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まんざいぶ、とりあえずいっけんをらくちゃくさせたほうこうにもっていく
「……ってなわけでした」
俺はにゃんこ先輩に一連の流れを報告した。
場所は勿論いつもの部室である。
「なるほど、だから北城は両頬に綺麗な紅葉を咲かせているのか」
因みに朝登校する際禊はやけにしおらしかったのだが、降りる時に肘に胸でも当たったらしい。
紅葉が一枚増えた。
「……いやまあそりゃそうですけど他に言うことあるでしょ、北城くんかっこいーとか」
「北城君かっこいい、はいこれで満足?」
「もっと気持ちを込めてどうぞ」
「しつこいよ北城!
しつこい男はモーニングスターで殺されるよ!」
「物騒すぎやしませんかね……」
「世の中そんなもんだ!」
「世の外に逃げたくなってきた」
いつものように馬鹿話に花を咲かせるだけの日々を噛み締めながら、今日も意味もない日々を生き抜くのだ。
「あ、桜」
「風情ですねぇ」
春はまだまだ終わらないと言わんばかりに、開けられた窓からはのどかな陽気が舞い込んでくるのであった。
ダメだこれ……
伏線の破綻がこんなに早い段階で……