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HEROES  作者: 工藤カズナリ
22/34

Daily 22 〜逃走〜

ゲームは後半戦に突入、そして逃走者の数が減っていく…さあ英輔は残れるかな…。


(結構しんどいなー…でもこのままいくぞー!……そろそろ何か起きそうだな…)


その予感は的中、アナウンスだ…英輔は運良く校舎内にいた。


「諸君頑張っているかー?さあ私から通知だ、ハイ、ミッションその二、亜星ハンターを屋上に五体設置、残り15分になると放出される…」


数の多さに驚く逃走者達、終盤に近づく程よくある。


「阻止するには…まず、カードが各部室に置いてある、それに記載されている条件の人、または物を探してもらう、その要項を確認してもらう先生が、関係する教室にいるからよーくそれも探すんだ!好みもあるから気をつけること…そして書名を貰い次第、その書類に自らの名前も記入し生徒会室へ行き提出する、なお条件が人の場合は…一枚ではないので注意すること!…このミッションも過半数以上が条件だ、さあ頑張れ!」

「英輔、聞いたか!?五体はやばいぞ!」


「あっああまあな…いつの間に元気になったんだ康之…」


「まあそれは気にするな、それにしても現在残り八人らしいから八対八は無理だぞ!…まあそういうこった」


カードの中身によって変わってくる今回のミッション、逃走者の的確な判断と時間の使い方、そして頭の使い所が命運を分けそうだ…しかし動きどころでの亜星ハンターは、非常に困難な相手となる。


(ここから近いのは茶道部かな?……んーん!?あっこれかー!)


英輔が見つけたカードの内容は面白いものだった。


「はっはいー!?(ちょっと待て、何だこれ…こんな細かい条件って…うーん難しい…)

「なんだかんだ英輔残ってるよね、あいつ根性見せてんじゃん」


「クラスの為なのか自分の為なのか…二つ目のミッション出来るのかねー」


「まあ松野君一人だけじゃ出来ないから、みんなでなんだよね、頑張ってほしいね」


するとクラスの目の前に…逃走者、現る。


「西園寺ー!!頼む協力してくれ!」


すると歓迎?される逃走者、代表が残っている事に、少し期待が増してきたのだろう。


「えー!わっ私!?何で何で!?…もしかしてカードに関係してるの?…」


「そうそう!多分そうかなーって思ったら……うん間違いない!とりあえず判断してもらいに行こう!…ほらこれ!」


内容を見た美愛は……あれっその顔は…納得していないのか、何故だ。


「松野君……もー!違うでしょ!上から三つは…何故か合ってるけど…最後は違うってば!」


「おーマジか!合ってるなら話は早い!一緒に来てくれ!」


「話を聞きなさい!違うからやだ!……違うもん…またそうやってさー…前もそうだったけど……あっ!!後ろ!後ろ!!」


「うわっ!隠れさせてくれ!………ナイス西園寺」


ここも上手く隠れたようだ…まさに神出鬼没である。


「とりあえずさー行って来たらー?ほら!時間も無くなってきてるし!」


「まあ、実際全然大丈夫だと思うし」


「もー…麻実もふみかも…むー仕方ないなー…」

「とりあえず慎重に行くぞ!…この条件で見られるとしたら、どこかな?」


「さあー…しーらない、最後のなんて誰も判断してくれないと思いますけどー」


「大丈夫だって!すぐ浮かんだのが西園寺だったから、間違いないはずだ!」


「えっ…なっ何で他の人が浮かばないのさー…本当に違うって言われても知らないんだから」


「とりあえず、器具がありそうな保健室でも行ってみますか…でもゆっくりだぞ!」

そして保健室で美愛を判断してもらった結果…。


「えっ!?」


「合格ね、全部ぴったんこだなんて、この時間には早いわね」


「やっぱそうですよねー!すぐ浮かんだんですよ!まあ本人は最後が違うってずっと言ってるんですけどね…」


「へー何言ってるのかしら、判断する必要もなかったわよ、先生にもこの顔のパーツ、少しは欲しかったなーなんて」


書名をもらい生徒会室へ向かった二人。


「まあ西園寺、そういうことだ、自信持たないと逆にいろいろ言われちゃうぞー!」


「はいはい…私は160センチのセミロングで足が23.5センチの……やっぱり最後違う!」


「美少女ですよーって言わないのかよ!……あっこっち!ハンターいる!」


「私は見つかってもいいのに…でも何か…ありがとう…今も引っ張ってくれたし」


「あっ思わず手が…んとんと俺の書名しないと…あれっそうだ!書くものがなーい!…そうなると意外に時間がなーい!」


「もう…話し込んでるからだよ…協力者として、ちゃんと内容聞いててよかった、はいボールペン」


「わーサンキュー!……これでよし!…あれっあと何か忘れてる気が…」


「…一応私は人だからね!…一枚じゃないって、人数分必要ってことでしょ?…じゃあどうしたらいい?」


「…そうか!コピーだ!職員室空いてたからなー!……いやー姉さん、頼りになりやすー」


「お姉さんの言うことは何でも聞かないとねー!ふふん」


「こんな可愛いお姉さん見たことないし、見た感じは立派な高一の……」


「うわっ!何ー!?…これって美愛の声ー!?…」


英輔、言い過ぎは禁物だ。

「はい!確認OKです!ミッションクリアです!」


「よし!まあまあ時間はあったな、残り二十分…全体はどうなってんだろ」


過半数を超え、何とかクリアとなり残りは五人、対する亜星ハンターは三体のまま、勝負はいよいよクライマックスだ!…。


「それより先程の怒声は君の連れかい?」


「あっ…いえ怒声ではないです!気にしないでくださーい、あははー…」


「おかえり美愛ー、どうしたのあれ…」


「何でもない!松野君が悪いの!…でっでもとりあえずここまできたから応援してあげようよ…」


(西園寺、ちゃんと逃げ切るからなー!…それにしてもあの声で見つかりそうになったからなー…時間的にも広いとこ行こう…)


