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漫才部っ!!  作者: 育深
まんざいぶはぶしつをまもりたいそのいち
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まんざいぶぶちょーはかわいい(はくしん

「ああ、ベニヤ先生じゃないすか。

相変わらずベニヤ板みたいな胸っすね」


俺はまだ具合の悪い身体を起こして軽快に笑ってみせる。

長い夢を見ていたせいか、どうにも夕陽が染みてならない。

校庭で部活に励む生徒の姿も、いつもと違う場所から見ると新鮮なものだ。


「紅八伊丹だからベニヤ板……か、しょうもねぇなぁ。

それにこっちだって一応先生やってんだ、敬意を払いなさい敬意を」


テンパの長髪を乱暴に掻いて俺の方を睨んでいるものの、その隈だらけの目に力は籠っていない。

しかしやっぱり先生は大人だ、胸のことを言われたってビクともしないな。

どっかの生徒会役員とは大違いだ。


「せ、先生……!

北城の病状は!?」


ついに待てなくなったのか、隣で借りてきたにゃんこのようにしていたにゃんこ先輩が声を荒げる。


その様子に何がおかしかったのか不敵に笑った紅八先生。

かわいいでしょうちのにゃんこ。

顔がついついにやけちゃうでしょ?


「ああ……こりゃダメだな……

脳出血だ、長くは持たねえ」


徐に告げられたのはそんな非情な宣告。

彼女の唇を歪ませて顔をしかめた深刻な表情に、医務室の雰囲気が一変した。


「そ、そんな!」


それを受けて、にゃんこ先輩が涙目になってしまう。


「紅八先生……うちの先輩泣かせないでくださいよ……

跡形もなく消し飛ばしますよ?」


「おま、怖いよ……

つか北城、自分が長くないって知ったのに随分と余裕そうじゃねえか」


「え、本当だったんすか?

紅八先生ってよく見ると結構綺麗っすよね」


「医者に媚売ったって病気は治らねえっての……

冗談に決まってんだろ。

もしそんなんだったら担いででも病院連れてくに決まってんだろ」


紅八先生が半笑いで格好つけてる、だっせえ。

つか逆光で何も見えねえ。


内心で嘲笑していると、俺の腕につつかれたような感触が走った。


「北城、私の台詞が少ない」


「やめてくださいそういうこと言うの」


「でまぁ北城、病状の方はただの貧血だ。

まあ鼻血でぶっ倒れるなんてそんなギャグ小説みたいなことあるわけないしな。


とりあえずちゃんと飯食え、三食しっかり主食主菜副菜乳製品果物類バランスよくな。

最近の中高生は平気で昼抜き朝抜き敢行しがちだからな、あと鉄分とビタミンCも大事ってwikoに書いてあったぞ。


ほらよ、COレモンと10年チャージやるから」


そう言って投げ渡された某飲料と某栄養食品……

俺はそれを胸で受けると、紅八先生を半目で睨む。


「養教がネットで貧血の対処調べますかね普通?」


「っるせなぁ……それ自腹だったんだからな。

飲まねえなら返せよ」


舌打ち紛れにそんなことを言って来るものだから俺も対抗心を燃やし、飲料の方のキャップを開けて一口飲み、栄養食品の方も蓋を捻って一口だけ口にして……


「っぷは……

残念でしたね、もう飲んじゃいましたから俺のっすよ」


「小学生かお前は……」


呆れたように元から力のない目をもっとだらけさせる紅八先生を尻目に、俺はジュースを飲みたそうにしているにゃんこ先輩にペットボトルを渡した。


「ほ、北城……ありがとうな!」


小さな唇を当てて両手でペットボトルを押さえ、ごきゅごきゅを喉を鳴らしているにゃんこ先輩を眺めて癒されていると、校庭の拡声器から流れる校内放送がこちらにも聞こえてきた。


『最終下校時刻になりました。

生徒の皆さんは、速やかに下校してください』


「うっわ、もうそんな時間なんすか……

この学校単位とか大丈夫だったっけかなぁ……」


唸り出す俺に向かって、にゃんこ先輩が言う。


「まあ北城一回起きてたしね……

まだモーニングスター娘48との闘いが終わってねえとか言って二度寝してたけど……」


あれ、てことはこの人俺が寝てる間ずっとここにいたのか……?

この人が進級できてるってことは単位は大丈夫そうだな、うん。


COレモンって二酸化炭素やないかい!





……はっ笑ける、しかも2無えし。

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