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16 終幕


「特攻ッ 勇者ッ ノ ノ カッ 華麗に変身!」



 おっしゃ決まったっ。


 なんたって今回は、いきなり増槽ランドセル装備の全力本気モード。


 みんながアドリブバリバリではっちゃけるなら、こっちもこっちで容赦ナシッ。



「せいやっ」


 ガキンッ



 ってアレ?


 なんすかアランさん、その漆黒の槍、


 ブチ折るつもりで当てた『ゼファール』の一撃を余裕で受け止めちゃってるんですけどっ。



「こんなこともあろうかと、悪の魔導具使いアリシエニャンが生み出した」

「その名も『ゼファーブラック』!」

「今日こそ最後だっ、お子ちゃま勇者ノノカちゃんっ」


 マジすかっ、


 ってか、なにやってんすか、アリシエラさんっ。


 えっと、マジでピンチなんじゃね?




『がんばれー、ノノカちゃーん』

『えっちなおじさんなんかに負けるなーっ』


 子供たちの大声援!



「がんばれーっ、お母さーん」


 その声はっ、マクラ!


 序盤で出番が終わったマクラが、舞台袖から応援してくれてますよっ。




 うん、コレだよコレッ。


 子供たちの声援こそが、特使勇者も特攻勇者も大好物のエナドリっすよ!



「みんなっ、いっくよーっ」


『おー』



 天高く『ゼファール』を放り投げ、



「必殺っ」


 右手で天空を指差し、



「滅殺っ」


 左手で大地を指差し、



「アルティマキシマッ ハートブレイカーッ!」


 お胸の前で指先を合わせてハートマーク、


 そこからほとばしる愛と正義のごんぶとビームッ!



「うひゃんっ」


 えっちっちな魔王アライヤンにアッチッチなストライクッ。



 ぱしっ


 降ってきた『ゼファール』をノールックキャッチ。


 そしてみんなでいっしょにいつものキメゼリフッ。



「『成敗!』」



 どっかーんっ



 召喚魔王アライヤン、大爆発!


 爆炎めっちゃスゴいけど、セーフティモードだから平気っすよね。


 でないと私も舞台の上で魔素切れ変身解除しちゃって、いやーんってなってたし。



 ……はて、ぴくりともせぬ、あのお方。



 えーと『召喚魔王アライヤン』ことアランさんは、舞台に倒れ伏しております。


 すまぬアランさん、溢れ出る正義の衝動を抑えきれずに全力での必殺技。


 安らかに成仏してください……




「びっくりしたなぁ、もう」


 えーと、アランさん復活、って言うか浄化。


 いつのまにやら魔王メイクを落としちゃったスッキリ顔。


 まあ、いつものアランさんなんですけどね。




「ありがとうございます、ノノカちゃん」


 プリンセスエリミナことエルミナからぎゅっとハグ。


 お互い普段より薄着なんで、その、いろいろと恥ずかしいのです。


 もちろん、アランさんからのエルミナへのアレな視線を遮るようにハグするのがポイント。




「それじゃあ良い子のみんな、えっちっちなおじさんには気をつけて遊ぶんだよっ」


『はーいっ』



 うむ、ちゃんと良い子たちへの注意喚起も忘れない、


 さすがは『しらたき』先生、神脚本ですね。



 カーテンコールには、出演者みんなが勢ぞろい。


 アランさんもシスカも、怪しげな悪役衣装から華麗な舞台衣装にチェンジです。



 大声援に向かって、


 みんなで、礼。



『特攻勇者ノノカ外伝 囚われの王女さまを救え!』


 これにて、終幕。



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