The Body37Still Crazy After All These Years
The Body37Still Crazy After All These Years
「Still Crazy After All These Years……♪♪♪」
突然貴方の唇から歌が流れ始めた。
えっ!?
皆が貴方を見詰める。歌が途切れた。
「涼子、死後の恋を覚えてるか?
君はこんな愛され方をしてみたいと言ったんだ。なのにこの恋は自分だけのものだなんて!俺は愛する事も愛される事も拒否するしかなかった。レイが俺の心を開いてくれなかったら、俺はきっとあの世で君を探し回っていた……」
なに!どうしたの?
貴方の眼は何かを見てる。
「なぁ、俺は生きてるんだ。
笑えないときだってある。泣きたいときだってある。もう、もういいだろ、なぁ、もう……」
上を向いたままボロボロと泪を流し始める。
「貴方……」
あたしは思わず駆け寄り抱き付く。
「もうイイよ!私が許す!泣きたければ泣いてイイの!」
あたしの顔を見ると、笑顔を見せた。
「やぁ、俺の可愛い奥さんだな!待たせたね」
「うん、うん。おかえりなさい!」
愛ちゃんの髪をイトオシソウに撫ぜる貴方の眼は狂ってはいないわ。ちゃんと戻ってきなさいよね!ツケ溜め過ぎなんだからさ。払って貰うわ。カナラズよ!
呆然と二人を見る三村裕美の手を取る。
「さっ!お邪魔よ!舞も、行くわよ!」
「うん」
二つの座敷の支払を済ませて店を出る。
「さぁ、飲みなおそうか!」
「ママぁ!?」
「仕切り直して再度のゲンナオシよ!
裕美さん、貴女も付き合いなさいよね!」
「はい、でもぉ……あんなひどい事言っちゃったわ」
「イイわよ。カチンとは来たけど、そんな事一々気にしてたら、吉見英司は愛せないわよ!」
「マーマ!今さっきの二人を見てもそんな事いうの?」
「当ったり前よ!Still Crazy After All Years よ!」
「ママ、それって何なの?」
「さっき吉見さんも……」
「元は歌の歌詞らしいわね」
「どういう意味なの?」
「いまだ君に夢中、だってさ」
「でも今は愛に夢中だよ!」
「そうね、でもいいのよ。あいつはそういう無器用なオトコなんだもん!」
「ママも無器用なの?」
「そうね。きっとそうね」
二人の腕を抱え込んでた腕を解くと二、三歩駆けて立ち止まり、腕を開くと叫んだ。
「Still Crazy After All Years!」
周りにいたヒト達が立ち止まり、驚いてママを見る。
「ママぁ!まったくもう、しょうがないヒトなんだから。あれで人妻とか母親って、自覚あるのかしらね?」
「ふふっ」
「裕美さん、笑い事じゃないですよぉ!」
「素敵なお母様ね」
「熨斗つけて差し上げますよ!」
「遠慮しとくわ。でも……」
「でも?」
「貴女と一緒なら頂くわよ!」
「えぇっ!?」
「どう?」
こっちもネジがぶっ飛んじゃったみたい。
「嬉しいお申し出ですが、保留させて頂きまぁす」
「あら、受諾でも却下でもなく、保留なの?」
「えぇ。せっかくのオファーですもの、お断りしたらバチが当たるわ!最高のタイミングでお受けするの」
「まぁ、商売上手ねぇ!ますます欲しくなっちゃったな」
「その際は宜しくお願いします!」
「フフッ、イイわよ。楽しみだわ!」
顔を見合わせて笑うと二人でママを抱え込む。
「さぁ、行こっ!」




