ツンデレ
――別に、あなたのこと好きじゃないんだからね?
ほんとの、ほんとなんだから――
「ねえ、ワタシのこと好きなのよね? 好きよね?」
「ああ、もちろん。。。」
「じゃあ、この仕事とワタシどっちが大事?」
「いや、それとこれとは話が違うだろ?」
彼がそういってワタシに言葉を返してくれてるけど
彼の顔があきらかに引きつっているように見える。
ふん――
みえみえの嘘じゃない。
いいわよ、ワタシのこと好きじゃなくても。
別に、ワタシだってあなたのこと好きじゃないんだから。。。
「そんなこと、一言も言ってないだろ?」
ふいっとワタシがそっぽをまた向いて見せると、
仕方がないなと彼がワタシを抱き寄せてきた。
「ほらほら、スネないスネない」
「べーつーにー、スネてるわけじゃないもん」
「いやいや、わかりすぎだっつーの。まったくまだまだ子供だなあ」
そういう彼の言葉、あまり好きじゃない――。
ワタシは撫でようとした彼の腕から咄嗟に離れて、彼の顔を見やる。
彼は溜息を吐きまた困った顔をしてみせるが、怒ってはいない――けど、笑ってもいなかった。
彼はいつだって優しかった。そしていつだって笑顔だった。
「ワタシがダメだから、こんなこと言うのね?」
「そうじゃない、そうじゃない」
彼の言葉が、少しきつくなってきてちょっとビクッとしてしまった。
「あ、ごめん――。でもほんとに、そんなこと思ってないから」
ふん、どうだか――
そう思って見せたけれど、ふいにぐぎゅうというお腹が鳴る音がした。
「ほら、お腹すいてるだろ??おいで――」
彼がそういうや否や、ワタシは彼の足にすり寄って見せた。
「こらこら、歩きにくいだろ?」
そういうと彼はワタシをもう一度抱き寄せ、台所にたつ。
「まったく、お腹が空いたら調子いいんだから」
ふふん、それがワタシだもの――
でもワタシはいじわるだからいってなんかあげない。
「ほんと、かまってちゃんで自由だなあ」
そういうと彼はニヤリと笑ってキャットフードの入った袋を取り出した――。
またまた人間のツンデレかと思ったでしょ?(笑)
はい、今度はぬこ(猫)を擬人化させてみました。