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HEROES  作者: 工藤カズナリ
30/34

Daily 30 〜甘辛〜

「まあそれにしても…さすがにそれは、二人とも驚くわなー…中学で行き別れた同級生が、また同じクラスに転校してくるんだもんなー、自分に立場かえたらそりゃーいきなり知り合いとも言えないし、ああなるわけだわな……でも何かよー篠原の呼び方が気になるんだよなー…ありゃー何かないと普通言えないよーな…ほらやっぱ西園寺みたいになると思うし!…まあ、その本人はもうその呼び方、諦めたというか言えないのか…普通に松野君になってるし……しかし、もう篠原もクラスに馴染め始めてるし、良かったよかったーこれから楽しくなりそうだな!」


「まあ…うん、あーわざわざダイジェスト的な感じでどうも、それよりー…うちも呼んであげよっかー?…康くんって」


「……さすがに違和感ありまくりだからやめてくれ、何か違う」


「ったくー照れちゃってー、せっかく呼んであげるのにさー」


「…あの二人、本当に仲良いんだね、あの感じよく見るなーって思って」


「いつもあんな感じだよ、ただ戯れてるだけだから気にしなーい」


「そういうこと…もはや付き合ってるみたいなもんだからなー!…まだ途中なだけでって」


「あれっ?英ちゃんいつの間に、おはよ、あっそうそう……ふふ…はいこーれ!」


「ん?何これ?何か俺に合わなそうな袋?なんだけど…中に何か……」


「あー!ストップ!…家に帰るまで、ぜーったい中身見ちゃダメだからね!いーい!?」


「えー…何ちょっと…ゴソゴソしてるな…まさか怪しい物でも入ってんのかー俺にそんな物預けられてもよー!」


「いいから!…黙って持ち帰りなさい!…ねっ?」


「……まあしょうがねーなー……んー…やっぱりゴソゴソしてる」


莉紗は女子二人に目を合わせ、何か合図をとっていたそうだ。

放課後、英輔が部活に向かおうとすると、ちょうどよく隼人がいた。


「隼人ー!今日もガンバッぞー!…ん?なんだその袋?…あれっ何か俺のと似た系統だな…」


「ん?ああこれは、ふみかさんから頂いたんだ、良いものだから大切にしないとさ」


「良いもの?…(怪しい物じゃ…)…ふみかのやつ、プレゼント的なことするんだなー…こりゃーまたイジリ項目が出来たなー」


「…とか言ってる英輔こそ、ちゃんと貰ってるじゃんか、その紙袋」


「これは莉紗から貰ったわ、何か家帰るまで中身見るなだと…ったくゴソゴソしてるし、怪しい物とかだったら…いきなり何か飛び出したりよー!…」


「びっくり箱じゃあるまいし…転校生の方の…まあ、そうじゃないといいな…(まさか…あれだってことわかってないのか?…ははっまさかな)


そして部室に到着すると、いきなり部員に言われる。


「なっまっ松野…その…それは何だー!…何でこんな奴があー!」


「えっちょっとーみんなどうしたー!?…これはクラスの子から貰ったけど…」


「そんな事は…わかってんだよー!…グスン…はあー…前島…もか…まあこいつはそうだろうな」


「おいおい…さすがにそこは少し言ってくれよ…」


「…あー!ちょっお前らあれを…海堂さんの…やっぱり格が違うなー…」


「…龍悟…それどうすんだ?…持つのも大変なのによ…俺が手伝うはめになるとは…」


「もちろんちゃんと頂くよー、みんなからの気持ちだからね、直隆こそ結構ではないですか」


「先輩それ何すかー!?……凄い荷物の量ですけどー…」


「松野君、あれっ見たらわからない?…松野君も、ちゃんと貰ってるじゃないかー」


(あーやっぱりだわ、こいつ…完全にわかってねーな……すげーやつ…学校の雰囲気でもわからないとは…ダメだこりゃ…)

