家出
武術の家系の跡取り娘、松原立花。
これは一人娘の明るく楽しい旅の物語である。
シャルモン
武勝山。山奥にある武術の村。そこの主、松原竜郎の娘、松原立花。年は16。夕日が沈みかけた頃、道着をまとった者たちが揃い始める。父が
「皆、後5分で組み手始めるぞ、準備しろ」
「はい!」
威勢のいい声が響きわたる。
「はぁ、行きたくない…」
生まれた頃から武術漬けの日々、立花は曇った表情で着替え室の隅っこでうずくまっていた。
窓の外はだんだん薄暗くなってきている。もうすぐで練習が始まるが身体が動かない。道着は下だけ着替えただが、上がまだ。早く着ないと間に合わないと普通なら焦るが今日はピクリとも動かない。
「行きたくない…」
そればっかりが頭の中でぐるぐるとしている。ここから逃げ出したい。でも逃げたら怒られるかも。
部屋が悶々と明るくなっているような気がした。ふっと顔を上げると窓がガラリと空いていた。あそこから逃げてどこにいこう…行く場所、行く場所。ない…ない…。私の家はここしか…。
しかし、立花はあの小窓から目が離せない。まるで吸い込まれるような感覚になる。気づいたら立りあがり窓に手をかけていた。
「もう…いやだ」
思い切ってジャンプした。一階だっため難なく着地。そこから一目散に走った。思いっきり走った。追われてこないように、誰も人目につかないように。息が上がる、ただひたすらに走った。後ろから誰もついてきてないか何回も振り返って確認する。とりあえず遠く、遠くへ。
5分ほど経っただろうか。休憩所のトイレまできた。明かりが灯ってあり、周りを見渡す。誰もいないことにほっとして座り込む。
やった、やってしてしまった。身体が動いてしまった。もうこれ以上は嫌だと心が叫んでいる。心臓がどくどくとうるさい。冷や汗か分からないが身体が熱いようで冷たい。
「はあ、、どうしよう」
逃げてきたもののいいが行く場所がない。トイレにいこうと立ち上がるとそこには一枚の張り紙があった。
行く当てもなく、立花はどうするのか?




