まんざいぶぶちょーはかわいい
「いやいいです」
「はっ?
……北城さん?一体何をお考えで?」
毅然とした表情で言う俺に、北原先輩は頭皮から血を流しながら呆然とする。
にゃんこ先輩も呆気にとられている。
このままじゃ……
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「南郷、昨日はありがとうな
俺みたいなお団子のために態々救急車呼んでくれて……」
「い、いえ!
気にしないでくださいよ!
……それに北原先輩はお団子なんかじゃありません」
「えっ……」
「立派な団子三兄弟です!」
そう、北原那緒は最新の医療技術をその一身に受け、その頭のお団子は3つに増殖され、更にそのシックスパックは27個という比較にならない数字を示し、乳首回りの黒子は合計で94個の圧倒的な戦闘力を誇っていた。
つまり、今では北城とか言う前髪毛先ベビースターラーメンとは次元が違う高みへと登り詰めていたのだ!
「南郷!」
「北原先輩!」
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なんてことになりかねないのだ、実に由々しき事態。
彼の頭から伝い落ち、床に溜まる赤色の液体がそれを物語っている。
ような気がする。
「いや、別に救急車呼ぶほどのことじゃないと思いますよ。
ねえ、撫奈村書記」
俺は後ろでさっきから口を押さえて抱腹絶倒している撫奈村書記に同意を求めた。
「ぶっ……くす……
え?あ、ああそうですね。
その通りだと思いますよ、第一面倒事は避けたいですしね!」
予想通り黒い笑みを浮かべながらサムズアップする小悪魔ににやにやが止まらない。
やはりな、普段から酷い扱いを受けているらしいこいつなら味方してくれると思った。
「じゃ、じゃあせめて保健室……」
「面倒事は避けたいですしね!」
言いかけた彼の台詞を遮って声を張り上げる撫奈村書記。
彼女のファインプレーにアイコンタクトで感謝を告げると、当然ですよと言った風な表情でウインクで返される。
こいつとはこれから先もいい関係が築けそうだ。
そんな時、ブレザーの間からだらしなくはみ出たシャツの布が引っ張られた。
尤もそれは引っ張るなんて力強いものではなく、擦れた、とかの表現でも違和感はなかったと思うけど。
気付いて俺が引っ張られた方向に頭を動かすと、そこには少し悲しそうな目でこっちを見上げるにゃんこ先輩がいた。
「ほ、北城……
わ……私も別に賛成だからな、北原先輩がハゲ散らかした頭で登校してきたってこれっぽっちも気にならないぞ」
「ええ!?
ちょ、南郷さん!?」
「ど、どうしたんすかいきなり辛辣な事言って……」
なんか俺とにゃんこ先輩の仲を引き裂こうと画策するナンパ野郎が悲痛の声を挙げているのは知ったことではないが、俺はにゃんこ先輩の予想外の可愛さと発言と美しさでついついしどろもどろになってしまう。
シックスパック27個ってそれ最早シックスパックって言えるんですかね……(トオイメ




