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HEROES  作者: 工藤カズナリ
28/34

Daily 28 〜宅泊〜

「おー康之、やっと降りてきたかー、丁度そろそろお開きにするかーって話してたとこだ」


「ん?…あーうん、麻実…まだ寝てるけど、どうする?…」


「それなら寝かせておきなさい、無理することはないわよー…泊まっても大丈夫だから、うふふ」


「はい…まだ時間はあるし、俺も後片付け手伝います」


「おーサンキュー!…何か西園寺もあの様に、母さんの手伝いしたいらしいからさ」


そしてクリスマスパーティーはお開き!…となったのだが…。


「何だ修一、案外男らしいとこあんじゃん、まあ女子一人の夜道は危ないもんな」


「そう、とりあえず北原送ってくるわ、ふみかは前島君が送るらしい」


「ほーほー…隼人!…しっかりなーおーいー」


「何だそのいつもに増してヘンな顔は…同じ方向だし、さすがに一人は危ないからね」


「ありがとね……あーとりあえず、麻実のこと頼みましたわ、まあ康之が何とかしてくれるでしょ…ママさんすみません、お先に失礼しちゃって…」


「大丈夫よー、ちゃんと手伝ってくれたし、美愛ちゃんもいるから、ねー」


「ふみかはとりあえず帰らないとーふふん」


「とりあえず英輔、香奈ちゃんはお前が見送ってやれよ」


「えっ!…あーでも私一人で大丈夫だよー?…あはは駅までだしそんなにねー」


「そうだな!…よしちょっと送ってくるわー頼みましたー」

六人でとりあえず帰路を歩いていく、みんな方向は途中で分かれる。


「…北原がこっちらしいから、ここでだな」「森岡…サンキュ」


「じゃあなー!………あいつら…何かイイ感じに見えねーか?」


「確かに後ろ姿は様になってる、どうなんだろーねー」


「お前ら二人も…充分様になってるけどなー!?…だろー隼人君?」


「…ま、まあそりゃーそうだろうな、ふみかさんの後ろ姿凄い良いからな」


「そんなこと…ないってばー……英輔!隼人君が良いからそうなるんだよね!?」


「……はいはいヘイヘイ、どっちでもいいですよーはい」


そして二人とも別れ、駅方向へ…。


「前島君とふみかちゃんって……付き合ってるのかな?…」


「さあー…でもデートもしてるらしいし、既に付き合ってるのかもしれないね」


「そっかー……何かいいなー…ああいうの…」


「えっ?……香奈ちゃんはああいう恋愛したいの?…(みんなそうなんだなー…)」


「わっ私はその……(英輔君と…なんて言えないよー!わー!…)」


「香奈ちゃん大丈夫?…前見て歩かないと危ないよ、ドジなとこが出てしまうぞー」


「そんな事ない!普通だと思います………ぎゃ!…痛ー…」


「だから言ったのに、電柱にぶつかる人初めて見たよ、あっ血がドバドバ出てる」


「わざと言ってるでしょー!?でも何かここが痛い、でも大丈夫!」


(香奈ちゃんっぽいところが、こういう所なんだろうな…)


(充分楽しい…これでいいよね…うふふ…)


「んっ!?……うわっと!……あの車危ねえなー……ここ車よく通るから気を付けないとね…!?」


二人の身体は密着していた。


「英輔…君……あっゴメンね……(美愛ちゃんーやっぱり無理ですー!…)」


「あっ…大丈夫だよ、それに何か風も冷たいしさ…寒くない?」


「あっはい……大丈夫ですー…」


そうして二人は駅付近に到着。


「…じゃあ香奈ちゃん、また部活でね!風邪引かないように」


「…うん、またね…(まだまだこれから!よし!)」


香奈は美愛から言われたことを思い出しながら、英輔に笑顔で手を振った、英輔も振り返す。


(そうだよね…私も立派にならないと…そう決めたから…もし…そうなったら……英輔君に告白しよう…)

