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The Body28A night like this

The Body28A night like this



舞が、久々にやってきた。お土産を一杯手にした賢一さんも一緒だ。

暫し新婚家庭同士の新婦同士で愚痴のこぼしあいだ。どちらも仲がいい夫婦とは言え、オンナは愚痴をこぼすのが勤めみたいね。

モミは、あっちいったり、こっち来たりと愛想を振りまくのに余念がない。そのモミの顛末で盛り上がった後、暫くして賢一さんが切り出した。


「卒業したら、米国に行く事になりました」


「そう、それはおめでとう!じゃぁないのかな?」


「えぇ、実は舞を連れて行くかどうかで迷っているんです。二人で話をしてても結論が出てこなくて……。お義母さんにも相談したんですけど、自分の出る幕じゃない、二人で決めろと突っぱねられてしまって……で、思い余って、ご相談に上がった次第です」


「うーん、と言われてもなぁ……。舞君は、どうなの?」


「あたしは……一緒に行きたいって気持ちはあるんです。ただ、邪魔はしたくないし、伸び伸びと仕事をして欲しいなって、それにママの事もあるから残りたいっていう気持ちも、半々かなぁ……」


「賢一くんは?」


「正直言って、舞が居ないと寂しいだろうとは思うんですけどね、大学出たてで、覚えることなんか一杯あるだろうって思うと、逆に舞に来て貰っても却って寂しい思いをさせてしまうんじゃないかなという不安があるんですよね」


「そうだね。なぁ、舞君、どうだろう?新婚なのにとは思うが、逆に恋人同士に戻って、遠距離恋愛をしてみたら?」


「うーん。心配だなぁ」


「浮気のことかい?」


「えぇ……」


「えぇっ!信じてくれないかなぁ!?」


「ハハッ、賢一君、それはムリだよ」


「えぇっ!でもぉ」


「イヤ、言っておくよ。向こうに一人で居て、彼女の一人や二人、できないようじゃ、君には男性としての魅力が無いってことさ。まぁ、オトコとして云々は兎も角、人としての魅力が無いって言い換えてもイイ。舞君、そんな没個性のオトコを君は伴侶にしたのかい?それに、君ってその程度の男しか掴まない詰まらないオンナだったのかな?」


心なしかどことなく意地の悪い言葉を舞に投げ掛けた。


「イイエっ!賢一は十分魅力的だし、あたしもそんなツマンナイオンナではないですっ!」


「だろ?そしたら、結論は出たんじゃ無いかい?」


二人は黙り込んでしまった。やがて舞が賢一さんを見て言った。


「うん、行って来て!」


「あぁ、そうする」


そんな二人を見て居た貴方は、暫くして言った。


「賢一君の良さには、舞君だからこそ、引き出せる所がかなりあると思うよ。ま、だからと言って何の保障にもならんがね」


と、ちょぉっといじわるいなぁ。

貴方は軽く笑って立ち上がり、書斎に向かった。


「もうかなわないなぁ、吉見さんって……上手く乗せられちゃった気がする」


戻って来た貴方の手には、ボトルとグラスが4つ。


「さぁ、二人の決意に乾杯だ!」


モミはミルクでお付き合いね。


「但し、舞君も魅力的な女性だ」


そりゃそうよ!とでも言いたげな、舞の澄まし顔。


「それだけは言っておく」


「えぇっ?そんな事言われたら」


泣きそうな顔の賢一さん。貴方は軽く笑うと、


「ま、お母さんと愛、そして私が余計な虫は付かない様にするが、本人の気持ちだけはどうしようもないよな」


「舞!」


「うーん。余所見しないよう努力してみる」


「おーい!」


全員大笑い。


「ま、マメにメールでもやりとりをするんだね、お互いに」


「はい!」「はい!」


クルマを置いてタクシーで二人は帰って行った。


「ねぇ、舞の反応は計算してたの?」


「あ、あぁ、計算ではなかったけど、母親とそっくりだね。あの子も勝ち気だな」


「そう……」


あたしが知らない舞ママとの仲、


「あっ、またぁ!疑ってるな!?」


「そんなことないけど……」


「彼女の母親とは、なんて言ったらいいんだろ……そう、同志みたいな感覚なんだ。彼女自身、そう思ってる筈さ。ただ、時々、弱くなってしまってしまって私にだけその弱さをさらけ出して来る」


「うん。信じる。さっきの話だと、貴方はそんだけ魅力的だってことだし、あたしは自分の魅力を信じなきゃなんないみたいだしぃ!」


「あれ?逆襲されたか……」


笑い出して顔を見合わせたあたし達は、どちらからともなく、唇を合わせ、やがて身体を重ねて熱い夜を迎えた。


モミ、ゴメン。今夜は一人で寝てね。



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