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犬との思い出

作者: 入江 涼子

 わが家では長年犬を飼っていない。


 ただ、近所で親しくしていたお家がありそこの犬とは触れ合う機会が多かった。他の家だと小、中学校の同級生の家の犬だろうか。

 私は訳あって小学五年か六年生の頃にその親しくしていたお家で厄介――お世話になっていたのだが。夏休みくらいだったろうと思う。

 ある日、このお家のおばさんに頼まれて飼っている犬の散歩に行った。リードに繋いで玄関から外に出る。犬は散歩に行けるとあって大はしゃぎだ。


「んじゃ。行ってきます!」


「……早めに帰ってきいよ!」


 私が言うと。おばさんが注意をしてくる。それに「はーい!」と答えながら村を通る幹線道路に出た。ちなみにわが家やこのお家のすぐ前に幹線道路が通っている。

 犬はワンと元気に鳴きつつも私を引っ張りながら進んだ。まあ、ここまでは良かった。


 散歩コースの途中で偶然にも同級生――ある男の子や飼っている犬と出くわす。その男の子も散歩の途中らしい。ちなみに出くわした場所はバイパスつまりは高速道路の高架下のトンネルだ。私が住む村はど田舎ではあったが。幸いにもバイパスがニ十数年前に造設されていた。

 まあ、話が逸れたが。その男の子は出くわしたのが私だと分かると。声をかけてきた。


「あ。奈都杞やないか!」


「……うん。奇遇やね」


「お前も散歩の途中なんか?」


 訊かれて私は頷いた。そうしたら男の子が連れていた犬――大型犬のコリー――が私の連れていた犬に吠えかけたのだ。


「……ワンッ!!」


 たぶん「遊ぼう!」と言う意味で吠えたのだろう。けどこの子は怖がってしまった。何せ、向こうが大型犬ならこっちは小型犬の部類に入る。いわゆるシェルティーだしな。シェルティーの子は何を思ったかリードを無理矢理自力で外して一目散に逃げ去った。

 今になって考えたらトンネルの中だったというのがいけなかったかもしれない。

 さて。私は凄い速さで逃げ去ってしまったこの子を追いかける。男の子は心配そうにしていた。


「……俺もあとを追いかけよっか?」


「……ええよ。あたし一人で追いかけてみるわ」


 そう言って私は男の子に簡単に挨拶をして。シェルティーの子の後を走って追った。


 幹線道路や思いつく場所を探してみたが。どこにもあの子はいない。自動車などに轢かれたりしていないか心配だ。そんな事をぐるぐる考えながらもお世話になっているお家に戻る。玄関の戸をガラガラと開けた。

 そこにはケロッとした顔で飼い主のおばさんに甘える犬の姿があった。


「……あら。どないしたん?」


「……あ、うん。ただいま」


 私はかろうじてそれだけを言った。ヘナヘナとその場にへたり込みそうになったのは言うまでもない。


 いかがだっただろうか。これは私の実体験ではあるが。

 それではお読みいただき、御礼申し上げたい。


 ――終わり――

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― 新着の感想 ―
[良い点] 良かった……どうなることやらとドキドキしました(;´Д`)
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