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②任務再び

結局、ミノリの「元いた世界」に関しては分からないままだった。

それでも、ミノリとともに流転の國で過ごした日々が消えることはない。

「…だから、これ以上は追求しないわ。ミノリは書物の魔術師として流転の國に顕現し、私達と一緒にここで生きてきた。…それだけで十分よ。ミノリの過去や転移先を探る必要なんてないでしょう?」

ミノリが流転の國から違う世界に転移した翌日、マヤリィは玉座の間に集まった皆にそう語りかけた。

「はっ。マヤリィ様のおっしゃる通りにございます。ミノリと離れなければならなかったのはとても寂しいことですが、今の我々に出来るのはミノリの幸せを願うことだけにございます」

マヤリィの言葉を聞いて、ルーリが皆の気持ちを代表して言う。

気丈に振る舞ってはいるが、仲間が突然消えるという異常事態に追い付けず、心の中は憔悴しきっている。

「…それと、皆に報告よ。こんなタイミングで桜色の都から書状が届いたの」

今朝、マヤリィは桜色の都の国王ヒカルが寄越した使い魔から書状を受け取った。

「以前、討伐したはずの砂漠のドラゴンが復活したとのことよ。今のところ被害は出ていないようだけれど、ヒカル殿は早々と『クロス』に出動命令を下したみたい」

流転の國の西に位置する桜色の都は、白魔術師である若き国王が治める多民族国家である。

『クロス』は桜色の都国王直属の精鋭黒魔術師部隊で、こういった有事の際には国を守る為に出動命令が下される。とはいえ、流転の國に比べれば戦力は乏しいので、緊急事態には友好国である流転の國に助けを求めることになっている。実際、以前「砂漠のドラゴン」を討伐したのは流転の國の最高権力者マヤリィその人である。さらに、ミノリ、シロマ、クラヴィスの三人も同行し、見事に任務を果たした。

「前回のことを考えれば、ドラゴンが襲ってくる可能性は十分に考えられるわ。ヒカル殿から二通目の書状が届く前に、こちらも準備を整えておくわよ」

「はっ!」

ミノリがいなくなった今、桜色の都に派遣されるのは誰なのか…。

配下達はマヤリィの命令を待つのだった。

『vol.3 新しき顕現者』にて発生した砂漠のドラゴン再登場です。

あの日、集落ごと破壊したはずなのに、彼等は一体どこからやってきたのか…。


ミノリは流転の國から去り、ルーリは国家機密扱い。

それなりの脅威であるドラゴンに対抗する為、桜色の都に派遣されるのは誰か。

皆は女王の命令を待ちます。

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