44 ノアとジン
「あなたはお強い、僕なんかに比べて、よっぽど神に近い存在です」
ジンは胸に手を当て、ノアに敬意を称する。
「むふふ。ノアったら、隅に置けないわねぇ」
ちびっ子神様はなぜか、うれしそうだ。
「神様、僕はノアをいっしょに神界につれていきたいです」
いいでしょう?と、ねだるジンはいつになく積極的だ。
「ふぅむ、あたしだけの力ではちょっとね。でも、お母様がいいっていてくれれば、できるんだけど」
うつむいてしまった神様はいつもより小さく見えた。
「まぁ、そんなに神様のお母様はすごい方なんですのね!でも、心配ご無用ですわ!わたくしにはビーナス様に夢魔様まで憑いているんですもの」
「確かに、憑いてるな…」
「そのうちぃ、もっとすごいのが憑いてても知らないんだから!
ちびっ子神様はそういって、ぷいっと横をむいた。
「ノア様、僕はロウエン様の所へは戻りません。きっと、あなた様を迎えにまいますから。待っていてください」
「まぁ、それは、うれしいおことばですわ」
ほくほく顔で神の御遣いのオファをノアは喜ぶ。
「あんまりこき使わないでほしいですわ」
「うん?それは、ちょっとむりかもしれないなぁ」
ジンは微笑むと流し目でノアをとらえる。
顔を寄せると、ノアの耳元でささやいた。
「愛しています」
ぼっと顔を真っ赤にしたノア。
きょとんとして、立ち尽くす神様。
そこへ、すべるように着地したのは夢魔。
『ほぉほぉほぉ。いいのう、若いのはいい』
「おいおい、おまえもかよ」
黒猫はあきれつつも嬉しそうだ。
「返事は?」
と、ジンはいたずらっ子の目で聞きかえす。
ノアは、みなに聞かれていたことを知り、恥ずかしさに身悶えしそうになる。
ぐっとこらえて、口角をあげると、
「みなさんクビです」
とびしっと言い切った。
◇
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