクラッカーの破裂音に驚く俺にクラスメイトたちが声を合わせていってくれた。


『ジン、学科別代表おめでとう!』

 一瞬思考停止したが、祝賀パーティーだとさすがの俺にも気がついた。


「驚いたか?」

「いや、普通に驚くだろ!誰も予想なんか出来るか!」

 さすがの俺もツッコんでしまう。それでも心には暖かく嬉しい感情に満たされる。まったくガキのすることは分からないな。あ、この世界じゃもう成人してるんだっけ?


「ジン君、改めておめでとうございます。担任としてとても嬉しいです」

「エレイン先生まで参加してたのか」

「ええ、ジン君が準々決勝に勝利したあと、クラス全員で優勝したらお祝いしようとエミリアさんたちから提案がありましたから」

「えへへ、ジン君はあんまりこういうの好きそうじゃないけど、お祝いしたかったからね」

 恥ずかしそうに言い訳しているが、別に気にしちゃいない。

「嬉しいに決まってるだろ」

「本当!良かった!」

「でも、俺がもしも負けていたらどうしたんだよ?」

「そん時は『ジン慰め会』になっていたな」

「はい、一応作っていたんですよ」

 本当だ。てか、そっちの方が作りこんでないか?


「ま、サプライズも成功したことだしよ。さっさとパーティー始めようぜ!」

 レオリオの言葉に全員がコップを持つ。勿論中身は酒じゃなくてジュース。パーティーの時ぐらい酒でも良いような気もするが、学生の身分だからということらしい。エレイン先生もいることだしな。


「それじゃ、今日の主役から一言!」

 っていきなりかよ!いや、普通か。だけど正直音頭とかしたことねぇからわからねぇぞ。


「ま、なんだ。まさかこんなサプライズがあるとは思わなかったけど、このまま勝って学園代表になってやるぜ!乾杯!!」

『かんぱ~~い!!』

 コップを掲げながら笑顔でパーティーが始まった。

 楽しい時間なんてあっという間に過ぎていく。俺は男女問わずから闘いの話が聞きたいと言われ、銀は女子たちから肉を餌付けされていた。お、そうだ。


「また、パーティーしたいから来週は団体戦で代表に選ばれないとな」

「「「え!?」」」

 俺の一言にレオリオ、エミリア、フェリシティーが驚きながら俺を見てくる。


「そうだな、ジンの言うとおりだ!」

「私たち応援するね!」

「レオリオたちのチームには個人戦の代表が二人も居るんだ、代表に選ばれるのも夢じゃないぜ!」

 ハイになっていることもあってか全員ノリよく俺たちを担ぎ上げる。


「ちょっ、待ってよ!」

「そうです。私たちだけでなくこの中には出場する人もいる筈ですよね?」

『思い出作りだから平気』

 と親指を立てながら返された。


「おい、ジン余計な事を言うなよな!」

「そうです!凄いプレッシャーじゃないですか!」

「ジン君、酷いよ~」

「一蓮托生だ」

 一人だけ注目を浴びるなんて真っ平ごめんだ。少しでも注目度を他に移さないとな。ああ、一蓮托生なんて素晴らしい響きなんだ。


「「「絶対使い方間違ってる!」」」

 そんな叫び声が聞こえるが、知ったことではない。



 日曜日も過ぎ月曜日になった。まったくどうして休日ってのはこうも時間が過ぎるのが早いのかね。外出して娼館に行っただけで一日が終わったぞ。でもま、授業じゃないだけマシか。

 5月21日。いよいよ今日から武闘大会団体戦学科別代表選抜が始まる。

 先週の個人戦とは違い、参加者の人数が二千人以上だからな。馬鹿げてるよな。


「ジン、欠伸するな」

「へいへい」

 既に演習場にて整列していた俺はジュリアスに叱られてしまった。

 個人戦とは違って整列はチームごとに整列されている。因みに俺たちは最後尾だ。理由は俺が寝坊して並ぶのが遅れたからだ。その事でジュリアスに小言を沢山言われたけど、チーム全員が集まっていたら最前列であろうが最後尾であろうが自由なんだかそこまで怒らなくても良いと俺は思う。お、丸刈り先生の登場だ。


