82 ノア糾弾される
リンを寝かしつけながら、ジンは、こっそり、手に入れた紙とペンで、教会の見取り図を描いていく。
鬼ごっこやかくれんぼ、高鬼、色鬼といろんなバリエーションで、教会のすみずみをまわったかいがあった。
どこに、人目をしのんで隠れる場所があるか、どんな抜け道が有効か、といった情報がそこには詰まっている。
ふたりは、目をあわせて、むふふふ、と笑う。
これで、抜け出す算段はついた。
あとは、これをいつ決行するかだ。
◇
ノアは夢魔が王宮の外へ外遊に連れ出された日、理事の間に、衛兵たちに突き飛ばされるように、連れてこられていた。
「お嬢さん。どうして、あなたが、ここへ連れてこられたかおわかりかな?古のお方をだまして、そのお力添えをいただいていた事実がここに。こーんなに集まったのですよ。なんと、罪深い女であろうか」
いっせいに、うつむきがちなノアの体に、理事たちの視線が突き刺さる。
くすくす。
ひそひそ。
そのすべての悪意ある視線にざわめきは、ノアひとりに向けられている。
罪状は『ノアは魔女』というものだった。
この国では、人を惑わすものを魔女とし、教会ではそれを極端に嫌う経典がもてはやされていた。
夢魔をたぶらかし、真っ黒な猫(妖艶な美女)を連れて、人々を先導したのは、魔女の地がなせる業である、と、真四角な顔を傲然とそらし、爬虫類のような目でノアを見つめるカルノは、自分の成功を信じて疑わなかった。
「さあて、魔女殿は何がお好みかな?磔で、投石か、火あぶり、ああ、それとも、八つ裂きがよろしいかな」
いやらしい目で、はだかになって、泣き叫ぶノアのすがたを思い浮かべ、カルノは血が高ぶるのを止められない。
まわりの理事たちも、「そうだそうだ!」「魔女には制裁を!」「おまえなど消えてしまえ」といったヤジをとばす。
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