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HEROES  作者: 工藤カズナリ
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Daily 8 〜来客〜

「終わった…いろんな意味で…私、松野英輔、頑張りまじだ」


勉強会での頑張りもあり、何とか試験を乗り越えた英輔、そして一同。


試験が終わるとやはり解放感なのか、いろいろしたくなるのが高校生、結果はともあれまた楽しい生活が待っている。


「何とかなったな、やっぱ勉強会して正解だったわ」


「うん…まあやっと部活が再開すると思うと…よっしゃー!」


一人やりきって喜んでいるなか、何だろうか、廊下がやや騒がしい…。


「何だー女子がうるさいなー」


「女子にはよくあることだろ、イケメンが通るとキャー!!って言うし」


「お前ら…寂しいな、まあ俺もか」


三人がそんな事を話すうちに、目の前の廊下が騒がしくなった。


「みんなごめんねー…さてと、このクラスかな…」


「何なんだろ、まあかっこいい先輩でも来たんじゃねーのー……ってかっこいい先輩キター!!」


康之が一人ツッコミを決めたところで、登場したのは…。


「えっ先輩!?何してるんですか!?」


「あー!松野君!やはりこのクラスかー!…急にごめんねー、実は君に用があってね」


ちょうど、食堂から戻っていた三人は、異変に気付いたようだ。


「何したんだろー…あれっうちのクラス?」


「また誰か変な事でもしたんじゃないのーあいつらもあり得る」


そこには対談席かのような見映えの二人が、話をしようとしていた。


「えっ!!か、海堂先輩がいる!なんでー!?」


「びっくりしたー、やっぱかっこいいなー…でも何で英輔なんかと話してるんだろ、部活の事かな?」


「…あの人、海堂先輩っていうんだ」


「えっ美愛知らなかったのー!?野球部ナンバーワンのイケメンエースって言われてるんだぞー!有名人!」


「そうなんだー…あはは、名前は聞いたことあったんだけど…」


「もー…どう思う?まあ英輔との絡みが何か気になるけど」


「仲良いんだね、でもそんな人と一緒って松野君凄いね」


「そう思っちゃうんだ美愛は…まあでもこれはみんなが騒ぐわけだよねー」

「先輩…すごい見られてますけど…気にならないんですか」


「さすがにちょっとね、クラスに押し掛けた僕が悪いけど」


「本当どうしたんすか急に!部活が再開するからとかですか?」


「まあそれもある、試験の出来栄えは?どうだった?」


「何とか…頑張りました…部活の為にやりましたよー!」


「そうかーこれでコンディションを維持出来てたら大丈夫だね」


「先輩はどうなんすか?好調ですか?」


「僕はマイペースにやってるよ」


彼は常に自分の道を進んでいる。


「ところで、全体練習の後、メニューをちょっと変えていこうと思っててね、松野君も効率よく変更していくべきだと考えているんだよ。そろそろ今までの事が、少しでも活かされる、証明されているのが動きだけでもわかるかなと」


