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漫才部っ!!  作者: 育深
まんざいぶはぶしつをまもりたいそのいち
22/52

まんざいぶぶいんとそのなかまたちはふくせんをはりめぐらせる

そして、なんやかんやわんやてんやあって遂に部活動勧誘会当日がが訪れた。


舞台袖から見える体育館は、いつもより幾分か、というか進学校とは思えないほどに騒がしい。

しかしそれもそのはず、ここにいるのは特進科の生徒だけではないのだ。

部活動は普通科と合同なので仕方がない、見た感じ確実に柄の悪い普通科の生徒。

騒がない理由がない。


……というか普通科の空席が目立つ、先生の話だとこれでもまだ来てる方だって言うからおぞましい。


まあ今日が土曜だからか……

まあしかし土曜に態々時間をとって休日を月曜に作るんだから流石私立といえるだろう。

まあ別に部活動勧誘会をやるためだけの休日出勤じゃないのだが、俺たち漫才部の頭はもう勧誘会以外のことを考えられていない。


人前で自分のなにかを披露するってことはそれだけ難しくて勇気のいることなんだと思う。

しくったな、公園にでも行って散歩中のおじいちゃん相手にお笑いライブでもするんだった……


「次は漫才部です!

ってあれ?こんな部活あったっけ」


体育館のステージの舞台袖で自分の番を待つ俺たちの耳に入ったのは放送委員のそんな声。


「わ、分かってたけどやっぱり緊張するな北城……」


「そ、そうっすね。

中学の時もこんな経験なかったですもん」


そう愚痴りながら俺たちがステージに上がった瞬間……





「うおおおおおおおおお!」

「すげええ!」

「本物だ!」



体育館が沸いた。


いや、沸いたと言っても歓声を上げたのは普通科側の右半分の生徒だけ。

左半分の特進科の生徒は戸惑いを隠せない様子だ。


……南霧谷中卒業したやつがいるのか、とりあえずにゃんこ先輩から過去に探りを入れられるのはよしたい。

どうにかして誤魔化そう。


「せ、先輩、どういった過去をお持ちで?」


「いや、こ、心当たりがないなぁ、北城こそなんだこれは」


にゃんこ先輩は表情を強張らせて俺に半目で聞いてくる。


「い、いや、どういう状況なんですかね……

あはは」






この2人、お互いを方位磁針だと気付いていないが故に後々果てしなくめんどくさい展開になるのだが、それはまた別のお話。




-----------


「やっぱりこうなったか……」


観覧席用のパイプ椅子に座りながら俺はそう呟いた。

会場は2人が舞台に出た瞬間に異常な盛り上がりを見せ、


「な、なにこれ、東雲?

なんであの2人こんな人気なの?」


隣に座っているのはいつものツインテールをほどいて下ろした髪型の桂浜禊。

うちの中学でもとても目立っていたものの、一週間くらい前に凄いビッチ女なんて噂もたってからは牙を抜かれた虎のように大人しい。

牙を抜かれた虎が大人しいかは知らないけれども……


「知らないのか桂浜、あの南郷さんと言えば北霧谷の元方位磁針。


俺はずっと尊敬してるんだ」


「あっ、そうなの?

でも多々良にいもだよ」


へ?


ちょっと待て……北城……多々良……


なんか前に桂浜にちょっかいかけてる最中南霧谷にやられたなんてほざいてた連中が北城なんて言ってたような気がするぞ……


って、ほ、北城……?


「な、なあ桂浜よ……聞くけど北城って南霧谷の……なのか?」


「え、うん」


あくび混じりにあっけからんと返答する桂浜。

おい嘘だろ、あの北方デスマーチの北城か?


ん?

というか俺南霧谷になにもされてなかったのに勘違いで喧嘩吹っ掛けた?


「どうしよ桂浜……」


「な、なんだよ東雲……さっきから様子おかしくねえ?」


「お、俺何の関係も無い南霧谷に喧嘩吹っ掛けたかも……」


「……杞憂に終わることを祈るよ」


「と、とりあえず南郷さんと北城には……」


「言わないよ……ややこしくなりそうだもん」






この2人が漫才部組に事情を説明しなかった故に、と

ややこしさが倍増してしまったりするのだが、それもまだ先のお話。

もうね、つかれました。

最初の勢いはどこへやら……

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