第十四話 スヴェルニ学園へ
次の日、今日は4月8日。スヴェルニ王国王都サンドラにある学園に向かう日がやってきた。
時刻は午後一時過ぎ。ここから王都まで直線距離で365キロの距離らしい。どんだけでかいんだこの国は。東京から京都までの距離だぞ。今日の午後6時までに学園内に入っておかないといけないのにどんだけ呑気なんだ。俺が言うのもなんだけど。
「それじゃあ行ってきます」
「ああ、夏休みには帰ってきなさい」
「はい」
屋敷の玄関前でイザベラとハロルドのおっさんたちが話している。
今日から数か月は会えなくなるからな寂しくなるのは分かる。だがなんでメイドが泣いてるんだ?
「ロイド君、娘の事を頼んだよ」
「この命に代えましても必ずお守りいたします」
「君は相変わらずだね」
うん。貴族でもやっぱり家族なんだな。なんて和む光景だ。
「ジン君も夏休みになったら帰ってきなさい」
「え、良いのか?」
「当たり前だ。短い間だったけど君は我が家の一員だ」
ああ、なんて心に響く言葉なんだ。涙が出そうになるぜ。
「だからと言って娘に手を出したら死よりも恐ろしい目にあわせるからな」
ああ、一瞬で冷めた。
「聞いているのかね」
「も、勿論だ」
ほんと親馬鹿だな。いや、当たり前か。
「アナタ、いい加減にして下さい」
「そ、そうだな」
ライラさんの言葉に冷や汗を流すハロルドのおっさん。うん、完全に家族の長はライラさんだな。
「いったいお父様と何を話していたの?」
「ん?頑張れって言われただけだ」
「そう。それじゃあ行きましょうか」
俺たちは高級車に乗り込んで出発した。間に合う気がまったくしないが。
流れる街を見ながら学園へと向かう。このライルビードに来て一週間と少しだが、離れるのが少し寂しく感じるな。まだ行ってみたい店もあったのに。
車で20分ほどで車が停車した。信号でもないのにどうしたんだ?てか、ここって空港だよな?
「ジン、何してるの乗り換えるわよ」
「乗り換える?飛行機で行くのか?」
「当たり前じゃない。遠いのに車で行ってたらそれだけで時間も掛かるし疲れるわ」
そ、そうだよな。当たり前だよな。だけど、すでにこの場所は空港の駐車場じゃなくて、飛行機とかがある場滑走路傍なんだが。
「これに乗るのよ」
イザベラに言われて視線を向けると、
「これってプライベートジェット機だよな」
「そうよ。ルーベンハイト家が所有するプライベートジェット機の一つよ」
「これだけじゃないのか!」
「ええ、全部で3つ持ってるわ」
流石は金持ち。俺の想像を遥かに超える金銭感覚だぜ。
「ほら、突っ立ってないで、乗り込むわよ」
「お、おう」
目の前の光景に思考回路が止まりそうになったぜ。
生まれて初めてのプライベートジェット機に心を躍らせながら適当な席に座る。
なんて柔らかい椅子なんだ。ああ、イザベラと出会ってよかった。
『まもなく離陸致しますので、シートベルトの着用をお願い致します』
機長のアナウンスが聞こえる。なんだかワクワクするな。
そして、遂に離陸した。おお!普通の飛行機とそんなに変わらないのに何故か乗り心地が違うな。この高級な席のせいか。
『無事、離陸いたしました。シートベルトを外しても問題ありません』
どうやら無事に離陸したようだ。よかった。
「なにか、お飲み物は要りませんか?」
近づいてきたキャビンアテンダントの女性がメニュー表を渡しながら言ってくる。美人な女性だな。
「なら、おさ……オレンジジュースを」
「畏まりました」
危ない危ない。つい、前世気分で言ってしまうところだった。俺はまだ未成年……なのか?
