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流転の國 vol.8 〜桜色の都の救世主〜  作者: 川口冬至夜


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流転の國 番外編 忘れられた夢の物語

かつてルーリは哀しい夢を見た。

自分の失言によって自死したマヤリィが甦り、流転の國の配下達や桜色の都の異種族を苦しめる話だ。

目覚めたルーリはすぐにその内容を忘れてしまったが、彼女が夢の中で『人化』させられた『記録』は今も残されている。

これは、あなた達にしか見えない『記録』だ。

当時49歳のルーリは、マヤリィが無断で発動した『人化』魔術によって人間種となった。

(『流転の國 vol.2 〜闇堕ち編〜』より)


マヤリィがどこかへ『転移』してしまい、その場に残されたルーリは皆の身を案じる。

(そうだ…皆はどうしているだろう…)

とりあえず、跪いた姿勢から立ち上がる。身体が痛い。

(長時間同じ体勢でいるのはつらいな。…いや、今までにそんなことあったか?)

ルーリは不思議に思いつつ、いつものようにハイヒールを履いた。…つもりが、足首を捻って転んでしまった。

(痛っ……)

そして立ち上がろうとした時、自分の着ているロングドレスの裾を踏んでしまい、再び転ぶ。

(危なっ…。なんで今日はこんなに危なっかしいんだ?)

ひとまずハイヒールを諦め、服も替えようとする。

しかし、一瞬で着替える魔術が発動しない。

(そうか…あれはサキュバスだから出来たのか…)

面倒だが、今着ているドレスを脱いで、衣装部屋でマヤリィが見つけた漆黒のミニドレスを着る。

(これでいいか。…いや、しかし…)

なんとなく鏡の前に立ってみる。

ミニ丈が似合わない。というより痛々しい。

(っていうか…これ私か……?)

美しさは変わらないが、ルーリの見た目は普通の人間の49歳になっていた。

(髪に白いのが混じってる……?)

元が金髪なので目立たないが、ルーリは目ざとく白髪を見つけてしまった。

(肌がくすんでいるな…。この目尻のシワはなんだ…?なんだか近くが見えづらい気がする…。普通の人間ってこういうものなのか?…いや、今はそれを気にしている場合ではない。何か他に着るものを考えないと…)

アイテムボックスをかき回して、ようやく見つけたのはスーツだった。

(正装、か…。まぁ、今の私は夢魔ではないし、これでいいか…。ローヒールの靴はあったかな……)

ルーリは四苦八苦して49歳のコーディネートを完成させた。…いや、パンツスーツにヒールのないパンプスを合わせただけです。

(やれやれ、たったこれだけで疲れてしまった…)

身体の痛み、肌のお悩み、白髪、老眼…。

アラフィフの女性は色々と大変なんですよ、ルーリさん。

えっ…。

これを本編でやるんですか??

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