「確かに軽く感じます、あとあのトレーニングが結構効いてるなーって」


「練習で試してみよう、僕も楽しみなんだ」


二人が笑顔で会話するところを、周りの女子生徒がまじまじと見つめている、楽しそうだ。


「あと、もう一つ話があるんだ、それなんだけどね…」


急に静かに話し始める海堂、一体何の話なのだろうか…。

「えっいや俺はそのー…今のところはいない感じっすよ!」


「やはりまだなんだねー、僕なんて先輩なのに全くないんだよー」


「先輩の場合は、みんな近づき難いんだと思いますよ、私なんて絶対無理ー!って感じで」


「そんな事ないのになー、この学校は美女が多いって事で、他校でも有名らしいからね」


「そうっすねーまあ先輩方はみんな可愛い人多いっすけど…グフフ」


「松野君、年上は大変だからやめときなーうんうん」


「何すか先輩…いろいろあったんすか?…」


「あっいや、何でもないよ…僕は後輩も可愛いと思うけどね」


この二人で恋愛観の話は意外である、海堂もこういう話をするようだ。


「このクラスはどうなんだい?やっぱみんな若さがあるよね」


「中学がまだ抜けない感じっすね、まあーそうっすねー……あっ一人美女がいますよ!」


すると英輔はあの三人組のもとへ、あの子なのだろうか、いやそうだろう。


「おーい!西園寺、出番だぞ!」


「えっ松野君、何どういうこと?よくわからないんだけど…」


「先輩と話してほしい!紹介がてらね」


「えーいいなー!美愛行っておいでよ!」


「えー!急には無理だよ!…松野君もいてくれるー?…」


「大丈夫だって、先輩優しいから!何なら麻実達も来ていいし」


さあ海堂と初対面、あれっ?いない、どこに行ったんだのだろうか…。


「あれっ?まさかカーテン?先輩ー?」


「ここ座れるんだよー、自分のクラスでもよく座る場所なんだよねー」


「先輩やっぱ自由だなー…あっ連れて来ましたよ」


「ほら美愛、よし……カーテン入っちゃえ!」


「ああ一緒って言ったのにー!…あっごめんなさい、すみません!」


「麻実、無理矢理過ぎだって」


「まあまあ積極性が大事、うち的には美男美女って感じ?」


「先輩何話してるのかなー…先輩ー!どうっすかー!?」


そうしている内にやや話をしたのか、カーテンが急にバサっと開いて海堂が一言。


「また来るね」


「えっ?…わっわかりました…また練習で」


クラスを出る間際、ニコッとした顔を美愛に向けた、どうだったのだろうか…。


「いやーやっぱ海堂先輩って近くで見ると…オーラがやばいね」


「男の俺でも惚れそうだわ、かっこよすぎる…」


「あっ西園寺、ホントにすまんな、一応話出来た?…おーい西園寺ー」


やっとよくわからない緊張が解けた美愛は…。


「ふー…何とか大丈夫だよ、うん、何か凄い人だなーって感じた…」


「ねー何話したの!?めっちゃ気になるー」


「私からは特に何も言ってないよ、ただ先輩からちょっと…ちょっと…うん」


「まあ先輩もご機嫌だと思うし、練習にも気が入るっしょ!」


「もー松野君も麻実も、急に私に押し付けて…本当にびっくりした…」


「まあちょっと噂とかになっても、私達は知りませーん」


「えー!そういうのやめてよー!……んー松野君、恨む」


「いやっそんな…先輩がこのクラスはどうなのー?って言うから、クラスの美女を紹介しようと思っただけであって…」


「えっ…それで私を?……そ、そんな訳ないじゃんか!ほら、ふみかとか星南ちゃんとか、他にもたくさんいるじゃん!」


「思い浮かんだのが西園寺であって…ホントにすまんのー」


英輔が美愛からこんなに攻められている光景はなかなか見ないものだ、しかしどうだろうか、怒っているようには見えない、やや照れの入った当たりに見える。


「ちょっとー!うち!麻実ちゃんも候補に入れてよー!」


「そういう問題じゃねーだろ、しかし西園寺のこんな姿、初めて見たな」


「日に日にさ、どんどん印象が変わっていくんだけど…」


「ねー、星南って私?何か呼んだ?」


「あっ北原が美女って話、俺らもそう思うよ」


「はあ…何かありがと、棒読みっぽいけど」


ふみかは少々呆れ顔をしている。


「いつも以上に騒がしい昼休みだこと……(ってか、私も美女!?…)」

「あれっ龍悟、どこ行ってたんだー?下の階が騒がしいって話だけど」


「後輩のクラスにお邪魔してたんだ、何か大騒ぎになっちゃって」


「大人気の龍悟君はやっぱ違いますねー、んで可愛い後輩でもいたか?」


「さあ…どうだろうねー、部活の後輩の話が、いろんなタメになることもあるんだね」


「おー!?いたかー!いたのかー!?俺にも紹介してくれよー」


(…思いもよらぬ凄い出会いってあるもんなんだね…美愛ちゃんか…まさかね、でも雰囲気なんて…目なんてそっくりだし……しかし、だとしてもこんな事があるとは…今後が楽しみだね…)

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