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階段の途中で

作者: 空詩
掲載日:2026/01/23

「今年の運勢、最悪だって」

手相占いの結果を見せながら、僕は友人に愚痴った。念願の建築事務所に入ったものの、ミスばかりで自信を失っていた。


「占いなんて気にするな」と友人は笑ったが、僕の心は晴れなかった。


僕は帰り道、近くの書店に寄った。

そこで、一冊の本と出会った。

「人生は階段、一歩ずつ」

見知らぬ著者だったが、なぜか惹かれるものがあった。

ページをめくっていくと、こんな言葉があった。


「階段の途中で立ち止まることは、失敗じゃない。次の一段を見極める時間なんだ」


翌日、上司から新しいプロジェクトを任された。小さな図書館の改修工事。


現地調査で、そこで働く司書の女性と出会った。


「この図書館、子どもたちの利用が多いんです。温かみのある空間にしてもらえたら嬉しくて」


彼女の真剣な眼差しに、僕の心は久しぶりに動いた。

設計に悩む日々。彼女は差し入れのコーヒーと共にいつも僕を励ましてくれた。


「焦らなくて大丈夫ですよ。一歩ずつで」

彼女の言葉が、先日読んだ一節と重なった。


三ヶ月が経ち、図書館は完成した。

木の温もりを活かした優しい空間。

子どもたちの笑顔が溢れていた。


「素敵な場所になりました。ありがとうございます」彼女は微笑んだ。


僕は気づいた。

占いが示してた「最悪の年」は、実は「変化の年」だったのかもしれない。


階段は一段ずつ。急がなくていい。僕は僕のペースで進めばいい。

読んでいただきありがとうございます。

他にも短編を投稿しています。

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