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運がないけど、憑いてます☆  作者: ももんが☆


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7 商売に変更はつきものです。 

 祝福の鐘がなる。


 教会です。貧しいものには、ほどこしを…と期待したのですが、あっさりつまみ出されました。ええ、ここは墓場兼ゴミ捨て場です。世間とは世知辛いものですね。


 ごみ捨て場に捨てられているまだ使えそうなフード付きローブを拝借しました。寒くなってきたので、何か羽織るものが必要ですから。


 見つけた水場でこっそり洗ってほしました。あ、ついでに残飯らしきものも頂戴しました。ここはまだマシです。わたくしみたいなのは一人も…いや、いました。墓守の方のようです。

年齢不詳、フードをかぶって、子どもの背丈ほどもある巨大ガマをお持ちです。ぱっと見には死神様、そのものです。でも、お食事してらしたので、きっと人間です。


 わたくしは彼?の仕事を拝見しました。ばっさばっさと草をなぎ倒しておられます。うっかり巻き込まれたらチョンですね。


 そろそろフードも乾いたので、着てみます。ぼろを着ているよりはいいかしら?

 フードを着て、後ろをふりかえると真っ白なフクロウ様がいました。


 あら?さきほどの死神様は?


 つぶらな瞳、するどい鍵爪、ふわふわの羽毛。まごうことなきフクロウです。


『そこの娘。いろいろと巻き込まれ体質であるな。うむ、気に入った。我は夢魔である。連れていけ』

 とても上から目線で、自己紹介をされました。


 わたしに拒否権はないようです。


 『黒猫型貧乏神の激重不細工祟り神』のビーナス様とはお別れしましたが、残念ながらわたくしにはまたもやふくろう(夢魔様)のが憑いてしまったようです。今度はフクロウのお姿の夢魔様のようで、人様の夢をお召しあがりになるそうです。


 ええ、教会へは悩み多き方がみえられますものね。夢魔様のごちそうには事欠きません。でもって、わたくしは夢魔様のしもべとして、幸せそうなカップルに近づいてみたりしました。ご不幸に見舞われたお年寄りなんかへ、さりげなく近づくアプローチをさせられております。


 心の中にある想いを聞くのが趣味なのだそうです。それがごちそうなのですって。


 なぜか、みなさん話し終わると寄進していただけるんです。なんでしょうか。みなさま、そんなにお話したいのでしょうか。この街の方はもしかすると、人のお話しを最後まで聞いてあげないのかもしれませんね。


 企業戦士として、傾聴のマナーがあってこそ、ほう(報告)、れん(連絡)、そう(相談)が生きてくるというのは、基本ですのに。

 まずは、おはなしをよく聞く。これが、大切なのですわ!


 この世界では、どうしようもないわたくしですが、ちょっとした知識で、人様&夢魔様のお役に立てているようで光栄です。


 えっへん。


 ない胸がより強調されて、悲しくなってしまいました。


 さて、そろそろ夢魔様もこの教会に来るメンバーが同じで、飽きてきたとのことです。そこで、わたくし、相談いたしました。


 その結果!じゃじゃーん!


 これから教会を出て、夢魔様と「旅に出よう」と思います。


 ちょっぴりの路銀もたまりましたし、事業に停滞はつきものとはいえ、新たなビジネスチャンスをつかまなくては、あっという間に廃業の憂き目にあう、それが、ビジネスというものですわ。

 事業サイクルの黎明期は教会に訪れる月曜日から日曜日のメンバーに初めてお会いできた一週間で終わりました。次の安定期は、二週から三週目にかけてでした。


 ここで、いい雰囲気にはなってまいりましたけれど、次の予測として、夢魔様のご所望である「新しさ」というのは、なかなか手に入らないことがわかってしまったのです。


 なぜって?教会に足しげくこられるメンバーはほとんど同じ方、ほぼ九割が固定客(失礼)でしたから…。


 このデータが指し示す先は、みなさまおわかりですわよね?


 事業の目的である「夢魔様の新鮮な夢をお召し上がりになる」ことがかないませんの。


 それに、お話のお礼として頂戴できる施しも、夢魔様がお気に召した夢を提供してくださったからしか、頂戴しないことにしています。と、すると、著しく資金調達の機会が減少することとなります。


 ということで、事業の衰退が目に見えてわかってしまった今、早めに、新規事業を行うべく、私たちは新たなリスクを背負うことを、覚悟しましたのよ!


 教会の片隅をお借りして、寝泊まりしてまいりました。持ち物はほとんどありません。あるのは、真っ白なフクロウの夢魔様という盟友だけですわね。


 西風が運んできたうろこ雲をみて、わたくしは、寂しさとちょっとした満足感を得ており巻した。

けれど、はたして、わたくしはここで自分らしく生きられるのでしょうか。


 ねぇ夢魔様、もうっちょとダイエットしてください。重いです。夢魔様の乗った木箱をずらそうとして、わたしはぜぇぜぇ言いました。この下に、へそくりをかくしているのですが、重いです。


 そう、夢魔様はフクロウのお姿をされています。もふっとした首周りは白くてあたたかそうですが、ぐるんとまわるお顔は結構怖いです。


 ところが、夢魔様はお食事をされるたびに重くなるようで、出会った頃よりも重量は確実にUPしておられらます。度に出る時は。夢魔様専用の杖(止まり木)などがあればいいかもしれません。

 肩にお乗りになられては、わたくし肩こりから解放されませんから。


 ちょっとくらいダイエットしていただけませんか?と聞いてみたら、首をぐるんぐるん、とまわされました…。

 え、想い出は捨てられないですって?はぁ、筋肉痛は続きそうです。


 いただきもののマントをかぶり、旅立ちのグッズを買って、リュックにつめた、わたくしの肩にはフクロウの夢魔様が乗っておられます。


 ずっしりとして、よろめきそうになりました。バランスが悪いですね。


 はやく、杖(止まり木)になりそうなものをゲットしなくては!




140 位(2025/10/14)

[日間]異世界転生/転移〔恋愛〕 - 連載中 いただけました(涙)

どうもありがとうございますm(__)m


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