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漫才部っ!!  作者: 育深
まんざいぶはぶしつをまもりたいそのいち
34/52

まんざいぶふくぶちょーはぶゆーでんをたにんにかってにかたられる

それからも私達は彼らの部内での音声を聞き漁って居たのだが……


「なんだというんだこれは……


何故に俺たちは年頃の男女のイチャイチャを見せられている?」


阿相先輩が渋い顔をして口に手を当てた。


私も同じ気持ちだ。

あの時は録音に必死であまり気にならなかったが、これはちょっと酷すぎる。


「今だけは先輩に同意です。

砂糖吐きそうですよ」


「そ、そうだな……

な、なんか恥ずかしくなってきたぞ」


目を両手で隠して指の隙間からちらりと覗かせている瀬南会長。

これ音声なんですけどね……


「うええええええ」


そして、実際に砂糖を吐いている北原先輩。


……え?


ちょっと待て私の鞄はエチケット袋じゃ……いやああああ!


……いじめだ。


「ぶ、部活動勧誘会の内容を考えているのか……

い、意外と真面目だな」


会長が少し言葉を詰まらせながらそう言った。

そうだよな、真面目だよな。

あの日あんた仮病で休んだもんな。


「ぶふぉふぉ、違いないね会長!

あんたあの日サボってたもんな!」


笑い方がちょっと形容しがたいことになってますよ北原先輩。

後あんたがその日ゲーセン行ってたこともリーク済みですよ。


「……ちょっと待て撫奈村」


「えっ、なんですか?」

話し掛けて来たのはさっきから会話に入らずに音声に集中していた阿相先輩。

よく見るといつもより幾分か顔色が悪い。


「お前、さっき生徒会室に走って入ってきたよな」


「え、まぁ」


私達が真剣な会話を始めたからか、3年組のバカ二人もこっちに注目する。


「それとここのシーンってなにか関係があるのか?」


先輩はそう言って机に置かれていたiPodをいじくり、音量と時間を調節して流す。


---------------------


「……先輩」


「分かってる、流石に鬱陶しくなってきたね。

誰かは知らないけど、この漫才部に喧嘩売ったことを後悔させてやろうぜ北城」


「ですね、完膚なきまでに叩きのめしましょう」


--------------------








生徒会室内を、静寂が支配した。


「あ、あはは。

ちょ、ちょっとしくじりましたね」


そうだった。

てっきり忘れていた。

私は漫才部に危うく目を付けられるところだったからとりあえずここに避難したのだ。


「な、ナナちゃん……

ちょっとじゃ済まされないよそれ……

ああまずいな、保険加入してたっけ?」


「みんなしてると思います」


「落ち着け、情けないぞ!

別にどうということでもないだろう」


「そう思うんだったら先に尋常じゃない手の震えを何とかしたらどうですか?

こっちまで揺れが伝わってくるんですけど」


阿相先輩がツッコミを変わってくれている間に私がなにか気の利いたフォローをしなければ……


「だ、大丈夫ですみなさん!

顔は見られてませんし、バレるわけないですって!」


「それなら安心だな。

大丈夫だ、黙っていればバレることはない」


私が三下のような台詞で慰めると、会長は手の震えをそのままに心強いことを言う。


「ま、まぁこれ以上事態を大きくしないように努めるしかないよな。

ナナちゃんももう漫才部付近には近寄らない方がいいよ」


そう溢した北原先輩に、阿相先輩は眉を寄せる。


「しかし、分かりませんね。

別に一年の男子生徒1人と二年の女子生徒1人、いくら素行が悪かったりしてもそこまで脅威になるとは思えませんが……」


そうだった。

この人はこの体格と厳つさなのに花を活けることが趣味。

みたいな漫画的あれではなくて、柔道と空手と自分の家の流派の古武道までやっている根っからの格闘タイプ。

言いながら合わせる拳は歴戦の格闘家を思わせる程に厚い皮膚で覆われていて、何で付いたのかも分からない傷跡が全身にある。


しかし、それを聞いた北原先輩は何処か呆れたような目を彼に向けて語り始める。


「南霧谷中学の北城多々良。


あいつは二年まで全く有名じゃなかった。

異常に柄の悪い連中の多い南霧谷で珍しい普通の男子生徒。


でもな、二年始めの春に北城はカツアゲに巻き込まれた。

加害者は俺の後輩の当時三年の女子生徒。

本人が言うには呆気なかったらしいぞ、親父狩るよりも楽だって笑ってた。


その翌日だ、その女子生徒の下駄箱に北城からの果たし状が入っていたのは……


俺が可愛がってた後輩だ、結構人望はある。

取り巻きも多かったんだが……まあ予想の通り全員ボコられた。

話を聞けば、大勢に囲まれて何度倒されてもゾンビみたいに立ち上がって一人ずつ着実に潰していった、とか。


でも北城はそこで終わらなかった……」



いたい死んじゃう俺のごーるでんが死んじゃういたい……

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