英輔が自宅に戻ると、何やら慌ただしくなっていた。


「何だー?…おっ麻実起きたのか、どうしたんだー?」


「二人、泊まるんだと、まあ一応俺もって事で…ママさんもOKだと」


「母さんマジかよ!?…大丈夫なの?」


「あらー仕方ないじゃなーい、美愛ちゃんが急に迎え来られなくなったらしいのよ…さあ英輔、いろいろ準備しましょ」


「わーいわーい美愛とお泊まりー!……お姉さまがいろいろ教えちゃうぞーう、うへへ」


「はあ…もう…何か急にゴメンね、まったくお姉ちゃんのせいで…」


「あれっ千薫さんがか…まあいいよ、じゃあ康之、布団とか準備するの手伝ってくれ」


「そうだ美愛ちゃん麻実ちゃん、私とあれを買いに行くわよー、お風呂も入らないとダメでしょー」


「えっホントですかー!?やったー!美愛行くよー!」


「何か母さん機嫌がいいな…やっぱ普段、こんなに賑やかなことないもんな…」

そして事を済ませた男二人は…何やら談笑…ではなく。


「なるほど…降りてくるの遅かったの、そういう事なのか…へー何かスゲー」


「関心してる場合じゃねーよ…とりあえずこれはシーっで…俺もどうすりゃいいかわからねーんだから…」


「…ゆっくりでいいだろ、別に今すぐなんて誰も言ってないし、みんなも静かに見守るさ」


「とりあえず気まずくならない感じにはするよ、おっ帰ってきたみたいだな…くれぐれもホントにナイショだからな」


「あら、英輔準備したのかしら?……そう、じゃあ後は…二人の寝巻ねー…いらっしゃーい」


「ママさん、何か楽しそうだな…すげー若いな」

「よし、風呂オーケーっと……タオルここに置いといたよー!……じゃあみんなお先にどうぞ」


「よーし…じゃあうちと美愛がおっ先ー!」「えー!!」


「もうー、そんな顔しないでさー…一緒に入ろうよー!女同士!…二人で体洗いっこしようよーう」


「えー麻実……絶対変なコトしてくるもん!…もう顔に出てるし!……あーもう引っ張るなー!…」


「はは…あいつただのエロオヤジだな…はは…スゲーやつだな、康之」「俺に聞くな」


すると二人がお風呂に行くと同時に、英輔の母が康之に尋ねる。


「…正直、いいと思うわよ彼女、康之君に合ってるわ」


「えっいやっ…別に彼女とかではなくて……って何でママさんそれを…」


「……ふふっただの女の勘よー、仲良くね」「…はい」

そして二人の声が聞こえてきた、どうやらあがったようだ。


「お風呂よかったー、スッキリーしたー」


「なっ何その格好!?……えっもしかして母さん、こんなの着てんの…」


「あら失礼ね、最近はこういうパジャマが流行りなのよねー」


「そうです、ママさんさすがですー絶対似合いますよね」


(年齢的に厳しいと思うんだけど…知らなかったわ…)


「じゃあ俺先行くわ、男二人ではキツイものがあるからな」


「当たり前だわボケ!あのスウェット着てこいよ」

「くっくっく…やっぱスウェット似合いすぎ…普段着にしか見えねーよ」


「お前らな…笑いすぎだ!これ一番いいんだぞゴラ!


「じゃあ俺も入ってくるわ、飲み物冷蔵庫にあるぞー」


「………私…お茶とってこよーっと…」


ソファからきた美愛に母から静かに一言。


「美愛ちゃん…賢い女になることもわかってるのねー」「…えっ?…」


「……耳かして」「えっなっ何?」


「…さっきまでの、秘密だからね、うちがああいう事言ったりしたことも…」「…心配すんな」

「ふーいい湯だったぜー…さてとコーヒー牛乳…」


「…まっ松野君!何で上…何も着てないのさ!…着てよ!」


「あっ…ついついいつも通りの状態で…ほら、一応タオルで隠せてはあるでしょ」


「そっそういう問題じゃない!…麻実もそう思うでしょ?…ん?」


「ほー……英輔…案外いい体してんだね、ちょっとビックリ…」


「確かに前よりガタイも良くなってんな、制服だと気付かないしよ」


「…うーんやっぱ野球し始めたのが大きいよ、変化してる感じはする……西園寺、これでいい?」


「うん……まあ松野君、頑張ってる証拠だね」


「だといいなー……ん?何かいい匂いが……あっ西園寺の髪ー!」


「えっ多分シャンプーだと思うけど…そんなにかな?」


「イイ感じだわな英輔、いつもの西園寺とは違う雰囲気ってやつだ」


「うん、学校の西園寺より何かポッってなってるし、いい感じで可愛い!」


「だっだから…お風呂上がりの効果だってば…普通な感じ!」


麻実が母とこれを見て話をしていた。


「英輔ったら…あんなにストレートに言うのかしら…女心わかってるのかしらねー…それとも、美愛ちゃんのこと好きなのかしら?」


「あーそれはないんですよねー…あいつ自信のあることだったら、何でも素直に言っちゃうんですよねー…美愛のほうはどうかはわからないですけど、あれだと勘違いさせちゃうかもしれないですね…まあでもそれはそれでいいと思います、それが英輔の一番いいとこだって事、みんなも分かってますから!優しさも含めて、憎めない奴なんで………こらー!うちだっていい匂いするでしょー!?…」


