表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HEROES  作者: 工藤カズナリ
3/34

Daily 3 〜二人〜

入学から二週間が過ぎ、徐々に学校に馴染み、様々な会話や行動が見受けられる一年生のクラス。


部活動では部員や練習にも馴染んできた男子が一人…。


海堂直伝の練習やトレーニングを含め、チームメイトとの関係も良くなってきたようだ。


そんなある日…朝。

「くそっ!また母さん同じ起こし方しやがってー!…まあ急げば間に合うかー!」


寝坊気味でいつものように遅刻しそうな英輔、自転車で学校へ急ぐ。


(やっぱ先輩のトレーニングのおかげかなー?どんどん走るのが楽になってるし、何より早いー!!)

気のせいである。


そしてコーナーを曲がった直後、直線を進むと…急なブレーキを掛ける、どうした危ないではないか…あっ君はどうして…英輔はやはり止めざるを得なかった。


「んっ!?あっあれ西園寺!?」


「えっあっ松野君!何でー!?びっくりしたー!」


「って何してんのーこんな所で!?」


「なっ何もしてないよー!ただいつも乗る時間じゃないバス乗って、遅刻しそうだから走ってるんでしょー!?」


「あっそうだよなーだよなー…何か俺と同じ状況だなー!」


「もう本当にやばいよー…皆勤賞したかったのにー…」


「ふーむ…珍しいよなー西園寺のこんな感じ」


「どんな感じだよー!…とりあえず諦めない!走る!」


「ちょちょ待てって!…さすがに無理だって!」


「でもー…ほらこうしている内に時間も過ぎてるしー…」


「まあまあ落ち着いて……あっ!!」


するとバカがバカなりの案を思いつく。


「そうだ!にけつしよう!にけつ!!俺のスピードなら間に合う!先生にも上手く言うし!」


「えっ!…でも…いいの?大丈夫かなー…?」


「余裕っしょ!野球部、なめんなよー!」


「あっそうだった!松野君、野球部だった!」


「って忘れてたのかよー!…まあとりあえず後ろに!」


よくしていた青春の醍醐味の一つ、制服でするのがさらに良い感じであったね…さあ果たして間に合うのだろうか…。


「しっかり掴まってろよー!」


「あっうん…危ないからゆっくりね…怖いから…うん。って、えっ、はっ速いってえぇー!!」


すでにスピードをあげた者、スピードで唖然とする者。


「もっとゆっくり!松野君!ゆっくり!」


「このくらいじゃないと間に合わないって!それに下り坂入れば慣れるって!」


「そうだった…この先じゃん!!」


この地域の名物、よく出来た坂である、帰り道大変そうにも見えるが、登下校で道を変えるそうだ、そして美愛の叫び声が大きく住宅街に響く。


「キャアァァーー!!!」


「イヤッホーーウィーー!!」


「松野君!!人もいるし安全運転!!」


颯爽と駆け抜ける二人を乗せた自転車が、間もなく学校へ。


「いやー最高!!風が気持ちイイー!…一種のアトラクションみたいでしょ!」


「ふぅ…もう朝から大変だよー…はあ……!?!?あっ……」


「よっしゃ間に合いそうだなー!良かったなー西園寺!…ん?どした?」


「えっあっ何でもない…ありがと!急ご!」


そして二人はギリギリ到着し、間に合ったのだが…。


「松野ー気持ちは分かるがにけつは危ないしダメだなー」


「先生ー俺は救いの手を差し伸べただけであって…」


「うるさい、お前は何するかわからないからなー…自転車禁止にするぞコラっ」


「そっそれだけは勘弁をー!!すみません!もう猛スピードで登校しません!」


「だからにけつをするなと言ってるんだ!わかったか!って待て松野ー!!」


「ごめんなさーい!!(先生怖いよー…)」


ピンチになると逃げ出す、これは野球には活かさないで頂きたいものだ。

「ふう…何とか逃げ切った…」


「英輔ーまた朝っぱらから何かやらかしたのかー?」


「いやったいした事ではないよっははっ…ふー」


そしてホームルーム後。


「松野君!ちょっと…」


ひそひそと話をし始める二人。


「西園寺、大丈夫だぞ!何故か俺だけのせいになったから!」


「本当にゴメンね…何か私も悪いのに松野君だけ…」


「俺は慣れてるから心配なし!それよりあのアトラクション楽しかったでしょ!?」


「ま、まぁねーあははー…(まったくこの人は…)」


「あとさ…何か結構掴んでたよね…手で」


「そ、そりゃーそうだよ!あれだけスピード出されたら…ちゃんと掴まってないと危ないもん…」


「まあなんだかんださー…下り坂の所とかはそれ以上…密着してたなーなんてなー…」


「えっそんなに…くっついてたかな…」


「うーんどうだろ…腕…回してた時あったような…」


「きっ気のせいじゃないかなーうん!」


「まあそうかー…俺も必死だったし…気のせいかー!」


「うん!…でもありがと!遅刻しなかったし…何か楽しかった!」


一瞬驚きの顔を見せる英輔。


「(ふっ)俺も!久しぶりに後ろに誰か乗せたなーしかも女子を!」


「何だーずいぶん仲良くなってるねーいつの間にー」


例の連中のヤジが入る、こういうことは高校生らしく敏感である。


「あっいや普通の話してただけだよーなー!」


何度も頷く美愛。


「へー、まあ英輔は影で危ないからなー、気を付けなよー美愛」


「んー確かに俺らも知らないことあるからなー」


「誤情報やめーい!ってお前らも仲良くなってるじゃねーかよ!」


「今さら言うなよーみんな友だぜーわーい」


「何か…仲良くなったねみんな…松野君も…ね?」


何度も頷く英輔。


(やっぱ走っててもわかったわー…あの感触…触れるとあんなにいいんだなー…それに西園寺…いい匂いが…)


つい顔が緩むバカと同時に、


(無意識に腕回しちゃってたなー…まあ気付かれてないよねー多分…でも何か…良かったな…)


つい笑顔を見せる美少女は…。


「えっどうかした!?」


「そっちこそ何かニヤケてるよー?」


「いやー俺って運がいいなーって思って」


「遅刻しそうだったのにー?ふふっおかしいなー松野君って」


くすくす笑いをする二人。


「はいはいはい、そこそこ、次の授業の準備は?」


「……やばいっ」


焦って準備をする二人、思いは秘めたままが青春を謳歌する一つの方法、しかし鈍感が過ぎると未来に繋がりは生まれない、何にせよ、この出来事が未来を明るくした時間には変わりない。


若い時代の青春、それが成長する糧となって、君達にとって大きな財産になるだろう、ちょっといい事言ってみた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