「なぁイザベラ」
「何かしら?」
何度も乗っているためか優雅に読書していた。さすがはお嬢様だな。いや、そんな事より。
「この世界の成人って何歳なんだ?」
「あれ、まだ言ってなかったかしら?18歳よ」
「え、そうなのか!」
なんだ。それなら酒を頼めばよかった。
「でも、このジェット機にお酒はないわよ。学園に向かう途中だもの」
「そ、そうか」
さすがはイザベラ嬢、鋭い勘を持ってらっしゃる。
「それに一時間もしないうちに到着するから飲む暇なんてないと思うわ」
なるほど、ジェット機だもんな。この程度の距離だと直ぐに到着するわけか。
少し残念だが、学園に行ってからでも遅くはないか。
「それとこれを渡しておくわ」
そう言ってイザベラが一つの封筒を渡してきた。
「なんだこれ?」
「後で開けてみるといいわ」
「分かった」
お金でも入っているのか?だとしたら随分と薄いな。おっと俺としたことが下品な事を考えてしまった。まったく欲に素直なのも大変だな。
人生初めてのプライベートジェット機に乗りながら俺は学園へと向かった。因みに銀は俺の後ろの席でお昼寝してらっしゃいます。地面から離れてるのになんで平気なんだ?
1時間もしないうちに到着した俺たちは荷物を持って歩く。
「で、学園はどこだ?」
「そうよね、ジンは知らないものね。もうここは学園の中よ」
「え!?」
おい、嘘だろ。学園の中に滑走路なんてあるのか。つまり何台もあるジェット機はイザベラ同様に貴族様たちが乗ってきたってことか。次元が違いすぎる。
「前にも言ったけど、この学園には複数の科があるじゃない。だからそれに必要な設備が要るの。射撃場や研究棟がね。それに貴族のお嬢様や大富豪のご子息も通ってるからそれなりに警備も重要なの」
「なるほど、次元が違うわけか。因みにどれぐらいの広さなんだ?」
「そうね、確か……約7億平方メートルだったかしら?」
7憶平方メートル……全然広さが実感できないが、無駄に広いって事だけは分かった。
「いったいなんでそんなにあるんだ?」
「大半は演習場や射撃場ね」
「だとしても広すぎないか?」
「この学園に何人の生徒や職員、事務員の人が通ってると思うの」
「何人なんだ?」
「生徒だけで約8400人はいるわね」
「そんなにか……」
高校ってレベルじゃないな。すでに大学規模だ。
「ええ。一クラス50人で、普通科が10クラス、技術科が8クラス、軍務科、冒険科が12クラスあるわ。それが一年生から四年生まであるの。当然でしょ。で、職員や事務員なんか色々と合計すると1万人近くいるんじゃないかしら?」
通りで広いわけだ。そんなに居たら演習場や射撃場が一つ二つで足りるわけが無い。
「それに貴族の大半がこの学園に通いたがるけど、生徒の4割は平民だからね」
「普通科にもいるのか?」
「ええ。貴族も平民も関係ないから成績でクラス分けされるんだけど、どうしても平民を見下す貴族の子が居たりするのよ。だいぶ改善されたんだけどね」
そう言って補足するが、それは当たりまえだ。どれだけ改善してもそうそう無くなるもんじゃない。ましてやプライドの高い貴族連中はな。
「でも、今年は少し楽しみだわ」
「どうしてだ?」
「だって武闘大会があるからよ」
なんでも俺が知ってる風に言わないで貰いたい。
「武闘大会ってのは2年に一度行われる大会で、この国にある学校学園の代表者たちが学園の誇りを賭けて闘うの」
「こんなに生徒がいるのに他にも学校があるのか」
「あるわよ。前の武闘大会に出場していた学校は十校だったかしら」
「そんなにか」
「勿論この学園ほど規模の学園や学校は少ないわ。あるとしてもスヴェルニ第二学園とロングスタンズ冒険者育成学校ぐらいよ」
いや、それだけでも十分凄いと思うぞ。ん?