「あーなるほどー!…そういうことだったんですかー!…俺…すっかり忘れてました……そういえば今日っすね…」


「てめー松野!忘れてただー!?このヤロー!…みんな、こいつ死刑だ、やっちまえ終わりだあー!」


そしてこのまま部活が始まるのだが……いつもより覇気がない一部の部員達。


「館山、ボールを…」


「松野、今度は俺がボール当ててやろーかあー?ハッハッ」


「……ったくあいつら…こんな事でやる気出ねーとは…」


「まあ仕方ないよ、それに松野君は正直だから…実際貰ってる直隆は、彼らの気持ちはわからないさ」


「でもなー…何か向井のやつも地味ーなのがいつも以上に地味ーってしてるしよー」


「ここは…女子パワーが必要かな、どうします?キャプテン」


「…しょうがねーか…もし作ってたら、だけどな………大澤ー!大澤どこだー!?」


香奈はすぐに二人の元へ、違うモノを持って駆けつける。


「高峰先輩ー!大丈夫ですかー!?どこですかーどこなんですかー!?」


「…いやっそうじゃなくてよ、とりあえず落ち着け、話を聞け」


「えっあーじゃあ海堂先輩ですかー!?大丈夫ですかー!?」


「…あっ僕も大丈夫だよ、ちょっとお話を…とりあえず救急箱を置いて、ははは」


そして三人はある話をする、まあもちろんそういうことだが…。


「はい!もちろんですよー!…一応作ってきたんです、私にもこれくらいなら出来るかなーって…」


「…的中、それは良かったわ、とりあえず後で頼むな」


「ありがとね大澤さん、これで少しはみんなやる気になるかな」

「よーし…休憩!全員集合!…監督来る前にしとかねーとよ…」


そして三人は話を発表し、香奈はみんなにあれを配る。


「うひゃーマジかー!ありがとー!やっぱ女子マネいてよかった…感動した!…大澤最高だー!」


「うおーうめぇ…これで俺らも仲間入りだぞー!わー!」


「…同じマネージャーとして、ありがたき幸せです…」


「ふー意外と単純なやつらでよかったわ…」


二人は一安心、英輔と隼人も美味しく頂いているようだ。


「…あれっ直隆、食べないの?…じゃあ僕がお先に……うわー凄い美味しい!」


「……まあ後で食べるよ、先にあいつらからな」


「ふーん…食べるのもったいないからじゃなくて?ふっ」


「……うるせー、さあ再開だ再開!……大澤もだ」「…はい!」


「……あっ心配はご無用、大丈夫だよ大澤さん、多分一人で食べたいだけだから」

そしてそのまま部活が終わり、帰路に着いていると…。


「先輩大丈夫かなー…あの量、一人で持ち帰るのって…」


「いい筋トレになるって言ってたけどな、おかげで後半の練習、何か凄かったからな…監督が驚いてたぞ、お前ら今日どうしたんだ!?って」


「香奈ちゃんのおかげだよなー、すげー美味しかったし……あれっ?そんな話のところに香奈ちゃん」


「あっあー英輔君に前島君!…おっお疲れ様ー!…今日は凄かったねー…あはは…」


「確かにねー!香奈ちゃんのおかげだよーなあ隼人!?」


「ああ、それに大澤さんがマネージャーになってから、チームの雰囲気も練習効率も変わってる、凄い嬉しい事だと思うし」


すると隼人、ふとある物が目に入る、そしてそこから大人の対応をした。


「二人とも褒め過ぎだよー…私まだまだ何もしてないのにー…でもありがと…」


「………英輔、悪いけどちょっと用事あるから、先に帰るわ…じゃ!二人とも明日!…」


「えっおーい!…急になんだよー…まさかこれから、ふみかにでも会うのかー?」


(前島君もしかして…ありがとうございます…)


(…あれはなー…あんな紙袋持ち歩かれたら、さすがに邪魔は出来ねーわな)


