表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流転の國 vol.8 〜桜色の都の救世主〜  作者: 川口冬至夜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

109/118

第102話 休養室

桜色の都から帰還後、一足早く玉座の間を後にしたマヤリィは例によって『休養室』にいた。

そこへ『念話』を受けたジェイが現れる。

「姫、お帰りなさいませ。桜色の都はいかがでしたか?」

「ジェイ…!」

マヤリィはそう言ってジェイに抱きつく。

ジェイはマヤリィを抱き留めながら、

「姫、大丈夫ですか?何かあったんですか?」

心配そうな顔で訊ねる。

「ええ、私は大丈夫よ。けれど…ナイトに怖い思いをさせてしまって…」

「ナイトに…?」

あのタンザナイトが怖がるなんてどんな状況なのだろうとジェイは不思議に思う。

「姫、桜色の都で一体何が起きたんですか?」

「…突撃女子に遭遇したのよ」

「えっ?」

「『クロス』の新人が暴走して初対面のナイトに突然告白したの」

「えっ?」

「結局は彼女の勘違いだったのだけれど、勢いが強すぎてさすがのシャドーレも止めるのに苦労していたわ」

マヤリィは突撃女子(スピカ)がタンザナイトに言った台詞を並べる。

『「初めまして、タンザナイト様。…あの、よろしければ私と付き合って頂けないでしょうか?』

『「私は恋に落ちました。貴方様に一目惚れしてしまったのです…!」』

『「私は貴方様が好きです。私の恋人になって下さいませ!!」』

それを聞いたジェイは呆れたように言う。

「なかなか激しいですね…。っていうか、よく姫の御前でそんなこと出来ましたね、その新人とやらは」

「私だけじゃないわ。ヒカル殿もその場にいたのよ」

「『クロス』の新人、強すぎませんか?」

スピカさん、ルーリ様よりも怖い(かもしれない)人の第一印象が決まりましたよ。

「ええ、気の強そうな娘だったわね」

マヤリィも呆れた顔で言う。

「その後、タンザナイトの性別を教えたら大人しくなったわ。だから言っておいた。私の配下に気安く近付かないようにってね」

「ビアンってわけじゃなかったんですか…。にしても、姫にそこまで言わせるって逆に凄いですね。…彼女、怖がってました?」

「さぁ?床にひれ伏して謝っていたけれど、ちゃんと反省したのかしら」

「魔力圧はかけなかったんですか?」

「そういえば、途中でナイトが『訓練所に罅が入りそうです』って教えてくれたわね…。ってことは、かけてたのかも」

その言葉を聞いたジェイは(タンザナイトが冷静でよかった…)と思うのだった。

「ところで、タンザナイトはもう大丈夫なんですか?いきなり猪突猛進女子に告白されたらさすがの彼女もPTSD発症するのでは…?」

「ええ、今はルーリが一緒にいるから大丈夫よ」

「ルーリが?別の意味で大丈夫なんですか?」

「ええ。もう心配ないわ」

マヤリィは玉座の間での二人の様子を見て安心していた。

「ナイトはルーリを信頼している。それが分かったから、二人を置いて先にここへ来たのよ」

訪桜する直前の抱擁も、帰國後の抱擁も、タンザナイトの方からルーリに抱きついた。ルーリは愛おしそうにナイトを抱き留めていた。

「今頃、ナイトの部屋でお喋りでもしているのではないかしら」

マヤリィはそう言って微笑む。

「…成程。ルーリはようやくタンザナイトの信頼を得たというわけですね」

「ふふ、長い道のりだったわね」

その後、桜色の都の話を続けていたマヤリィだったが、疲れた顔は隠せず、ジェイに促されてベッドに入った。

「大丈夫ですよ、姫。僕がついてますから、何も心配しないでお休み下さい」

「ありがとう、ジェイ…」

マヤリィはそう言うと、やがて眠りに就いた。

(やはり貴女とタンザナイトは似ていますね…)

ジェイは死んだように眠るマヤリィを見守りながら、いつまでもベッドの傍らに座っていた。

眠ってしまったタンザナイトをルーリが見守っている頃。

休養室では、眠ってしまったマヤリィをジェイが見守っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