「これより武闘大会団体戦学科別代表選抜を開催する。この大会は今日から五日間かけて行われる。個人戦に出場した生徒も団体戦のみに出場する生徒も全力で闘う姿を我々に見せてくれ。以上だ」

 そう言うと壇上から降りていった。相変わらず丸刈り先生の話が短くて助かるな。


「それではこれより団体戦のルール説明を行います。そのあとにクジ引きでグループを決めたいと思います」

 今回は人数が多いから先にルールを説明するのか。


「まず一回戦~四回戦までは一試合20分。準々決勝、準決勝は25分。決勝は30分で行います。一回戦~四回戦までは主審一人と副審二人。準々決勝からは副審四人で行います。一人が持てる武器の数は個人戦同様二つまでとします。使役している魔物がいる場合は試合に出す出さないを試合の始まる前に担任の先生もしくは、こちらの係員までに知らせておいてください。次にグループは全部で5つ。各グループで優勝、準優勝したチームが軍務科の代表チームと闘う資格を手にすることができます。それではチームの名前を呼ばれたリーダーは壇上に上がってクジを引いてください」

 ルール説明が終わると、クジ箱近くに立つ先生がチーム名を呼んでいく。どうせ俺はリーダーじゃないから別に気にしないけどな。因みに今回もグループは色分けされている。赤、青、緑、紫、白だ。なんで黄色跳ばして紫と白なんだ?ま、気にしても仕方が無いので考えるのを止めた。


「次、チーム#AAA__ノーネーム__#壇上へ」

「はい!」

 お、今回は早めに呼ばれたな。ジュリアスは凛々しい姿でクジを引いた。


「#AAA__ノーネーム__#、青の37番!」

 青の37か。お、一回戦はシードじゃん。ラッキー。


「ふう、緊張した」

「お疲れ、ジュリアス君」

「みんなの前に一人だけで立つのはやはり緊張するな」

 ぜんぜんそんな風には見えたかったが。てか、優秀なお前ならもっと壇上に上がってると思ったんだがな。


「ま、後は俺たちの相手が誰になるかだな」

「ああ、今大会は前年度に比べて強い選手が沢山居る。一部では黄金時代の到来とまで言われているからな」

 そうなのか全然しらなかった。でも確かに冒険科にはジュリアスに迷い人が二人。軍務科にはイザベラたちもいるからな。そんな風に思われても仕方が無いのかもな。


「だからどの試合も気は抜けない。対戦相手となる選手の情報収集は徹底して集めるぞ」

 そんなリーダーの言葉にレオリオたちの気合は十分に上がった。俺は?勿論いつも通りに闘うだけさ。


「ジンはしっかりと作戦を考えてくれ」

「わ、分かった」

 さきに釘を打たれてしまった。ま、やれるだけやってみるか。

 一時間してようやく組み合わせが終わった俺たちは観客席に向かった。まったく人数が多いと本当に面倒だな。

 団体戦ということもあり、一度に行われる試合は全部で十試合。そのことに不安を感じる。


「なあ、本当に今日中に試合出来るのか?」

「それは分からない。グループによって試合の流れは違うだろうけど。早くても一回戦が終わるまでは私たちの出番はない」

「はぁ、こんな事なら部屋で寝てりゃよかった」

「何を言ってる!ジンには参謀としてしっかり作戦を考えて貰うからな!」

「分かってるよ。で、俺たちが闘うかもしれない2チームはまだ試合していないのか?」

「ああ、まだのようだ。順番から考えると、この次だろう」

「そうか」

「おい、どこに行く?」

「トイレだよ」

 立ち上がった俺を見てサボるとでも思ったのか鋭い視線を向けてくる。まったくトイレに行く時ぐらいそんな目をしなくても良いだろうに。

 それにしても作戦って言われてもな。どうしたものか。俺とジュリアスは個人戦で出てるから戦闘スタイルや得意魔法なんかがバレてるが、レオリオたちはそうじゃない。属性は知られてるが得な魔法までは知られてないからな。

