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HEROES  作者: 工藤カズナリ
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Daily 6 〜学質〜

ゴールデンウイークも終わり、普段の生活に戻った学校、所々ではやはり話題が様々、遊びやら何やら。


「結局ボーリングもしたおかげで、絶賛筋肉痛なんですけど!イタタ…」


「やろうって言い出したの麻実でしょ!?自業自得」


「ま、あいつらに勝ったゲームもあるから、それは良かったかなー」


「聞こえてるぞ!女子相手だからなー手加減してやらないとなーって」


「康之、さすがにお前はちょっとダサかったぞ」


「いやーまあね、また今度ちゃんとなー!リベンジだー!」


「どうだか…美愛は頑張ってたよね!…んっ?あれ」


「美愛は今も頑張ってるみたいだよ」


「えっ美愛何してるの?こんな時にノートの写しー?」


「復習だよー復習!ちょっと今回やばそうだから…」


「確かにーちょっと遊び過ぎちゃったかなーって、私もやらないと」


「ふみかまでどうしたのさーほら、男子諸君を見よ!」


二人は男子三人を見てふとため息。


「余裕なんじゃないの、ね」


「試験三日前に詰め込むのかなーあははー…」


「えっあれっテストだっけ?え?…」


終わったような顔を浮かべる麻実。

「何で言ってくれないんだよ!修一!お前ちょっと出来るからって…」


「忘れてる奴いるのかなーって思ってさ、まさか目の前に数人いたとは…」


「えー試験いつだっけ?今週!?」


「木、金だ、日程ちゃんと配られたろ」


「まさかあんた達、本当に三日前に詰め込む羽目になるとはね」


「やばいよー!ねぇ女子同士協力しよー教えてよー」


「ひたすら復習、はい!」


「んー…はーい、男子どうすんのー…修一頼み?」


「俺だけじゃ無理、むしろ教えてほしい」


こんな中ひたすら何かを考えている奴が…おっ!何か閃いたようだ。


「そうだ!よーし…ちょっと行ってくる!」


「どうしたのかねー誰かに頼むのか…さあ続き続きっと」

英輔はあの人のクラスへ行っていた。


「はーやーとーくん!おっやっぱ勉強してるなー!」


「誰かと思ったら…てかまだその言われ方慣れないんだけど」


「まあまあ!ところでさ、お願いがあるんだけど…」


ニヤついている英輔の顔に、少し怪しむ前島、改めて隼人。

「断る」


「えー!そんな事言わないでさー頼むよー、頭が良いことくらい見た感じで分かるんだからなーっ」


「見た感じって…別に良くないよ、普通だ普通」


「標準学力テストの上位メンバー貼り出されてた時、載ってたようなーようなー」


「よく憶えてるな…その記憶力、勉強に活かしたらどうだ」


「ってことでお願い!お願いしますよー隼人先生ー」


「ふーん…わかったよ、だけどやるからには真面目にやれよ」


喜びが止まらない英輔、隼人はトップ10に入る優等生でもあることを知っていたようだ。

「各自しっかり励むように!難しくしてあるからなー!」


感嘆の声が飛び交う、テスト週間は部活動は禁止、勉強に取り組むことになる、そしてその日の放課後。


「へー、いつもこんな所で勉強してるんだなー」


「部屋の静かさとは違って、ここのほうが何か集中出来るんだよ」


二人がやってきたのは大きな図書館のフリースペース、亜星の生徒が他にも見られる。


「さてと…何からやる?得意教科は確実に稼ぐためにしっかりやらないと」


「得意なのとかないんだけど…」


「…とりあえずノートの整理から始めたらどうだ?」


「見せてくだしゃい」


習慣づいてない英輔に少々呆れ顔な隼人、よく入学出来たものだ。


日が落ちてきた頃、徐々に素が出始めた。


「だめだ、本当に勉強出来てるかわからん、問題もわからん」


「授業中にやることだよ、まあ仕方ないわな…トイレ行ってくる」


(はあ…あーやっぱちゃんと勉強すれば良かったなー)


「あれっ英輔!?何やってんだ?」


やはり生徒が集まると言えども、勉強気分の奴らも来るらしい。


「お前ら!何だ結局勉強しに来たのかよ!」


「さすがにな…何だ一人…じゃないのか…誰と来てるんだ?」


「あっいやーそれはーまあー…俺の先生とだな!」


「はいー!?…あの頼みにでも行ってた人か?」


「だってよー、俺一人でとか無理に決まってんじゃん」


「確かに…あ、そういや麻実達も来てたぞ、向こうで勉強してた」


「ふーん、みんな来てるのかー…同じ考えなんだな」


「何ならみんなでやるか!?それもありじゃねーか?…あれっ」


「あっこの間はどうも、二人も勉強をしに?」


「って隼人!普通に言うな!ばれてるわ!」


「何だ先生って前島君か!…確かに先生かもな…」


「前島君、俺の英文法プリントの要点チェックしてほしいんだけど」


「了解です、森岡君後で一緒に数学の答え合わせを」


「ちょいちょいちょい!お前ら急に勉強し出すなよ!」


完全に置いていかれた二人、どうしようもないものだ。


「んっ?…なんだー、どうしたー?」


康之に電話がきたようだ、まあおそらくあいつだろうけど…。


「今?ああー、英輔もいたから一緒にいるよ、うん、あと前島君も」


電話越しに奇声が若干聞こえる。


「教えてもらってたんだと、うーんだよなー英輔…こいつはー」


(しょうがないだろー…てかやっぱみんな隼人が頭良いの知ってんのかな?)


「はーい了解、では……三人ともこっち来るってよ」


「結局全員集まるんだなー…ふぅ」

「ったくー、前島君いるなら言ってよねー!みんなも教えてもらいたいんだから」


急に肩をトントンされびっくりするふみか、不意打ちにも程かある。


「そっそうだよー!うん、前島君が頭良いことは確かだし…ね?」


「皆さん過大評価し過ぎです、そうでもないですよ」


「とりあえずさーここだとこの人数で勉強は無理じゃね?」


頭に思い浮かべようとする奴らと、隼人との勉強を逃した落ち込み気味のバカ一人。


「勉強会…的なこととか」


「美愛?…それいい!!うん、明日場所変えてみんなで勉強会しようよー!」


「なるほどねー…でもするとしても何処でやるの?他に集中出来る所あるかなー?」


「おっそれなら俺に良い提案というか、良い所があるぞー!ふふーん」


不敵な笑みを英輔に向ける康之、英輔は嫌な予感しかしなかった。

「ちょっと待て!急だし大人数すぎる!しかも全員しょうがなく了承すな!」


「だってそういう事聞くとさーまあいいかなーって思うじゃん、女子陣はみんな初だし」


「じゃあお邪魔させて頂くかな」


「隼人はいいけどさー…ってそんな睨みつけるような顔するなよー!あー女子がいると嬉しいなーあははー」


「じゃあ明日みんなで行きますぞー!」


「もう…あー何で俺の部屋なんだよ…(ちょっと片付けないとなー…あっ掃除!…)」


部屋の整理に集中してしまい、勉強に集中することを忘れてしまった英輔であった。


「あっそういえば言い忘れてたけど、英輔が持ってるのコントローラー二個しか無かったよーな」


「えー四人対戦出来ないじゃん!英輔買ってこーい!」


「お前ら!ゲームしに来るんじゃねーぞ!」

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