「あれっ?香奈ちゃんも俺と似たような袋お持ちで……ってことはもしかして…」


「えっあーそっそのこれはその…えーっと…これは…」


「香奈ちゃんも貰ったんだー!凄いじゃーん!…ん?でも男子があげるの一ヶ月後?くらいだっけか、あー!じゃあ女子から…友チョコってやつだよねー」


「…あーれー…いやーそのそうじゃなくて…私の友チョコはバックの中にあって…ってそんな事はどうでもよくて…これはその…なんというか…」


「香奈ちゃーん?大丈夫ー?……帰り道こっちだよー!…」「あっ!…」


そして香奈が駆け寄る、決心がついたのか…。


「その…これは!…英輔君にあげようとしてたものであって……はい!…バレンタインです!」


「…えー俺に!?…ありがと!…いやー今年、何か貰ってるなー…あははー…」


「どっとうかしたの?…嫌だったかな…」


「…いやっそうじゃなくて…中身見ていいかなーって…(もう怪しいものではないことはわかってるからな!)」


「うんうん!…よかったら一つ食べてみてほしいな…おっ美味しくなかったら全然いいから!……うん、あれっ」


「何かすげー!……じゃあいただきまーす……んっ!?」


「えっ!合わなかったかなー…」


「んー……っまい!めっちゃうまいよー!この甘さ一番好きなんだよなー」


「ほっホント!?…よかったー……ほー…」


「うまいなー…こりゃー家帰って食べるの楽しみだよ!……ん?家帰って食べる?……(あれっ?ありゃ…あっ)…ああー!」


すると英輔、来た道を戻ろうとする。


「英輔君、どうしたのー!?…」


「香奈ちゃん!俺忘れ物したー!だから先に帰っててー!……あっこれありがとね!…」


「あっ……(英輔君…まあ明日ね…エヘヘ、渡せてよかったー…)」

そして英輔は家に帰宅、忘れ物はちゃんとあったようだ。


(ふー……忘れるところしたわ…まっ今年は食べる量が増えそうだなあー!…)


「おかえりなさい、あっそうそう英輔…はい、バレンタインよー」


「あれっ…ありがと母さん、ちなみに今年なこんな感じだぜい」


「あらっ珍しい、誰から貰ったのかしらねー…」


「別にそんなんじゃないよ、マネージャーの子、そうそうこの間みんな来た中の香奈ちゃんだよ!…あとはクラスの子からかな」


「あらー…ずいぶん立派なものだこと…まあ大切に頂くのよ」


そして英輔はそれぞれの中身を確認し始める。


(えっーと…まあ母さんのは後でいっか、とりあえず香奈ちゃんのはうまかったなー!…もう一個食べちゃお…)


「英輔ー、チョコ食べるの、ご飯食べ終わってからにしなさいよー」


(おうふっ…まっまあ一つだけな……うん、やっぱ美味しい……よし、さてと…莉紗のを見ますか……やっぱゴソゴソしてるなー…ホントにチョコなのかー?…)


中身を見てみるとそこには…いろいろなものが…。


(えっ!…何だこれ…あれっこれって…もしかしてみんなも…わざわざこうやって入れなくてもなー……全員に返さないといけないわな…ありがとさん…)


(あの子ったらあんな顔して…そんなに貰えた事が嬉しかったのかしら…こっちも嬉しいわよー)


とりあえず全てを出して、どれが誰かを確認し始める、英輔にとっては今までにない光景である。


(これは…誰だ……おっ麻実か!…普通の感じだな…いただき………!?かっ辛ー!…なんだこれ中に…少し何か…これわさびか!…あのやろー!…口直し口直し…はあー香奈ちゃんの美味いー……もう一個は大丈夫だよ、なー……あらっ普通のチョコだな、何このハズレありますよみたいな感じ……俺も俺で一つ目で当てるとは、ある意味凄いー?……まあ麻実らしいな、次はこれっと……おっ北原も作ってくれたのか!ありがたい……あらー真っ白ー…ホワイトチョコですかい、うん美味い、うん……んでこれは?…おーふみかかー、さすがなのかねー…気を使ってクッキーですか…うんいいね!…一口サイズで美味しいわ、こりゃー隼人のはもっといいので…)


(うわっ!…なっなんだ?急に寒気がしたなー……これも美味いなー…)


(それから…これは西園寺か!……あららー何かデザインの可愛さ…ふむふむ…うわっ!やっぱり西園寺すげー…めっちゃ美味いなこれー…何か食べるのもったいなくなってきたわ、いやーみんな美味しいですわ)


(あらっあの子そんなに良かったのかしら…母さんもいいお店で買ってきたのよー!)