(そうね…私ったら…ね…あなた……英輔は、いつの間にか…心からも成長していますよ…)

四人は事を済ませて就寝の時間に…ん?あれ何か眠い…。


「英輔のやつ…真っ先に自分のベッドで寝やがって…一番大きいのによー」


「じゃあ橋本君が隣に…ってのもありじゃない?」


「俺はこっち、じゃないから…まあ仕方ないからこの一人用で、二人はこの大きい方の布団で…」


「ぐふふ…美愛と一緒に寝れるーん…」「またエロオヤジ」


「あーでも西園寺、そこ気をつけろよー、落下物注意、じゃあ電気消すぞー…」


「えっちょっと…落下物って…」


「美愛ー美愛ー…うふふん…」

数分後、美愛も少しずつウトウトと…ところが…。


(眠くなってきたかも…麻実ったらーはあ……そういえばさっきの落下物ってなん…!?…)


突如、とてつもない大きな悲鳴が部屋に響き、さすがに起き上がる他二人、パチッ。


「なっ!なんだなんだ!?どうしたー!?」


「あれっ美愛でしょ大丈夫ー!?…んっ顔抑えてるけど…えっもしかしてこのボール?」


「…わかんないけど…急に何か顔の真ん中にぶつかった…イタイ…」


「…あーやっぱり落下物、英輔のボールだ、しかも硬球のだから痛いよな…」


「んー…あれ…どうしたんだーあ…寝ないのかー……ムニャムニャ…」


「んー……松野君!何でここにボールがあるの!…ホントにビックリしたし痛い……あらっ」


「…あっ俺のボール…これ大事……オヤスー……スー…」


「えっちょー…イタタ…橋本君、また落下したりするの…?」


「まあ…ベッド大きい分、ほれ、色んな物置いてあるし、ボールあるし…何個かは落ちてる時あったな…」


「えー……うーん…じゃあさー麻実ー場所変わってよー…」「やだ」「橋本君…」「さすがに俺も…」


「むー……これじゃあ寝れないよー…むー…」


「そうだー……せっかくベッド大きいんだし…美愛もベッドで寝たらいいんじゃなーいん?」


「!?…ダメだよ!…だって…松野君の邪魔になっちゃうし…」


「大丈夫だってー!…一泊するくらいなら、隣でもいいじゃんかー…なにー、隣で寝れない特別な理由でもあるのかなーん?(ぐへへー)」(こいつはまったく…)


「………わかったよー……別に大丈夫だよ!…うん!…じゃあ寝ましょー!…」


再び三人は就寝、のはずが…やはり…数分後。


「松野くーん…入るねー……たくー二人も一緒に寝ちゃえばいいのにーい…」


美愛はさすがに背を向け、小さなスペースで小さく寝ている…すると…。


「んー……誰ー……あれー西園寺ー?…」


「あっそのこれはね…落下物避ける為に仕方なく……ん?」


「それだけだったら寒いでしょ……言ってくれればいいのに…」


英輔はさりげなーくスペースを空け、毛布をたくさんかける。


「そんな大丈夫だよ!…少しでも全然…ヘクチッ!……んっでもありがと…あれっ松野君?……寝てる?…」

チュンチュンチュン、爽やかな朝、あの二人は先に目覚めていた。


「今日もいい天気だな…それにしても二人…起こすか?」


「えーどうしようかー…何かあまりにも新鮮な画だしさー…美愛ったらなんだかんだでこんな感じだし」


「まあ…寝てる間なら自然に近づいてるのも無理ねーだろ、やはり人間だもの」


「そうだね、一応美愛が自然に目覚めて、自分で驚くまでこのままにしておきますか…」


「ふん……それより麻実…俺起きた時、何でまた隣で寝てたんだよ…」


「さあー…ぬくもり欲しかったんじゃないのー?…一泊するくらいなら隣でも、いいでしょ?」


「まあ…寝にくくは無かったからいいよ…昨日みたいに変なことしてないならな」


そして二人は一階へ、すると朝ごはんがあり…。


「…これ、ママさん作ってくれたんだー!…ありがとうございます…」


「多分ママさん、集会に行ったんだろうな、ちゃんと洗い物くらいはしていかないと…」


「そうしよ!…いい感じにしてさー」


その途端、二階からまたとてつもない大きな女の子の叫び声が、一階まで聞こえてきたそうだ。


「おほほ、気づいたのかねーん美愛、ドキドキー…あー!って感じか」


「麻実の悪ふざけ?…他人目線で見ると面白いわ」


「……イッテーー!!…何だよなんだー!?…」

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