一方、まだ残っていた海堂、何やら自信があるようだ。


(ここまできたらクラスのみんなと祝杯をあげよう…しかし時間的にタイムの早い陸上部員を使ってきそうだね…)


海堂の予想が当たり、トップ3の部員を各エリアに配置してきた。


「さすがにこの時間だと、もううちらが協力するミッションはないよねー、あとは英輔次第」


「おい!誰か追いかけられてるぞ!まさか…」


「あーいや、あれは英輔ではないな、それにしても陸上部の早さ増してないか?」


すると、アナウンスだ…またもや教頭かと思いきや校長の声である。


「まだまだクラスの皆さんは是非応援を、そして残りは四人、三年生一人、二年生二人、一年生一人、さあ…亜星の本気を見せてください」


「一年生一人って…英輔なのかなー?だとしたら凄いけど」


「さっきまで美愛と一緒にいた訳だし、可能性は大ね」


それを思って康之は英輔に電話をかける。


「英輔、まだ大丈夫か?残り四人で一年生一人だってよ!」


「まあ…何とかな…じゃあ一年生は俺だけだ」


「うおー!やっぱりか!…みんな!一年生の一人英輔だってよ!」


それと同時にクラスが盛り上がり始めた、電話越しにも聞こえるようだ。


「みんなありがと…今広めに見る為にグラウンドの影にいるんだ、ここから遠目だけどクラスも見える」


「よし、頑張れ!みんなも応援してるぞ!」


一年生の他クラスは、英輔のクラスの盛り上がりに気付いたのか、少々落ち込み気味…。


(英輔、まだ残ってるんだな…あいつ、こういう時は凄いんだよな…まあ俺も応援しよう)

「さあ残り五分、残っているのは…あと二人、二年生一人、一年生一人、三年生は残念だ…よく頑張った」


「英輔まだ残ってやがる!…それにしても二年生のもう一人って誰だ?」


「そういえば海堂先輩も出てたよねー、まさか…何かあり得るかも」


英輔にあの人から電話がかかってきた。


「松野君、どうだい?二人というのは、もしかしてと思ってね」


「先輩…どうやら俺と先輩だけみたいっすね!ここまできたら逃げ切りましょう!」


「もちろん、あとは健闘を……くそっきた!ごめん!」


「えっ先輩!?もしもーし…まさか見つかったのかな…俺もやばいぞ…」


「あー!あれ!先輩だよやっぱ!逃げてー頑張れー!」


「龍悟のやつまだいたのかよ!…あと三分だぞ、踏ん張れ!…」


陸上部も本気である、そして遠くかすかに叫び声が聞こえた気がした…。

「さあ、いよいよあとわずか、あと一人となりましたが、生徒の皆さんは全員で応援しましょう」


残り一分、代表者同士でもカウントダウンとともに応援に力が入る。


(僕自信はやはり悔しいが…こうなれば松野君に、全校生徒の代表として逃げ切ってもらおう!)


「くそっ走れる分余裕作っとかないと…さあこい!」


「あっ松野君じゃない!?あそこあそこ!…あとちょっとだよ!」


残り…三十秒!クラスのみんなが窓際に寄って見守る。


「いける!いけるぞ英輔!……あっ!後ろ側!歩いてるって!」


「あいつら……ん?何だ?何だ!……くそっ来た!」


そして…見つかったー…英輔、逃げ切れるかー!そして賞品獲得なるかー!?


英輔は急な小回りを選択し、校舎内へ、時計の秒針がリミットに近づく…。


「中に来たぞあいつ!どこだどこだ!?」


すると一階が騒然となる、英輔が廊下や通過し、その数秒後に黒い者が通過。


(くそー!疲れるー…でもいける!これはきた!よし3…2…1…)


「タイムアーップ!そこまで、代表者一名………逃走成功!」


一斉に喜びが爆発する英輔のクラスメイト達、他のクラスからも拍手が送られる。


「ふー…やったったぞ…あっありがとうございました!」


英輔を最後追いかけていたのは、陸上部のキャプテンだった…英輔、おめでとう…。

グラウンドで結果発表が行われた。


「松野君おめでとう、よく頑張りました、校長として敬意を表します、おークラスの皆さんも喜んでますよ」


「英輔ー!最高だー!わー!」


「おめでと!」「やったね!」


「みんなありがと…何か凄い嬉しいです!…達成感があります」


「さあそして賞品なのだが…まず代表者のクラスには…楽しく盛り上げてくれたので…全国共通お食事券二十万円分を」


「おー校長すげー!太っ腹ー!先生、みんなの打ち上げに使いましょうよ!」


「そっそうだなーあはは…(今年も凄いなー校長は…)」


「そして個人の賞品、高校生らしく勉学、そして遊戯ということで…勉強一式セットと東京ディズニー団体チケットを贈呈します、おめでとう」


周りからはまあまあ羨ましい言葉が飛び交う。


「うわー英輔自身も貰えるのかー!いーなー…まあ頑張った証拠だよな」


「松野君おめでとう、今回は君の勝ちだね、来年違う種目でリベンジするよ」


(こんな気はしたけどな…まあこれであいつの野球へのやる気が、一層上がるだろうし、ある意味有名人になったしな…はは)


「よっしゃー!みんなありがとなー!先輩方もありがとうございます!…やったあー!!」

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