表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運がないけど、憑いてます☆  作者: ももんが☆


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/76

66 おくつろぎのところ…

『理事を招集せよ』


 闖入者は、玉座の間から勝手に移動すると、後宮をつっきり、王族のプライベートな空間にさも当然という風に居座った。


 ノアとビーナスはびくびくしながら、着いていくのみだ。


 こ、こんなところではぐれたら、やばいですの!


 オレ様まだ死にたくない!


 重厚すぎる革張りのソファーにどっかとすわった夢魔をぎょっとした顔でみる一匹と一人。


『まぁ、ここで待つとしよう』

 座る様に促すと、目で侍従を追い払った。


 おそるおそる夢魔の座るソファの隣に座るノア。

 ビーナスは爪を立てないように、そろりとノアと夢魔の横に収まった。


 かちんこちんの二人は、冷汗をたらしつつ、夢魔を見る。

「おい、おっさん、これからどうすんだよ」

「そ、そうですわ。突然、押しかけて、こ、殺されるかとおもいましたわ」


『ふぉふぉふぉ、大丈夫じゃわい。まぁ見ておれ』

 楽しそうに、肩をゆする夢魔。


 そこへ、ドアをノックする音とともに、

「御酒をおもちしました」と声がかかる。さきほどの侍従の声だ。


『よい、持ってまいれ』

 尊大な返事に、隣のノアはぎょっとしつつ、居住まいをただす。


 ふかぶかと頭を下げた白髪の紳士は、彼らに視線を一切あわさずに、ローテーブルへ酒瓶とグラス、氷のはいったカッティングガラスの器をもち、一切音を立てずに並べていく。


 とくとくとくっ


 琥珀色の液体が、精巧なカッティングのほどこされたグラスに注がれると、丸く削られた氷が、くるんと回った。


 ノアは、自分の目も回るかと思った。ああ、フクロウであったころの夢魔様がなつかしい。


 すすめられたお酒はとても強いそうで、ノアとビーナスは酒精の薄いカクテルを作ってもらい、それをなめるように飲む。


 横では、濃い酒精のかおりをただよわせながら、くいとグラスを傾ける夢魔。


 ノアはくらっとした。


 ビーナスはつまみのチーズに舌鼓を打ち、満足げである。


 居座っている部屋には、大きな絵画が所狭しと飾られており、王族のファミリーと思しき様々な世代の人々がいきいきと描かれ、壁をかざっている。


 それを緊張とともに見渡すと、中に、夢魔と似た少年の姿をみつける黒髪のつややかさはもちろん、シャープな顔立ちときりりとした目は今の夢魔より幾分若い者の、眼力があまりにそっくりで、目が離せない。


 それに気づいたビーナスもその少年をみていると、夢魔が

『よく描けているだろう』とのたまった。


「うぇ!ま、まさか、アレがおやっさん?」


「まぁ、お若いころも素敵ですわ」

 褒められたからか、すこし口元をゆるめ、目をすがめる。


 やはり、アレは夢魔様らしい。

 

 ◇



「いいね!」「おもしろい!」と思ってくれた方は、

☆☆☆☆☆ → ★★★★★にしてくださいね。


皆様のブックマーク、評価は作者のモチベの元ですにゃん☆


勇気を出して(^^)/~ ぽっちとよろしくお願いいたします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