 それを考えると最初がシードだったことは本当に運が良いな。相手の手の内を知ることが出来るからな。それに比べこっちは五人のうち二人までしか知られてない。これは大きなメリットだ。

 それを考えると最初の試合でレオリオたちをどう闘わせるかだ。今後の事を考えるなら最初の敵は俺とジュリアスだけで闘うのもありだが、それだとレオリオたちが後々大変になる。少しでも戦場の空気に慣れて貰うには闘うのが一番だ。それを考えるならまだ弱い最初の試合だ。こっちの手がバレてもいないしな。なら全ての切り札を出さずにレオリオたちには暴れて貰うとするか。

 トイレから戻るとなぜか空気がどよめいていた。


「なにかあったのか?」

「ジン戻ったのか。何かあったかってもんじゃない。開始そうそう試合が終了したんだ」

「どう言うことだ?」

 ジュリアスたちの視線の先を見てみる。あれは迷い人のマカベだったか?


「個人戦代表にも選ばれたんだ。そんなに驚くことも無いだろ」

「違う。あいつのチームメイトを見てみろ」

 ジュリアスに言われ見てみる。


「へぇ……」

 思いがけない面子に俺は思わず笑みを浮かべていた。どうやら本気で学園代表を狙っているようだな。


「同じグループじゃなくて良かった~」

「本当ですね。もしも当たっていたら間違いなく負けていました」

 ま、エミリアたちが弱気になるのも無理ないよな。それにしても


「まさかチーム作りは自由とはいえ、他の学年とチームを作るなんてな」

「勿論、普通はしないが学園代表を本気で狙っている奴らは新入生が入学してからすでに仲間集めをしているからな。きっと彼らもそうしてたんだろう」

 なるほどな。ま、学園最後の武闘大会だし、本気になるのも無理ないか。


「で、あいつらのデータはスマホで見れるんだよな」

「あ、ああ。でも見る必要があるのか?私たちとは別グループだぞ」

「興味本位だ」

 俺はそう言うとスマホから学園のサイトに入りデータをみる。因みに関係者以外見れないようなっているため外部に知られることはない。


「チーム名『正義の剣』で、リーダーが個人戦代表にも選べれた真壁冬也。ま、ここまでは普通だな。で仲間が渡辺飛鳥、ライヤス・ユーラ、セシリア・ヴォーヴァ、クレア・ラパルトか。五人のうち三人が個人戦出場者でライヤス・ユーラ以外全員が#二属性持ち__ダブル__#か。これまたあからさまに学園代表狙いだな」

「それだけじゃない。セシリア・ヴォーヴァは数が少ない光属性を持っていて治癒魔法が使える。クレア・ラパルトは魔力量がずば抜けて多く迷い人であるマカベ君と大差ない。それだけの魔力を持ちながら魔導武器をしようするから魔力切れを習うのは不可能に近い。そしてなにより二人とも私のクラスメイトだ」

「つまりは一組なわけか。それにしてもそれだけの力があるならなんで個人戦に出てないんだ?」

「セシリアさんは攻撃魔法も常人以上だが、支援魔法に特化しているんだ。クレアさんは完全にマカベ君のファンだ。彼のお願いはなんでも聞くんだ」

 つまりはアイツの僕ってことか。まったくこれだから正義感の強い主人公キャラはめんどうなんだ。ま、どうせ闘う機会があるとすれば軍務科との学園代表決定戦の時だな。


「それより、俺たちの相手はまだ試合に出てこないのか?」

「もうすぐ出てくるはずだ」

「そうか。なら今はそっちに集中だ。当たるこの無いチームの試合見てやる気を落とされちゃ困るからな」

「そ、そうだな」

「ジン君の言うとおりだね」

「すっかり弱腰になっていました」

「ジンはたまに良いことを言うな」

「たまには、余計だ」

 まったくジュリアスのやつ俺をなんだと思ってるんだ。もう少し俺を崇め称えてもいいんだぞ。

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