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HEROES  作者: 工藤カズナリ
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Daily 21 〜秘事〜

体育祭最終日は各クラスの教室からスタート、そう競技が行われるのだが…その前に…あっ元気の無い人が一名。


「昨日の試合盛り上がったね!私結構ハラハラしたし、凄い見てて良かったよ!」


「まあ男子の連中が大健闘したからね、まあ…あの人のかっこよさには負けると思うけど…」


「前島君もすごかったからねー…麻実は…どう思ったの?」


「あー…かっこよさは仕方ないとしても…試合、負けるんじゃーなー…」


思わず男子三人は反応してしまった、何故かビクビクしているのは英輔。


「俺……結局何も出来なかったー!…まだ修一のほうがやれてたわ…」


「英輔は野球だけやってりゃいいさ、まあ自分的には頑張ったほうかと」


「ん?…橋本君は…あれ、大丈夫かなー…やっぱり悔しいもんね…」


「ま、いいんじゃない…うちと同じで大事なところで決められない感じがね…」

昨日の残り十五秒。


「ていや……あっ誰かとってくれー」


「修一戻せ!二時の方向にストレート!」


「あっ!彼に渡せばダメだ!…あそこから…」


(入れ、入れ、入れー!!……あっ!…)


試合終了の笛とともに、リングから弾かれたボールは負けを意味していた。

「(ったくー…)康之、よくやったって!…そんなのあんたらしくないよ、ほら、何か特別に奢ってあげるからさー」


「感覚は良かったんだよ…正直、ブザービートかと思った…公式戦の時より全然悔しかったわ、ましてや……お前に言われたこと、果たすこと出来なかったし…」


いろいろウジウジしている康之に、麻実はあえてこう言う。


「……とりあえず、こやつはうちが何とかするから、みんな今日も楽しもう!」


「麻実…了解っす…まあまだ何やるのか知らんけど…」


「まあ麻実らしいね、みんな頑張ろう!」


すると担任の村松が入ってきて、いきなり物申す。


「亜星体育祭名物の秘密競技、代表者を決めるぞー!…誰かやりたい奴はいるかー?」


「先生、何をするんですかー?わからないんですかー!?」


「まあまあそんな焦るな、いずれ発表がある、まあ…やるんだったら男子がいいかもな」


するとあの男が名乗り出る、今回の体育祭、目立った活躍の無かったあの男。


「先生!俺やります!何も活躍してないから頑張りたいです!」


「松野か…みんないいかー?松野に全てを託すかー?」

昼休み。


「おかしいなーうちらは反対したのになー、英輔で大丈夫なのかなー、まあ何もわからないし」


「おいこら、まあ任せとけって!…もしかして隼人も代表者かな…」


すると放送のアナウンス、この声は教頭先生かな。


「全校生徒の諸君、代表者は決まっただろうか?代表者はクラス棟側の外に、学年クラスごとに並んで待機すること」


「マジで何なんだ…毎年違うらしいし…生徒会の連中が考えてんのかな?」

そして英輔はクラス棟側の外へ、全校生徒のクラスが見える、すると…。


「やっぱり、松野君の事だから立候補すると思ったよ、ちなみに僕は二年連続ね」


「あー!先輩もっすか!…今年ってどんな感じですかね…」


「わからない…いつも校長が発案者らしいからね」


クラスからはやはり姿が見えるらしい、あの人かーとかあの先輩かーとか。


「松野君、何か意外と目立つね、海堂先輩もいるよ」


「前島君とかはやらなかったのかなー?…面白そうなのに」


「残念ながら、さすがに疲れそうですし、昨日の疲労もあって…」


「うわっびっくりしたー!…昨日いい試合だったね、あの子も喜んでたよー」


「ん?…あー!…お疲れ様、ですー…あはは」


「どうも、どうやら英輔は出るみたいだね…海堂さんとある意味勝負的な」


さあそしていよいよ内容が発表される時がきた。


「皆さん、どうぞ拍手!そして屋上を見てください!」


全校生徒の拍手の中、小さい姿ながら登場したのは、変わり物好きな校長先生。


「えー…代表者の皆さん、今年もとてもユニークな企画です…では私が代表して発表したいと思います…今年の体育祭を締めくくるのは…これだ!どーん!」


「いっいきなりピストル鳴らすなよー!しかも発表しないのかよ!…ん?誰だあいつら…何だあの黒い連中!?」


「さー今年はこの人達との勝負がメインです、ちなみにこの人達は……陸上部の皆さんです」


(陸上部?…あのサングラスらしき姿と黒いトレーニングウェア、それにあの一番左の人、三年の先輩で見たことあるかも…)


「さあそして競技種目は…」


(これは僕の結構好きな…まさかねー…)


「逃走中、イン亜星…」


事に納得と期待、そして困惑が全校生徒の間で飛び交う。


「それってあれだよね?…そっかー!人数的にもだから代表者なんだー!えー絶対楽しいじゃん!」


「ルールはそのまま、制限時間百二十分、捕まえるハンターはこの子達が交代制で行います、最初は三人から始まって後に様々なミッションで変わってくる、そしてそれを知らせるのが…クラスの皆さんです、とても重要な役柄もありますので、協力し合ってくだい、なお…逃げ切った代表者、そしてクラスには……毎年そうだが、豪華賞品が待っています…さあ今年は何かなー?…」


賞品に期待がふくらむ生徒達、先輩でもそうなのだから、普通の口だけではないのだろう、この校長は凄い。


「クラスに待機する代表者の皆さんは、応援しながらこれから数回あるアナウンスを待ちなさい…あー代表者にはゼッケンを着てもらう、その色と番号でハンターは捕獲に向かいます、また全員捕まった場合は、陸上部に賞品が送られる、まずは…協力してくれる陸上部員に拍手…健闘を祈る」