「スヴェルニ第二学園?」
「ええ、この学園が設立されてから十年後に設立された学園よ」
「なら、なんでこの学園には第一ってないんだ?」
「初代学園長が面倒だったって話よ」
面倒って……それで良いのか?
「誰も気にしてないわ。それより早く学生寮に行きましょ」
「そうだな」
8000人以上が生活する学生寮か。いったいどんな寮なんだ。少し興味がわいたな。
徒歩で十分あるいてようやく到着した。流石はマンモス学園。移動するのも一苦労だな。
それにしてもなんだ。この寮は。
十階建てのマンションが幾つも並んでいた。ちょっとしたマンション街だぞ。てか、これを寮と呼んで良いのか?
「一部屋二人で生活していて、科ごとにマンションが違うの。学年はそこまで関係ないわ。大抵同級生同士で同じ部屋が割り振られて、卒業まではその部屋が自分の部屋になるの。学年やクラスが上がれば部屋の階も上がったりしないから」
「なるほど」
「だからわたしたちとジンのマンションは違うけど最初だし案内するわね」
「頼む」
『冒険者育成科Ⅰ』と書かれた看板があるマンションに入った俺たち。流石はマンモス学園。厳重なセキュリティーと自動ドアか。いや、現世でも当たり前だったか。だけど、学園内にあるのは流石に凄い。
「まずは寮母さんの所に挨拶にいくわよ」
「分かった」
「すいません、編入生をつれてきました」
寮母さんなんか居るのか。いったいどんな人なんだろう。おばちゃんか、綺麗なお姉さんか、小説なんかでは生徒がすることもあったな。なら、男子生徒か。俺の要望で言えば、断然綺麗なお姉さんだな。
「はぁ~い。あら、イザベラちゃんじゃない」
オネェさんだった!それも筋骨隆々の!
「ジン、この人がこのマンションの寮母さんで。名前はバルリス・オーガスさん」
「んっもぉ~、私の事はマリリンって呼んでって言ってるじゃなぁい。ロイド君もお久しぶりぃ~。相変わらずいい身体してるわねぇ」
「ど、どうも」
流石のロイドも危険を感じたのか思わず一歩下がりそうになる。しかしイザベラの護衛としてのプライドがあるのか。なんとか踏みとどまる。すげぇよ!お前すげぇよ!俺なんて今すぐこの場から逃げ出したいって思ったぐらいだ。俺はお前を尊敬するぞ。
「そうだったわね。マリリンさん、彼が新しく入る事になったジンよ」
「ええ、学園長から聞いてるわ。あら、言い男じゃなぁい。もしも寂しい夜があったら私の所に来てもいいわよ」
「絶対嫌だ!」
「あら、完全否定されっちゃったわ」
「こら、ジン!」
「いいのよ。気にしてないから」
イザベラに叱られるが仕方がないだろ!だって男としての威厳と貞操を護るためなんだからな!
「マリリンさんがそう言うなら。それじゃ、私たちは自分の寮に戻るわね。マリリンさんあとはお願いします」
「ええ、任せておいて」
待て、俺を見捨てるのか!俺の穴が危機にさらされてるんだぞ!ロイド、お前なら俺の言いたいこと分かるよな!
「安らかに眠れ」
そう呟いて去っていった。ロイドオオオオオオオオオオォォォ!!!!
「それじゃ、部屋に案内するわね」
「あ、ああ……」
なんて日だ。こんな事になるんなら冒険者になりたいなんて言うんじゃなかった。
ハートの入ったフリル付のピンクのエプロンをつけた筋骨隆々の男と一緒に俺はエレベーターに乗る。頼む!何も起こるな!
