57 みぃつけた。
「見つけたぞ。やはりあいつめが、隠しておったか」
唇を笑みの形に佩いた女神は頭上からはらりと腕を斜めに振り下ろし、空間を裂くと、その裂け目から見える、とある屋敷のなかに、足を踏み入れた。
◇
このような、このようなことがゆるされていいはずがない!
魂のさけびをあげつつ、ビーナスはなされるがままに、もてあそばれ、はやく、はやくここからのがれたいと、身をよじりたくてもできないもどかしさに歯ぎしりするおもいであった。
肩からずりおちた絹の夜着はかろうじて胸のふくらみでとまっているが、彼女の鎖骨をはいまわる唇は、あかい後をつけて、徐々にふくらみに近づいている。
寝具の上に、ひろがる豊かな黒髪は上にのしかかったロウエンの動きにあわせて、波打った。
目を見開いて、体をはいまわる手をただ茫然とみているビーナスは、灯を背に、じわりと顕現した黒ずくめの男をとらえ、瞳孔を開いた。
だれだ?
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