拍手が送られる中、燃えてきた代表者。


「やばいっすねー!超面白そうじゃないっすか!」


「これだから校長は…でも、やるからには本気で勝ちにいこう…」


「てか英輔がこのクラスの運命を…やばい企画だなおい」


「でもうちらも協力出来るんでしょー!?なんか楽しみー!」


他のクラスでも代表者の名前、応援が聞こえる…さあこのクラスも…。


「とりあえずケガが無いように頑張ってほしいね」


もう少し期待してといいと思うが…自分達も楽しみという気持ちのほうが大きいのだろうか。


「さあ間もなくスタート、代表者の皆さん準備はよろしいかね?学校の大時計が十四時になり次第君達は動き始める、それと同じくしてチャイムが鳴り終わると、このハンター達が向かっていきます、あっ言い忘れていたが範囲はこの学院敷地内全て、運動場などはテープの内側までとなる、もちろんだが校舎の中もオーケーだ、さあ行きましょうか…最高のゲームの幕開けです」


(絶対逃げ切ってやる…みんな見とけよー!)


十四時の瞬間、一斉に動き出す代表者十八人、歓声の差中…チャイムの終わりと同時に亜星ハンターもスタートした。

ではでは、ここからは本家のナレーションベースなテイストでお送りしよう…。


「先輩、何か緊張感ありますね…空気がやばいっす」


「本家に出てる人達はもっと大変なんだろうね……あっいるいる!…ハンターだ!」


「隠れましょ!……いやー思わずハンターって言っちゃいますね、陸上部なのに…怖いっすねー」


徐々に捕まり始めているようだ…そして三十分経過したその時!…アナウンスだー…。


「クラスに待機している諸君、ここで通知だー!あっちゃんと聞き取るんだぞー!いい?いいかー?」


「えっちょこれはメモメモれみんな聞いてー!…なんか教頭腹立つー」


「ハイ、ミッションその一、残り七十五分になると亜星ハンターが二体追加される、それを防ぐ為には…担任の先生を探し、共に校長の元へと向かうのだ!なお、そのミッションは過半数以上がやり遂げるとミッション達成となる、ただし校長があの部屋にいるとは限らないから気をつけるんだ!以上!」


「とりあえず今のこと英輔に電話しよう!」

「なるほど…とりあえず村松を探さないとな、んで一緒に校長も探すってことだよな?」


「そう!うちらも協力していいらしいから、何かあったら連絡する」


探すのは校舎内、その分亜星ハンターに見つかるリスクも高くなる、捕まったら賞品は…ゼロだ…。


クラス待機の生徒は、自分のクラス棟までなら歩いて可能、代表者同士、クラスとの連携がミッションクリアに大きく繋がる。


(村松どこにいるんだー!?先生がいそうな所か…よく見るって言ったら…)

「修一、どうした?見つかったのか!?どこだどこ!?」


「いやっ違うくて、残り十三人だってよ、海堂先輩も残ってる、以上、あっ給湯室見たかー?以上」


「えっおいちょちょ!……ったくあいつ…給湯室…?」

(本当にいるのかー?……あれっまさか……いやがった…はは…)


「ん?松野か?何してるんだ?」


「何じゃなくて!わかってるくせにー…演じてなくていいよー!とりあえず一緒に来て先生!校長探しますよ!」


「校長なら校長室だろー、一緒じゃなくてもなー」


「そこにはいないんだって!とりあえず……うわっいた!やべっ!」


そこにいたのは校長ではなく……亜星ハンター…逃げ切れるかー!?…。


「おっおい松野!校長はどうした!……(ふっ頑張ってるみたいじゃないか…私も大変だなこれは…)」


「えっちょっとあれ!英輔追いかけられてるって!逃げ切れ英輔ー!」


(……あっ!これだ!小回りのあるボイラー付近に……よし、ふー怖かったぜー…)


上手くまいたようだ…しかし村松と離れてしまった英輔、タイムリミットまであと五分、間に合うのかー!?

「何とか逃げ切ったみたいだね…陸上部速いなー…」


「松野君も負けてなかったよ!…でもミッション大丈夫かな…」


一方、落ち着いてマイペースに焦りのない海堂、隣には担任教師が…そこに向かってくる人が…。


「あっ!校長先生いました、確認お願いします」


「おー海堂君、今年もだとは驚いたぞ、この後も頑張ってくれ」


「はい、先生もありがとうございます……さてとミッションクリア、過半数かー…(松野君が心配だなー…)」


思わず電話をしてみるようだ…。


「はい先輩、頑張ってますかー?…えっクリアしたんですか?じゃあ校長はそこらへんですよね?…ふむふむ…ありがとうございます!間に合わせます!……先生、行きますよー!」


さあタイムリミットまで、あと一分!…。


「えーやばいよー…英輔間に合ったのかなー…」


残り十一人、時間的に英輔次第でミッション全体の結果が決まりそうだ。


「やはりいましたねー校長先生!…お願いします!時間が…」

「時間だ、どうだったんだー?」


「お疲れ様諸君、ミッションの結果は……見事クリアだ…亜星ハンターは三体のまま、以上」


(よし、松野君よくやった……さあ、勝負はここからだ…)


「三時間スペシャルだと、ここから後半戦だよな!くー楽しみだぜ!…まだまだよーこれからよー」


「一応チャンネルはそのままって言ったほうがいいか?……もう言ってるけどさ」

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