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流転の國 vol.8 〜桜色の都の救世主〜  作者: 川口冬至夜


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第68.5話 自由時間

これはルーリとタンザナイトが目覚めた後の訓練所での話。

この後、シロマはしばらくの間『休養室』でマヤリィを見守ることになります。

「もう大丈夫ですよ、ナイト様。…今度は着替えが必要ですね」

タンザナイトの治療を終え、少し会話をした後でシロマはそう言った。

そこへ、

「タンザナイト、私と一緒に衣装部屋に行くか?」

ローブを羽織ったルーリが顔を出す。

下着姿で倒れている彼女を見かねて、クラヴィスが慌ててアイテムボックスの中から取り出したらしい。

「いえ…僕は結構です。以前ルーリ様から頂いたスーツに着替えますので」

先ほどシロマに見せた表情から一転、いつもの真顔に戻るタンザナイト。

ルーリと衣装部屋に行ったら何を着せられるか分かったものではない。

「…そうか。そんなこともあったな」

ナイトがルーリからもらったスーツというのは、普段マヤリィが着用しているのと全く同じ物である(第39話)。

「着替えを終えたら女王様の所へ行きたいのですが、ご迷惑でしょうか?」

あの時、タンザナイトはマヤリィの顔色がすぐれないことに気付いていた。

『「少しの間そこから動かないで頂戴」』…そう言って、迅雷に吹き飛ばされたナイトの腕を回収しにきたマヤリィ。その横顔はとても苦しそうで悲しそうで、一刻も早く戦いを終わらせたいと思ってしまった。

「タンザナイト様、ご存知だったのですか…?今、マヤリィ様は休養室にいらっしゃいます」

マヤリィが倒れたのは二人が気を失った後のことなのに、なぜ知っているのだろうとクラヴィスは不思議に思う。

「いえ、そこまでは知りませんでしたが…。体調がすぐれないご様子でしたので心配していたんです」

ナイトが答えると、今度はルーリが訊ねた。

「休養室…ってどこなんだ?」

「畏れながら、ルーリ様。先日、ジェイ様と私が用意させて頂いた治療部屋にございます。いざという時、ご主人様を介抱させて頂くのに最上の環境を整えておきたいと思ったのです」

クラヴィスの代わりにシロマが答える。

「…今、ジェイ様から『念話』で伺ったのですが、マヤリィ様はまだお目覚めになられないとのことです」

少しの間黙っていたクラヴィスは『念話』で聞いた現状を皆に知らせる。

「私達は引き続き自由時間にするしかなさそうですが、シロマだけは休養室に行って下さい。ジェイ様のご指示です」

「分かりました、クラヴィス」

それを聞いたシロマは一礼すると、すぐに『転移』した。タンザナイトはもう心配ないが、マヤリィのことが気がかりだ。

そして、残された三人は自由時間である。

「とりあえず、私は着替えてくる。タンザナイトは自分の部屋に戻るんだろう?」

「はい。このままの格好で待機するわけにもいきませんので」

ルーリは際どい下着の上にローブを羽織っただけ。

タンザナイトは白いスーツが破れて血塗れになっている。

「…では、着替えてからカフェテラスに行くというのはどうだ?さっきの魔術について聞きたいこともあるしな」

しばらくマヤリィの顔を見られそうにないので、ルーリはタンザナイトを誘って本格的に自由時間モードになる。実戦訓練の後と言えば、カフェテラスで休憩だろう。

しかし、ナイトはいつもと変わらぬ真顔で答える。

「分かりました、ルーリ様。今日の実戦訓練の反省会をするということですね。よろしくお願いします」

「あ、ああ…こちらこそ…」

(そういえば、ナイトは何も飲めないんだっけ…)

ここでようやく『ナイトは飲み物を口に出来ない』とマヤリィが言っていたことを思い出すルーリであった。

タンザナイト自身は飲食不可ですが、コーヒーを淹れることは出来るようです。

マヤリィ曰く「教えた覚えはないのに、おいしいコーヒーを淹れてくれたのよ」(第44話)。

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