2話 気が付けば不良グループの仲間入り
俺は気が付けば不良グループの仲間入りを果たしていた。
そう、ヤンキーの集団だった。
俺は学校も家も嫌いで、唯一の救いがそのコミュニティだった。
上は成人、下は俺と同い年まで、10人くらいいた。
彼らの共通点は、学校が嫌い、家出をしたり、世の中に嫌気がさしていたり。
しかし、無能でも低能でもなく、むしろ彼らは優秀だった。
理不尽な事件によって高校中退させられるも、気合と根性で高卒認定を勝ち取ったり、
陸上部のいじめに耐えられず辞めたものの、
マラソン大会でそいつらより速いタイムを叩き出したり、
ハイリスクハイリターンの仕事に携わってお金を稼いで女を虜にしたり、
とにかくすごい奴らばっかだった。
俺は先述の授業中怒鳴った事件を隣のクラスに居たヤンキーを通して、ここを紹介された。
ここにいる人らで先生と暴力沙汰を起こした人は居ないとのこと。
むしろ俺はホッとした。
やっぱ学校って狭い社会なんだ。
こんなにも素晴らしい人がいるなんて俺は知れただけでも充分だ。
いや、俺は本当に不安だった。
ピアスを空けたり、タトゥーしたり、
今の俺には怖くて出来なかった。
でも、所詮人は見かけじゃないんだよな。
「先生が嫌いでも、宿題はちゃんとやっておけよ!」
「とりあえず、学校には行っとけ!愚痴でも何でもここで晴らしたらいいぞ!」
器の広い、大人の考え方を持った人たちばかりだった。
俺は徐々に打ち解けていった。
子供っぽい大人がいりゃ、大人っぽい子供もいる。
表現の仕方で印象も変わるんだ。
世の中って面白いな。