そして最後のものは…一番下に大きくあった。


(えっこれ…もしかして…莉紗がー!?…ずいぶんと大きいな…まあありがたいけどさ……じゃあー…オープンザボックス!…)


英輔は座ってたソファから後ろから落ちた、豪快に。


(はあー!?……目が点になるってこういう時に使うんだよな…だー!何だこの…大きなチョコはー!しかも…何だよこのハートは!…ハッピーバレンタイン英ちゃん、だとー!?…だめだ…あいつ…やっぱ何考えてるかわからん…何しだすかわからん…はは、あーあー…まあ食べないとな…でも何か出して食べずれー!)


(あらっまたあの子、ついに嬉しすぎておかしくなってるわね…)


(…とっとりあえずこやつのは後にしよう…箱ごと冷蔵庫に持っていけば………んっ?あれ何か落ちた…)


落ちたのは小さな白い封筒が…。


「(あれっ…これ何だ…英ちゃんへ、俺にか、まあそうだよな……あれっこれって…)…手紙?」

翌日の朝、学校では昨日を振り返っていた。


「…英輔のやつ、びっくりしてるだろうなー、みんなの分もあるし、うちの特別なチョコもあるし」


「えっ?何ーもしかして英輔のやつに入れたのー?…あいつすぐ当てそう…」


「麻実ったら…松野君、苦手だったらどうするのー?」


「まあ私のホワイトチョコで還元出来るから大丈夫」


「英ちゃん…ちゃんと食べてくれたかなー…」


すると英輔も登校、男子は早くも異変に気付く。


「…どうした、そのどよーんとした変な顔は…シャキッとしろよー!おい…おーい…」


「何ー?…英輔のやつ、また元気ないのー?気分の変わりようが激しいやーつ」


「松野君、体調が悪いんじゃないかな?…大丈夫かなー…」


「……あー康之、大丈夫だ…あんまり寝れなくてよ…ただの睡眠不足だわ」


「…珍しいな、まあ寝るなら今だけど…今日の授業はなかなか寝れないかもな」

そして例の昼休み、そして例のいないパターン。


「あいつ…またいないって事はあそこか?…また西園寺に行かせるのかよー…」


「そうかーしょうがないから美愛だねー…じゃ、美愛ー頼んだ」


「……また私にそうしなーいで!…もう…それに今回は理由が明白じゃないでしょーが!」


「確かに昨日はバレンタインで学校中が賑やかだったのに、そんな時に何かあるかー?」


すると、あの人が気になり始める。


「みんな…あの、あそこってどこなの?…いつもそこに行くの?教えて!」


「あれっ気になるー莉紗ちゃん?あいつの特等席、何なら見に行ってみるといいよ!」


「じゃあ今回は篠原にお願いするか!頼んだー」


「そろそろ二人のどっちかも行ったほうがいいんじゃないのー?」


「実は気になって見に行ったんだよ、よく見つけたなーって感じだわ」


「何かいずれ伝統の場所?になるらしい」


「…わかった!私が行くね!…」


そして例のごとく、莉紗は教えてもらった場所へ…ここだけは案内されていないので困惑。


「すごーい…こんなに広いんだー…(ここに英ちゃんいるのー?………えっ何この通路…)」


「…だからストップ、何回危ないって言えばいいんだよ…どうしたんだー……って…」


「…あっ英ちゃん…ホントにいた、すごーい…」


「……何でいるんだ…おいこら、まああいつらが教えたんだろーけど」


「すごーい…けどさ、寒くないの?」


「いいんだよこれくらい、ここだけは違うからさ」


「とりあえず…話そっか」


あれっこの展開からの終わり方、どこかで…まあ気にしなーい気にしないっと…。

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