「ジン君の部屋は604号室ね。すでにルームメイトの子は入居済みだから仲良くね」
「わ、分かった」
「で、朝食は午前6時~7時で夕食は午後6時~8時まで。入浴はそれぞれの個室にあるお風呂を使ってね。それと消灯時間は深夜0時で、外への外出は午後9時以降は禁止。覚えた?」
「あ、ああ、大丈夫だ」
正直、今ほど身の危険を感じたのは初めて島の中央に入り込んだ時以来だ。
「それと学園内での喧嘩はご法度。もしも見かけたら………容赦しないから必ず守れや」
「了解致しました!」
一瞬でヤのつく人に変貌したから驚いた。
6階で止まり降りた俺たちは604号室へと向かう。なるほど最初数字が階数なのか。覚えやすいな。
「ここよ」
マリリンに案内されてドアには604と書かれてあり、壁には俺の表札が飾ってあった。お、銀の名前もちゃんとあるな。ありがたいな。
「ジュリアス・L・シュカルプか」
表札に書かれていた名前を呟く。男だな。ま、当たり前か。男女別の筈だからな。
「ジュリアス君、ちょっと良いかしら」
「はい。少し待ってて下さい」
随分と凛々しくて女みたいな声だな。ま、声が高い男性は少ないけど珍しくないからな。
それから五分ほどしてドアが開かれた。
「すいません、少しバタバタしてしまいまして」
出てきたのは黒髪でポニーテルの美少女!?
「女!」
「あら、失礼ね。ジュリアス君は列記とした男よ。女なのはア・タ・シ」
いや、それも違うだろ。絶対口には出さないけど。
「確かに女っぽい顔をしているが、私は男だ」
「だが、自分のこと私って」
「別に男でも言うと思うが」
確かにハロルドのおっさんも言ってたな。
「そうだな。悪い。気に障ったのなら謝る」
「いや、その気持ちだけで十分だ。私の名前はジュリアス・L・シュカルプ」
「俺は鬼瓦仁だ。仁と呼んでくれ」
「君はヤマト出身なのか?」
「そうだ。色々あってな、今日からこの学園に通う事になった」
危ない危ない危うく否定するところだった。
「そうか。残り一年だが、よろしく頼む」
「ああ、よろしくだ」
ライオネルとは違う好青年だな。ミドルネームもある事だし貴族だろうが、仲良くできそうだ。
「それじゃ、ジュリアス君。後の事はお願いね」
「分かりました」
そういい残してマリリンは寮母室へと戻っていった。危機は去った。
「さあ、入ってくれ。それにしても最初に女に間違われるとはな」
「俺が初めてなのか?」
「いや、そんな事はない。ただ普通は私のこの耳を見て驚くものなんだがな」
「尖った耳……もしかしてエルフなのか?」
「正確にはハーフエルフだがな。だからエルフより耳も短いし髪も黒だ」
「髪の色で軽蔑とかされないのか?」
「大昔にはあったらしいが、今では無いな。ま、一部の純潔種たちは今でも嫌っているようだが」
「そうなのか」
やはりそうそう消えないものだな人種差別ってのは。
「言い忘れていたが、こっちが俺の家族の銀だ」
「ガウッ!」
「かわいい……」
「なんか言ったか?」
「い、いや、何でもない。それよりも銀色の魔狼とは珍しいな」
「俺も最初はそう思ったさ」
どうやら銀とも仲良くしてくれそうだ。
中に入り最初から備えられていたであろうソファーに座る。
「寮とは思えない広さだな」
「確かにそうだな。廊下にそれぞれお風呂とトイレがある。キッチンもあるが、一階にある食堂で食べるから休日の昼食を作る以外は使用しないだろうな。ま、大抵の生徒は外食ですませたり、買い置きしていたインスタントの物で済ませてしまうんだけどな」
「ま、大抵はそんなもんだろ」
「で、こっちが寝室。二段ベッドだから心配はいらない。悪いが私は上を使わせて貰っているが構わないよな」
「大丈夫だ。銀も居るし正直下の方がありがたい」
「そうか」
ほんと生徒が使う部屋とは思えないな。
「それにしても、ジンはいい奴だな」
「急にどうしたんだ?」
俺、なんかしたか?
