54 誓いの言葉?
ずり落ちそうな冠に辟易しつつ、はやく、脱ぎたいと下をみて耐えていたちびっ子神様は、誓いの場で立つロウエンをちらりとみて、瞬いた。
な、なんでこいつがここに?
しかも、向こうから歩いてくるのは、そこにいるだけで、芸術作品のような美少女。
いったいどうなってるのぉ!
心の叫びをぶちまけられたら、なんと爽快だろうか。
そんなとき、ふとした拍子に美少女と目があってしまった。
お互い、はっとして視線をからませる。
もしかして?
その気配に、お互いが気づいてしまった。
あれって、ビーナス?
あそこにいるのちびっこ神様?
二人はやっと気づいた。
うぇええええええ!
せわしなくロウエンとビーナス(女)を見比べて、必死に状況を把握しようとする幼女。
はくはくと口をわななかせ、必死にこの誓いの儀式を中断させようとするビーナス。
とうとう、ビーナスはロウエンの傍まで歩いてきてしまった。
とろけそうな笑みでビーナスを見つめるロウエンとひきつった顔で彼をみようとしないビーナス。
どうみても、一方的な愛である。
神様はわたされた台本をみて、わなわなと震える。
あ、あのビーナスがこんな美少女で!しかも、ほんとうにロウエンと結婚するのぉ。しかも、あたしがそれを誓わせるぅ!ど、どうたらいいの~
泣きそうになりながらも、震える声で、
「汝は、この者と一生愛をちかいますか」
と、言葉を紡ぐ。
「はい。誓います」
ロウエンは良く響く美声で、誓った。
おそるおそるビーナスの方をみやると、青ざめ顔で、ビーナスは口を開け閉めし、ややおくれて、
「ち、ちかいまふ」
と噛んだ。
…
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