まんざいぶこうしきますこっとはひきちぎられる
「はぁ……やっと終わったぁ」
午後の授業が終わった解放感から独り言を溢すと隣の席の女子が俺から机を少し離したのが見えた。
独り言を言ったのがお気に召しません出したかね……
ショックを受けていると、廊下からのバタバタと騒がしい足音が耳に入る。
そして音は段々と近付いてきて、遂に俺の所属する1-Cの扉が勢いよく開け放たれた
どこのどいつだ?
高校生にもなって廊下を走るなんて……
「北城くん居ますかぁ!?」
うちのにゃんこだったわ。
何があったのか知らないが、興奮を隠しきれない様子のにゃんこ先輩。
このままここにいるのも恥ずかしいので場所を変えることにしよう。
「ほらどーどー、落ち着いてくださいにゃんこ先輩。
とりあえずお外出ましょうね」
俺は立ち上がってドアの方へ向かい、宥めるように手を引いて廊下へと連れ出す。
「わ、分かった。
とりあえず見てもらいたいものがある」
教室から出て数歩くらいのところで、にゃんこ先輩が俺に提案してきた。
「はぁ……なんですか?」
と、一応聞いてはみるものの、にゃんこ先輩は既に足を動かしていた。
「着いたら事情を説明する!
早急に解決せねばならない問題が発生したんだ、早く行くぞ」
「了解です、にゃんこ先輩」
これは非常事態か……
そう悟った俺は、彼女の後をついていくことにした。
連れてこられたのは昇降口の近くにある掲示板だった。
この時間だ、昼食を買いに外へ出る生徒も多いのでぼっちには辛い空間である。
「北城……これを見てくれ……」
にゃんこ先輩が指差したところを見ると、俺は彼女が何故焦っていたかを理解する。
なるほど……これは……
「これは……どうしましょうかね……
先生にチクっても所詮は部活ですらない漫才部っすから逆にこっちが怒られそうっすよ」
俺が頭を抱えると、にゃんこ先輩も口を手で隠すようにして思案に耽る。
「そうだな、極めて悪質だ。
人の噂も七十五日、とは言うけど75日も部室が使えなくなると精神衛生上良くないとかいう次元じゃなくなる。
というか私朝に寝て気付いたら昼になってたから部室内の物が片付いてないんだよ……
血塗れのモーニングスターなんか見られたら厳重注意じゃ済まされないぞ」
この人なんで特進入れたんだろう……
学校をなんだと思ってるんだ……
「ま、まあ先輩が可愛いのは置いといて……
とりあえず部室を見てみましょう……
状況が気になります」
「そうだな、分かったよ。
行ってみよう」
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「おいおいやべえよ!
なんか入ってみたらモーニングスター見つけたぞ!」
「うっひゃあ、なんだこの鰹のキグルミ!
笑える!」
……ダメだこれは……完全に荒らされてる。
漫才部周辺には沢山の生徒が群がっていた。
大方興味本意で入ってみた奴が中を見たら学校にあるべきものではない物の数々を見つけ、そこから騒ぎが波及していったというところだろうか……
「ほ、北城……
私のオリヴィア・T・シルヴィが頭を捕まれて振り回されてる……」
「なんですかそ……まさかにゃんこ先輩あの鰹のキグルミのこと言ってます?」
「うわぁ!引き千切られたぁ!」
「ちょ……先輩落ち着いて……」
先輩の半狂乱になった瞳が見る先には頭から頭から引き裂かれて見るも無惨なことになっているオリヴィア。
「うわぁ!引き千切られた挙げ句残骸が回りの生徒に配られたぁ!」
「行動の意図が分からねえ」
このままだとこの人回りの生徒を一人残らず蹴散らしそうな予感がするので、とりあえず引っ張ってでも退かさないと。
その過程で指がにゃんこ先輩のにゃんにゃんに接触してしまっても致し方無いのだ。
気づいてないし。