「いや、あのテトル先生に勝った生徒だからどんな生徒かと思ったんだ」
「よく知ってるな」
大抵他人の試験結果を学生が知る事は出来ないはずだ。
もしかしたら既に噂になっているのか?それなら随分と個人情報の管理が疎かだが、それはないだろ。
「マリリンさんがルームメイトだからって教えてくれたんだ。他の生徒は知らないだろうから安心してくれ」
なるほど。そう言う事か。そしてあの筋骨隆々のオカマ野郎は噂が大好きな奥様方並みに口が軽いな。あまり知られないようにしないとな。
「それは助かる。編入生ってこともあるからな。あんまり目立ちたくないんだ」
「変わってるな」
「そうか?」
「ああ、冒険者になりたい奴ってのは富や名声を欲しがるものだからな」
「俺だって富は欲しいさ。でも目だったら好きな事できそうにないからな」
「そんな考え方した奴に会うのは初めてだ」
そんなに可笑しいか?誰だって富は欲しいだろ。でも目だって良いことは無いと思うが。確かに美女、美少女が言い寄って来るのは男冥利に尽きるが、面倒事に巻き込まれそうだからな。それを考えれば大した事じゃないだろ。
「それで、ジンは何組なんだ?」
「何組?」
「知らされてないのか?明日から通うクラスのことだ。封筒かなにか貰わなかったのか」
「あ~、あれか」
そう言えばジェット機の中でイザベラに封筒を貰ったな。すっかり忘れてた。
俺はポケットから封筒を取り出し中身を見てみる。中に入っていたのは一枚の紙。なんだお金じゃないのか。
そこには合格通知と試験結果と今後自分が通うクラスが書かれていた。
「それで何組なんだ?」
俺は適当に内容を読んで自分が1年間通うクラスの番号が書かれた場所を探す。
「11組だな」
「11組!何故だ、ありえない!」
俺の答えにジュリアスは信じられないと言わんばかりに驚愕と怒気を含んだ声音で叫んだ。
「ありえないのか?」
「そうだ。ジンは知らないかもしれないが、実力によってクラスが違うんだ。一番優秀な生徒が1組で一番下が12組だ。なのにテトル先生に勝った君が11組って。もしかして、筆記試験が悪かったのか」
「いや、300点中280点だ」
「その成績なら最低でも2組じゃないとおかしい。それなのになぜ11組に……」
会って間もない俺のことでここまで真剣になってくれるなんてな。お前こそ良い奴だよ。
でも11組か。ま、こころあたりはあるけどな。
「たぶんだが、俺に魔力が無いからじゃないのか」
「え?魔力が無い?」
「ああ」
「少しも?」
「少しも」
「なら、仕方が無いのかもしれないな……」
何故か分からないがジュリアスの顔に影が落ちた気がした。
「それで、ジュリアスは何組なんだ?」
「私は1組だ。テトル先生に勝った君なら1組だと思ったんだけどな。仕方がない。クラスは違うが仲良くしよう」
「ああ、それには俺も賛成だ」
俺たちは握手を交わした。
「そ、それで一つお願いがあるんだが……?」
「なんだ?」
モジモジと頬を赤らめ恥ずかしそうにお願いしてくる。もしかして告白か!
会って間もないのに告白されるのか!まさか一目惚れなのか!
「その子に触っても良いか?」
恥ずかしそうに銀を指差す。ああ、分かってたよ。銀の愛らしさに一目惚れしたんだよな。さっきからチラチラ見てたもんな。分かってたよ!
「ああ、良いぞ」
俺は抱き上げてジュリアスに渡す。
「ふぁあ……かわいい」
蕩けた表情をするジュリアス。何故だ男のはずなのに女に見えてくる。まさかマリリンの影響で変な性癖が目覚めてしまったのか!いや、それは絶対にない!断じてない!
その後、少し時間を潰した俺たちは食堂へと向かう。




