第2話:母の心配
遅れました。ごめんなさい。
無理にまとめたので、少し変かもしれませんが、なんとなく伝わってくれれば本望です。
第2話:母の心配
魔法とは遥か古代に人間に与えられた神の力だ。
古代の人間は弱者だった。
動物たちは自らの肉体を極めることで強者になった。
なかには魔力を使い他者とは隔絶した能力をもった動物たち、魔力を使う動物『魔物』と呼ばれるものたちも生まれた。
人は道具や武器を用いて戦うことで動物たちを退け、時には多大な被害と共に討ちとってきた。
それでも、人は弱者だった。
古代でも人が比較的簡単に勝つことができる動物が居なかったわけではない。ウサギはその代表といっても良い動物だった。
当時、ウサギの繁殖地の近くに築かれた文明の記録もある。肉を食べることで力を付ける。当時としては繁栄をきわめた文明の1つだった。
人にも劣るウサギが大きな群れをつくっていたのは非常識であるということは文明の人間たちも感じていた。
しかし、人には食料に心配がないこの地を離れることは考えられなかった。人は食べた、育んだ、そして増えた。こうして人は文明を大きく強くしていった。
終わりは唐突に訪れる。
皮肉なことに文明の始まりと終わりは同じ要因だった。
ウサギ。
その『魔物』に滅ぼされたのである。
結果として人はウサギにすら敵わなかったのだ。
ウサギの魔物がどうしてそれまで人を放っておいたのか?
なぜすぐに人を滅ぼさなかったのか?
同じウサギたちを見殺しにしていたのか?
今となっても学者の中では意見が分かれている。
一説にはウサギの魔物は「増えすぎた」という一言を残している。これもまた学者の中で議論の的となっているのだが、言ったか言ってないかはともかく、増えすぎたのは"人"だったのか"ウサギ"だったのかが最も重要だと言われている。
これは魔物が動物を仲間と認識しているかどうかという争点になる。
話は逸れたが、つまりは魔法がなかった時代は人はまともに文明を築くことができなかったのだ。
それほどの差を埋めた魔法というものがどれだけ強力だったのか、そう言う話がしたかったのだけど……。
◆◇◆◇◆◇◆◇
最近、ナリカミの母親フゥミィーは心配になっていた。
息子が笑顔になるタイミングを掴んできたところだったのだ。
その息子のお気に入りが魔法発動に伴って生じる魔力なのだ。
魔法をこの1歳に満たない年齢で感知できる才能は末恐ろしい。
しかし、それ以上にフゥミィーが心配しているのは魔法という絶対的な力に対して、恐怖や畏怖ではなく笑顔を見せることだった。
果たしてこの子はどんな大人に育つのだろう。
(母は少しだけ心配です)
遅れたのは話がまとまらなかったからです。
決してイカやインクのせいではありません|д゜)