The Body04depart from……
The Body04depart from……
それからもメールをやりとりし、何度か二人の時も過ごした。
そんなある日、胸に違和感があった。不安になって病院に行く。
何度も検査を重ね、頭を殴られたようなショックが襲う。乳癌だって。悪性で、既に転移も。目の前が真っ暗。
心配して付いて来てくれた娘が、しっかりしていて救われる。
その日のうちに入院となり、化学療法だけを頼りにしての闘病生活が始まった。貴方に会う処ではない、髪の毛が抜け始め、誰にも会いたくなくなる。
無情にも時間だけはたっぷりとある。
バチが当たったのかな?ウゥウン、だってシアワセだったもん!これは運命よ。たっぷりの時間は、貴方への思いを募らせる為に使うね。
メールは、
『ゴメンなさい。
暫く会えません。
アイシテル!
今言えるのはそれだけ……。
でも心から、アイシテル。
本当にゴメンなさい……』
返事は。
『待つよ。いつまでも』
待ってて欲しい。
でも……また会えるのかな。
内心は不安でたまらないはずの娘の気丈さに助けられ過ごす日々。
ある日、突然娘が尋ねる。
「ママ、何かして欲しいこととかはないの?」
最後が近づいて来たのかな。
「アリガト。でも大丈夫よ。愛、貴女が居てくれるから、ママは十分シアワセよ」
「そう……」
何か言いたそうに俯く愛。
分かっているの。気付いていたのよね、貴女もオンナだものね。
でも言える訳ないじゃない。
涙ぐみそうになって、そっと背を向ける。
「ちょっと、ママは寝るね」
「ウン。おやすみなさい。また明日来るわ!」
一晩中悩んだ。そして朝方やっと決心する。この想いは、お墓まで持ち込む。隠し通すの。
十分ワガママをして来たもの。
もうダメよ。これ以上はダメなの。
『会いたい……でも会いたい……ただ会いたい』
メールは未送信のまま残された。
寝不足で朝を取ると眠っていた。
目を覚ますと愛がいた。
「ママ。気分はどう?」
「ウン。良いわよ。アリガトね」
「もう、あたしはママの娘なんだよ。水臭いなぁ」
嬉しかった。
学校のことや、近所のこととか、いつもよりは饒舌に話をすると愛は帰っていった。
ふと携帯を手にとると電池が切れかかっている。充電の事なんか、すっかり忘れてたな。