表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運がないけど、憑いてます☆  作者: ももんが☆


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/74

36 乙女たちのものがたり

 とあるところに、魔法で閉じ込められた時をとめたままの、古びた城の最上部に、囚われの姫がいたそうな。


 それを不憫に思った通りがかりの王子が、魔法を解除し、蔦を分け入って、呪をかけた魔獣たちからから姫を助けだした。


 そして、めでたく二人は結婚した。



 また別の伝説には、この秘境にたいそううつくしい姫が住んでいたとある。それをききつけた豪族の首長が姫を所望した。姫をよこさなければ、郷ごと焼き尽くすと告げて。


 姫は故郷を守るため、嫁いでいくことに決意を固めていたが、旅の途中に出会った青年に恋をしてしまう。

 手に手をとって逃げようとする姫と青年を豪族の使い魔である大蛇が追いかけ、ふたりもろともくびきころしてしまった。




 これらの物語の姫は不憫な存在として描かれ、みずからの命は天秤にかけらえるのみ。


 姫の命ってなんか儚いなぁ…。


 寝転がって、恋物語の短編集を読んでいた、神様は足をまげて、ぱたぱたと動かす。


 横では、せっせっと荷造りをするノア。


 イベントを開催する場所へ移動するため、あらかた詰めてあったカバンに、先ほどみだしなみを整えるのにつかった櫛や化粧道具を入れていた。


 ノアは、黒子役なので、目立った格好ではない。

 温泉郷にやってきているお客達のドレスコードは『着物』だ。


 なので、ノアも小袖に着替えていた。帯は宿屋の女将さんが整えてくれたので、きまっている。髪は少し伸びたので、耳元はたらして、後はおだんごに結い上げてもらった。


 庭のつばきを一つかんざしがわりに挿して、出来上がりだ。

 ちびっこ神様は太鼓帯を振袖にあわせ、寝っ転がって足をばたばたさせているため、すそがはだけていた。


 短編集をとじると、ノアの横顔を見やる。こうやってみてみると、(ノアは働き者よねぇ。だまって、王子を待つような殊勝な姫とはおおちがいだわぁ)と、勝手な感想を抱く。


 荷造りを終えて、膝に付いた、糸くずをぱんぱんとはらっているノアは、少しやせていたが、すっきりと通った鼻筋に小さい唇、目元はぱっちりとしていて、紅をほんのりさした目元は色気がある。


 これで、モテないはずないのにねぇ。




 ちびっ子神様は、短編集をひとなですると、自分のかばんにそっとしまった。

 


「いいね!」「おもしろい!」と思ってくれた方は、

☆☆☆☆☆ → ★★★★★にしてくださいね。


皆様のブックマーク、評価は作者のモチベの元ですにゃん☆


勇気を出して(^^)/~ ぽっちとよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