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運がないけど、憑いてます☆  作者: ももんが☆


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24/74

24 なんですって!!あなたが××なんですかっ

〈冬のツアーはジン達がどうしてもやりたいといっていた。チャンスをやろう。

おまえが手配しておけ〉


 それから、ロウエンの指示だけがノアの住む自宅兼事務所に伝えられた。

 一枚の紙には、ロウエンの花押がおされている。

「うれしいご案内ではありますね…、では、神様、こちらはお受けして、冬のツアーでジン様を取り戻す、ということでよろしいですか」

 ノアはこの幼女が神だと語ったときの衝撃を、いまでもおもいだすとぶっ倒れそうになる。



「あぁ、そういえばあんた名前は?」


 ブランドショップからの帰り道、立ち寄ったカフェで幼女がいまさらな質問をしてきた。


 知らなかったのですね…。というか、さきほど送り先にわたくしの名前をかいたのだけれど。


「申し遅れましたわ。わたくし、ノアと申しますわ」

 紅茶は良い香りの湯気を立てているが、心は寒々、財布は手持ちの分を使い果たしそうだ。


「あら、ノア。野良みたいな名前ねぇ」

「ときどき間違われますわ」


「それは、まえの世界での名前なのぉ?」

 ぎょっとして、見返す。そういえば、得体の知らないちびっ子なのだ。知らない間に部屋にあらわれていたし、きらりと光る新緑の目はちょっと人間離れしていて、ときおり光るのだ。


「そ、そんなところですわ。わたくし別の街からきたのですけれど、長い名前だとよびづらいでしょう?」

 実は、もっと、まともな名前で暮らしていた。


 ―――鈴木 乃蒼のあ、という名前で。


 ビル街には、ビジネスパーソンがうごめいている都会。なにもしらずに飛び込んだその場所は、ノアにはちっとも優しくなかったけれど。


「ふ~ん。で?―――わたしはここの世界の神様よ」


 飲みかけの紅茶をふきだしそうになって、まじまじと幼女の顔、体をみる。


 ただの子どもではないとおもったけれど、神様?


「信じてないわねぇ。ジンを送り込んだのはあたし、っていったでしょう?」

 そうだった。ジン様は神様からつかわされてきた――――。


 目の前の自称、神様は「ジンを取り戻しにやってきた」といっていた…。


 ごくりと、つばをのみこみ、しばし、黙考する。


 たしかに、辻褄はあう。

 ということは…、わたしがこの世界にほうりこまれたのは、この神様の仕業なのかしら?


「信じたほうがよろしいのですわよね?」

 かすれた声はよわよわしく、こぼれおちた。うつむいてノアは耐えた。


「うそよ!

 うそ!

 どうして、わたしをこの世界へ取り込んだの!

 返して!もとの世界へ返ししてよ!」


 ノアの心の深い底にしまいこんでいた、本音があふれ出しそうになる。


「ジン様を、

 夢魔様を、

 ビーナス様を

 わたしから取り上げられていくなんて、なにもかもなくすのはもうイヤ!」


 うずまく、こころの叫びを鎮めるため、ぎゅっと手をにぎりこみ、血が出るほど握りしめた。


 だめ、だめ、こんなところで叫んだって、だれもわたくしをたすけてくれはしないのよ。


 ああ、神様。どうして、わたくしにはなにも、残らないのですか…。


 ノアはゆっくりとかしいでいき、椅子から転げ落ちた。



「運がついてきた!」「おもしろい!」と思ってくれた方は、

☆☆☆☆☆ → ★★★★★にしてくださいね。


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勇気を出して(^^)/~ ぽっちとよろしくお願いいたします!

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